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「ピース・ヤード」担当者へのインタビュー

イラク事業担当 Ghamra Rifai(ガムラ・リファイ)
2018年9月11日 更新

2018年7月12日、JVCイラク事業が活動に協力している「ピース・ヤード」のまとめ役シェラン・シェルワンさんにビデオインタビューを行いました。彼女の日常や将来の夢、子どもたちとのふれあいについてお話しを聞くことができました(アラビア語でインタビュー)。

気温40°C、酷暑と停電にも関わらずシェランは笑顔でインタビューに応じてくれました。

「ピース・ヤード」のまとめ役シェラン・シェルワンさん「ピース・ヤード」のまとめ役シェラン・シェルワンさん

「私はバグダッドの生まれでクルド人です。でもクルド語は上手じゃありません。アラビア語の方が得意です。1994年生まれで、2007年までバグダッドに住んでいました。しかし、スンニー派とシーア派の宗派対立が激しくなり、収拾がつかなくなったので、私たち一家はキルクークに避難しました。そこで私は学業を終え、キルクーク大学で生物学の学位を取ることができました」

2年前、彼女はイラクの市民組織INSAN に応募して採用されました。それまでの学業とはまったく違う世界ですが、以前から彼女は人道支援に興味をもち、学生時代にも人々への啓蒙活動や、国内避難民キャンプでの援助など、ボランティア活動を行ってきたそうです。

―今、イラクでは、人々が互いに仲良くやっていけないと聞いていますが、それは本当ですか?それともこれは政治的な扇動なのでしょうか?

「外部から見ると、イラクの人々は無差別に殺し合いをしているように見えるかもしれません。でもそれはちがいます。イラクは今でも良心的な人々で満ちあふれています。困っている人がいれば、そうですね、たとえばタイヤがパンクした車がいれば、人々が集まってきて手助けをしてくれます。宗派対立の大元には政治の問題があります。一部の過激な考えを持った人たちが、対立をあおっているのです」

彼女の趣味についてうかがいました。昔は映画と読書が好きだったそうです。でも基本的に家の中に閉じこもっているタイプではありませんでした。最近は、大学の生物学研究室で新しい仕事も始めたため、ほとんど自由時間がとれないそうです。INSANの仕事も好きですが、生物学への情熱も止めることができないと言うシェランさん、毎朝8時から夜8時(時には9時)の間、午前は生物学、午後は人道支援と二つの仕事を掛け持ちしています。

10代から現在に至るまで、青春時代を政情の不安定な国で過ごさねばならなかった彼女は、イラクが昔のように平穏な国に戻れると考えているのでしょうか?

「どうやったらイラクが昔のようになれるのか、私にはわかりません。でも、私は決してイラクを離れません。離れられないのです」

目に涙を浮かべてシャランは答えました。彼女はイラクに留まって、人々の苦しみを和らげ、自分の力で改善できることは何でもやりたいと思っています。

―ピース・ヤードで活動して2年になりますが、これまでにどのようなことができましたか?今どう感じていますか?

「去年はじめて活動を開始した時は、多くの問題に直面しました。子どもたちは、民族や宗教、出身のちがいを受け入れようとはせず、たいへん困りました。でも最後には、始めとはまるでちがう子どもたちになったのです。彼らはやさしくなりました。食べ物や持ち物などお互いに気軽に貸してあげるほど仲良しになったのです」

シェランは今年も同じような問題に出会うことでしょう。でも、何回か集まるうちに、きっと子どもたちは仲良くなり、協力するようになると彼女は信じています。

ピースヤードの子どもたちとピースヤードの子どもたちと

「2年間人道支援に携わり、すばらしい人たちと一緒に働いてきて一番やりがいを感じたことは、困っている人々を助ける機会を得たこと、そして何もできない時には、微笑んで共感を示すことができたことです。この分野で働いていく上で、十分な生きがいをもつことができました」

これを聞いて私はとてもうらやましく思いました。なぜなら、私にとっても一番大切なことは、人々とのふれあいだからです。残念ながら東京事務所スタッフは現地の人々とふれあうことがなかなかできません。彼女はこう付け加えました。

「この仕事には、鉄のような心が求められます。仕事をやり遂げるために多くの勇気と力が必要です」

「人道支援のプロジェクトは、どれもとても大きくて、状況とは無関係に時間と労力を必要とされます。たとえば、ラマダンで断食している時にもピース・ヤードの参加者を探して暑い砂漠に出かけなければなりません。でもピース・ヤードはうまく進んでいますよ。子どもたちは驚くほどよく反応してくれるし、才能もあります。もちろん、言うことをきかない子どももいますが、それ以外は特に問題ありません。子どもたちは、家に帰ってからも美術作品の製作を続け、ピース・ヤードに持ってきてくれます。彼らの信じられないような才能を受け入れ、そして子どもたちに自信を持たせることを願っています」

最後に、これからの抱負をうかがいました。彼女は、
「トラウマやPTSDを患っている子どもたちと接するための専門的な訓練を受けたい」
と話してくれました。こうした子どもたちを支援し、コミュニケーションをとるためにも、専門的な訓練は欠かせません。彼らが社会復帰し、本来の自分に戻るのを助けることは容易ではないからです。

「子どもたちは、大人にさえ恐ろしい光景を目の当たりにしてきました。人々が虐殺される姿や、自分の町が破壊される様子を見てきたのです。でも、子どもたちは、大人よりも早く治療に応えて回復していくかもしれません」

シェランと話し、彼女の仕事や奮闘の様子、夢や希望を聞くことで、私もイラクの将来のために働く力をもらいました。同時に、イラクが再び立ち上がり、若い世代のパワーによって平和で繁栄した国になることを確信しています。

和訳:英語ボランティアチーム 竹村謙一

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