住民主体の自然資源の管理と利用の支援
JVCは、農村部住民が身の回りの森や川を持続的に利用しつつ、行政機関や企業など、村外の様々な人々に村の自然がどれだけ大切か伝え、奪われることのないよう訴えていけるように支援しています。 例えば、コミュニティー林や魚保護地区といった自然資源保全の仕組みづくりや、村の歴史、川や森からとれるものなどのデータや地図をまとめた冊子づくりを行っています。 また、住民が持つ自然資源に対する法的権利について理解を深めるための研修や、村全体や家族内での様々な意思決定において女性も十分に参加していけるよう意識を啓発する研修も行っています。
(ゴムプランテーションと水力発電ダムの送電線)
(自然から採ってきたタケノコを下ごしらえする家族)
活動村10村のうち、これまでにコミュニティー林を設置した2村、魚保護地区を設置した4村で、規則の実践状況のモニタリングを行い、問題なく運用がなされていることを確認しました。また、3村で村境や村の歴史などのデータをまとめた冊子を村人に共有しました。現地の NGO ネットワーク組織の会議に参加して、法律研修で使う法律知識普及のため のカレンダーの制作に参加し、カレンダーの内容策定に協力しました。
(コミュニティー林の設置式典)
設置したコミュニティー林や魚保護地区が村人自身によっ て支障なく運用されており、森や土地の収用に反対したり、 伐採や過剰な漁に伴うトラブルを回避したりしやすくなりました。これら自然資源管理の仕組みは村人と郡行政によって継続して運用される見通しです。法律カレンダーの制作に際しては、活動地の例を挙げて重要なポイント(開発事業にお いて事前の、自由意思による、十分な情報に基づく同意を徹 底することや政府、投資者の土地利用に関わる意思決定に住民が参加すること、土地の慣習的利用を根拠として住民は土 地証書の発行を行政に働きかけられることなど)を提起し、それらがカレンダーの内容に反映されました。
(新たな活動地セコン県での活動村選定のための聞き取り)
(村のデータをまとめた冊子を読む村人)
ナライコーク村村長トムティップ氏(5 0 代)の話
ここ20年、魚を売る村人が増えたことで、川の魚が減ってしまいました。魚の乱獲を防ぐため、以前から 魚保護地区はありましたが、村人の間で申し合わせを 決めていただけでした。そこでJVCとともに規則や 区域を示す看板や資料を整備したことで、外の人に内容を説明したり、子や孫の世代に伝えたりすることができています。今のところ禁漁を破る違反は起きておらず、これからも管理していく自信があります。日本 から来た駐在員も含めて、JVC スタッフは遠くから、雨が降っても日照りの時でも村まで来て、住民の中のさまざまなグループの人と近しく活動を行ってくれました。こんなプロジェクトはこれまでありませんでした。JVCは資材を提供するだけではなく知識を伝えてくれて、多くのことを知ることができました。
(魚保護地区の規則の実践状況を語るトムティップ氏)
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