国土の60%以上を
森林が占めるラオス。人々にとって、森は生活に必要なすべてを手に入れる「スーパーマーケット」のような存在です。一方、農村部には開発の波が押し寄せ、奪われた森はダムやプランテーション、工場へと変わっています。開発から暮らしを守るため、JVCは村人とともに住民の権利を広め、森林を保全する仕組みをつくっています。
ラオスの自然を村人自身が守れる社会へ
JVCは、村人自身が自然資源や自らの権利を守り、安定した暮らしを営んでいけるよう支援しています。これらを通して、自然とともに生きる人々の暮らしの基盤が奪われることなく、暮らしのあり方を村人たち自身で決められる社会の実現を目指しています。
活動地域
JVCは南部にあるセコン県に現地事務所を置き、10村で活動しています。
Before
緑豊かなラオスでも進む市場経済化。外貨を得るためのダム建設や伐採により、森や川の自然が失われています。「森が伐られ、川の水が減って、この15年くらいで魚がめっきり少なくなった」と村長は嘆いていました。
After
JVCと村人とで話し合い、未来の資源を守っていくために、魚が繁殖するポイントを「魚保護地区」として登録。村人と共にGPSを使って村を測定し、自然資源の利用規約をつくりました。自然資源を「奪わない」「奪われない」暮らしを、村人たちと体現しています。
ナライコーク村村長トムティップ氏(50代)
ここ20年、魚を売る村人が増えたことで、川の魚が減ってしまいました。魚の乱獲を防ぐため、以前から魚保護地区はありましたが、村人の間で申し合わせを決めていただけでした。そこでJVCとともに規則や区域を示す看板や資料を整備したことで、外の人に内容を説明したり、子や孫の世代に伝えたりすることができています。今のところ禁漁を破る違反は起きておらず、これからも管理していく自信があります。日本から来た駐在員も含めて、JVCスタッフは遠くから、雨が降っても日照りの時でも村まで来て、住民の中のさまざまなグループの人と近しく活動を行ってくれました。こんなプロジェクトはこれまでありませんでした。JVCは資材を提供するだけではなく知識を伝えてくれて、多くのことを知ることができました。
アラン村村長ブンター氏(40代)
「ドンプライの森」は多くの村人がキノコやタケノコを採ったりして長く利用してきた森で、私たちの生活の拠り所です。これまでも村では森の木を切ることを禁じてきましたが、水力発電ダム用の土石採掘のために森が取られてきました。境界があいまいで、どこからどこまでが共有の森なのかを示すことが難しかったためです。JVCとともにこの森をコミュニティー林として行政登録し、規則や範囲を示す看板を設置したので、外部者にも「伐採してはいけない」ということがよく伝わるようになりました。開発事業などが来ても反対しやすくなり、これからは相手のなすがままにならないようにします。コミュニティー林の樹木や林産物のリストをつくり、木が一本でいくらになるのかを明示できるようになったこともよかったです。
岩田 健一郎
海外事業グループマネージャー・ラオス事業担当
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山室 良平
現地代表
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後藤 美紀
ラオス事業担当・スーダン/南スーダン事業担当
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フンパン・センチャントン
プロジェクトコーディネーター
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キノ・カンタマリー
会計担当
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ラオス・ボランティアチーム
活動内容
勉強会、事業のファンドレイジングなど
メッセージ
ラオス・ボランティアチーム、通称「ラオボラ」は、毎週水曜日にJVC東京事務所に集います。事業への寄付となる「書き損じハガキ」を集めるキャンペーンを通年で運営するほか、ラオスに関する発信やイベント出展、勉強会などを実施しています。事業担当のラオス報告を聞く時間もあります。ぜひご参加ください!
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