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日本 コリア

スタッフインタビュー「JVCの中の人を知ろう!~酒寄静流さん編~」

こんにちは!インターンの土田、濱田です。今回はJVC東京事務所 コリア事業担当の酒寄静流さんにインタビューしました。ぜひ最後までご覧ください!

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Q1. 酒寄静流さんってどんな人?

茨城県出身。世界には今日の食事もままならない人々がいることを幼少期にテレビで知り、衝撃を受ける。大学では開発援助学を専攻し、ミャンマーの教育問題をテーマに卒論を執筆。大学卒業後、物流業界やコンサルティング業界で働くも悩みを深め、何のために生きているのかわからなくなる。次第に、社会貢献できる仕事に就きたいという思いが湧き上がり、幼少期から関心を抱いていた国際協力の分野へ進むことを決意。2024年1月、JVCに入職。尊敬する人は芸術家の岡本太郎氏。

★酒寄さん、よろしくお願いします…!

Q2. 趣味や最近はまっていることはありますか?

岡本太郎さんが好きなので、美術館巡りが趣味です。
後は銭湯に行くことです。近所の銭湯に電気風呂があって、腰を痛めたときはそれによく入っていました。ちなみに近所といっても徒歩30分くらいです(笑)

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(太陽の塔を見に行った時に撮ったもの)

あとはYouTubeやInstagramでハリネズミの動画を見ることが好きです。ハリネズミの前は猫にはまっていたので、猫の動画もよく見ていました。

Q3. 前職についてお聞きします!

〇物流会社での通関のお仕事について
新卒では物流会社で通関の仕事をしていました。モノに番号を振って申請するような仕事だったんですが、ルーティンワークだったので、物足りなさを感じてました。

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(会社の人たちと休日にバーベキューをした様子)

〇コンサル(シンクタンク)のお仕事について
官公庁や企業の、調査研究や問題解決のサポートを行ってきました。当時はちょうどオリンピックの時期だったので、オリンピック関連の仕事が多かったです。

例えば、「日本がもっとメダルを獲得するにはどうしたら良いか」を調査・分析するために、メダル獲得数の多い国のホームページを調べまくっていました。
ほかにはオリンピックに関連する施設の運営計画を立てていました。
様々な業務に携われたのは良かったですが、かなりの激務だったのと、公的な資金の使われ方について考える中で、自分の価値観や目指す方向性と異なる部分を感じてしまったので、2年くらいで退職しました。

〇新卒でこういったNGO業界に進むというのと、いろいろな業界を経験してからNGO業界に進むのとでは、今考えると、どちらの方がよかったですか?

私が大学生の時は「NGO業界に進む」という発想がなかったです。ゼミの先生が政府で働いていた方だったので、NGOを見る機会がありませんでした。また、大学の時に学んでいたのは、政府が海外に対してどのような支援をしているのかということでした。なのでNGOのことはほぼ知りませんでしたし、就職先としても気づきませんでした。
もし新卒でNGO業界に就職していたらどうだったかというと…うーん…でもいろいろな企業を見てからNGOに入ってよかったなとは思いますね!世の中ってどういうものかNGOだけで働いていては、分からなかった気がします。民間企業ってどういうところなんだろうというのも、NGOだけにいたら想像するのも難しいと思いますし。なのでそこを見れたのは良かったかなと思います。
あとは、ビジネスマナーやメールの書き方、社会常識的なところを学べたのも良かったです。

★ここからは、JVCや国際協力関連の質問です!

Q4. 国際協力に今日を持ったきっかけは何ですか?

テレビで国境なき医師団などのCMが目に入ってきたときに、どんな生活をしているんだろうと興味を持ちました。それが、大学で開発援助学を専攻したきっかけになりました。
でも当時は国際協力に関わる仕事をしようと思っていませんでした。将来やりたいことは特に無かったですし。ゼミの先輩は物流系に進む人が多かったので、自分も新卒では物流系の会社に進みました。

Q5. JVCに入ったきっかけを教えてください!

民間企業で働く中で、せっかく週5日も働くのだから、世の中の役に立つ仕事をしたほうがいいんじゃないかと思うようになりました。そこで、大学の時に専攻していた国際協力系の仕事をしてみたいと思うようになりました。
実は、最初はアルバイトとしてJVCで働いていたのですが、そこで今井さん(前代表理事)と伊藤さん(前事務職長)から正職員として働かないかとオファーをいただきました。そして今に至ります。
JVCが、政府などに対するアドボカシーを行っている点に惹かれました。

Q6. JVCではどのようなお仕事をしていますか?

主にパレスチナ事業とコリア事業を担当しています。(インタビュー時)

パレスチナ事業では、助成金の申請やドナーの対応、報告書作成、外務省とのやりとり、会計のチェックなど。

コリア事業では、大学生ピースフォーラムでの調整役と絵画展を担当しています。絵の貸し出し、会計、ともだち展の企画などが主です。

Q7. JVCのやりがいや、活動していてよかったことはありますか?

パレスチナ事業に関しては、出張の際に現地の人の笑顔を見れたことがやりがいですね。
コリアは南北の分断に関して、日本人として関わることができていることに、意味を感じています。

活動していてよかったことは、出張などのチャンスが巡ってきたことですね。あとは、世の中をなんとかしようとしているスタッフが多いことです。

Q8. JVCでの出張について(コリア)

韓国には8月末に1週間ほど行きました。
韓国のパートナー団体であるオリニオッケドンムが主催するフォーラムに参加しました!いろいろな国(韓国、南アフリカ、北アイルランド、キプロス、カンボジア、アメリカ)の団体や、韓国の学生が参加して、麗水・順天のフィールドワークやディスカッションをしたり、今後のプロジェクトの話をしました。

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(麗水・順天フィールドワークの写真)

〇コリアに行くのは初めてでしたか?どんな印象を受けましたか?
初めてでした!ご飯おいしかった~という印象が残っています。

キムチも日本のものと全然違いますね。日本に戻ってから日本食が甘いなーと感じるようになりました。韓国料理は辛くてさっぱりしている印象でした。

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(とある日の夕食の様子。酒寄さんが食べた唐辛子は辛くありませんでしたが、ものによってはかなり辛かったそうです!)

韓国の学生さんと話す機会も多くあり、アニメで覚えた日本語で、話しかけてくれました。
韓国の方とたくさん関わることができたので「韓国来たな~!」という感じでした。

Q9. JVCでの出張(パレスチナ)

9月末から10日間ほど出張に行きました。
東エルサレムで主にパートナー団体であるAWCのモニタリングや視察、あとはガザで活動している医療系の現地NGO(PMRS)と打合せを行いました。他には、事務所で打ち合わせをしたり、パレスチナの現在の状況などを見てました。

〇パレスチナに行くまでかなり大変でしたよね?
そうですね、日本を発つ前も、ギリギリまで出張に行くか行かないかの打ち合わせをずっとしていました。
アブダビで乗り換え予定だったのですが、私たちが日本からアブダビに向かっている最中に、イスラエルに緊急事態宣言のようなものが発令されました。そのため、出張をキャンセルするかしないかの話をアブダビのホテルでしましたね。
結果として、飛行機が飛ぶことになったので、行くことになりました。

〇パレスチナの治安はどうでしたか?
出張中にミサイルが飛んできましたが、ヨーロッパと比べると、スリとか強盗といった犯罪はなさそうでした。

〇パレスチナで髪を染めたと聞きました!美容室はどんな感じでしたか?
私はピンクのハイライトを入れました!

AWCが美容師の職業訓練をやっていて、そこで講師をしている方にインタビューをしたんですよ。その講師の方がご自宅でサロンをオープンしていて、そのサロンで休みの日に髪を切って、染めてもらったという感じです。

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(髪を染めてもらっている様子。とてもパワフルな方で、すごく元気をもらいました!)

〇パレスチナでは観光をしましたか?
韓国の時はびっしりプログラムが組まれていましたが、今回は夜にフリーの時間があったり、休みの日があったりしたので、そこで観光に行きました。観光はベツレヘムに行き、渡辺真帆さん(JVCパレスチナ事務所現地駐在員)の知り合いの方がガイドをしてくれました。

〇JVCのインスタにあがっているような写真と実際に行ってみて、何か違ったなーというところはありますか?
私はあんまり想像をしないようにするタイプなので、ギャップというものもあまり感じませんでしたが、イスラエルとパレスチナの力の差は感じました。例えば、エルサレムに行くと、多くのイスラエルの国旗がありますが、パレスチナの国旗は全然見ないです。

〇ご飯はどんな感じでしたか?
めっちゃおいしいです!佐藤さん(JVC東京事務所広報/FR担当)は過去にドバイに10年住んでいましたが、「私のドバイの10年は何だったんだろう…」と言ってて、それくらいおいしかったです。
しかも量が多く、毎日限界まで食べていました。日本に帰ってからも、「ご飯は限界まで食べる」という習慣が残ってしまいました(笑)

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(とある日の夕食)

〇お土産が売られてたってことは、観光も盛んだったんですか?
出張時には、観光客はほとんどいませんでした。2023年10月7日以前のエルサレムは、観光地としてものすごく栄えていましたが、現在はお店の方も「観光客が全然いなくなってしまった」とすごく大変そうで、生計成り立たない人がたくさんいるんじゃないかなという印象でした。

〇帰るときも大変だったとお聞きしましたが、どうでしたか?
ちょうど私たちが帰る前々日くらいにミサイルが飛んできて、ほとんどの飛行機がキャンセルになってしまいましたが、私たちの飛行機は予定通り飛びました。多くの飛行機が飛ばなかったので、空港に人が全然いなくて、スタッフが暇そうにしていました。私たちは「なぜこの時期に来たのか」とスタッフから1時間くらい質問を受けて、大変でした。

〇日本に帰って新しく感じることはありますか?
パレスチナに戻りたいですね~。
私は日本の生活に生きづらさを感じていたのですが、現地に比べると私の感じている大変さなんて、大変ではないんだと思っていました。ですが、現地には現地の日本には日本の大変さがあり、比較すること自体が間違っていたんじゃないかと思うようになりました。東京担当も色々とあります(笑)。

〇将来的には駐在してみたいですか?
駐在をしてみたいですが、ローカライゼーションが進んでいるため、日本人が現地に行って活動するよりは、現地の人が主体となって活動をしていく動きがあります。そのため、駐在の機会は減ってしまうとは思いますが、いつかしてみたいですね。

駐在先としては、中東地域に行きたいなとは思っています。あとは、学生の頃に行ったことのあるミャンマーにも行ったのでミャンマーも行きたいですね。とにかくいろんなところに行ってみたいです。

★ここで学生時代に訪れたミャンマーについて聞いてみました!

Q10. ミャンマーに興味を持ったきっかけは何ですか?

たまたまです(笑)大学のゼミで毎年海外視察に行っていて、私たちの年はミャンマーかバングラデシュが候補地でした。投票でミャンマーの方が多かったので、ミャンマーに行くことになりました。

ミャンマーは優しい人が多く、親日で、穏やかな印象でした。
アウンサンスーチーさんの家も見ました。街はずれにあるのかと思いきや比較的街中にあったのでびっくりしました。ガイドの人から突然「あそこだよ」と教えられ、「こんな街中で軟禁されてたんだ」と感じました。

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(ミャンマーにて)

〇日本で調べたのと印象の違いはありましたか?
日本と比べると経済的に豊かであるとは言えませんが、すごくかわいそうな人たちだということは全く思わなかったです。マーケットで小さな子供たちが必死に物を売っている姿を見て、むしろ日本の満員電車に乗っている、目がうつろなサラリーマンの方がかわいそうなんじゃないかと思いました。

Q11. 海外旅行好きな酒寄さん!

★学生時代に行ったミャンマー、JVCの出張で訪れたコリア、パレスチナ以 外に酒寄さんはどこへ行ったことがあるのでしょうか。海外愛を語っていただきました!

学生の時には、カナダとイギリスとチェコ、ニュージーランド、オーストラリア、タイ、ベトナムに行ったことがあります!
私は1回行った国より違う国に行きたい派です。

〇今まで行った国でどこが1番好きですか?
うーん、選べないですね。景色でいうならニュージーランドですね!もっと滞在したかった国はイギリスです。ご飯でいうと、タイと韓国とパレスチナが美味しかったです。

〇次の海外旅行はどこに行きたいですか?
仕事では平壌に行けたらいいなと思います。
プライベートで行くならば、まだ行ったことのないアフリカに行きたいです。
行ったことのない国に行ってみたいと話したのですが、今年の4月にタイでワーケーション予定です(笑)。

Q12. 座右の銘

「いつ死んでもいいと思って生きる」ことです!過激な考え方かもしれませんが、そう思えるようになったら、生きることが楽になりました。
民間企業で働く中で転職するか、このままつまらない仕事を続けていくかと考えたとき、「転職したらこれから食べていけるのだろうか」とか、「どこで働いても環境や仕事内容は同じようなものじゃないだろうか」とかいろいろ悩みを持ってずっと転職できずに、臆病になっちゃうこともあると思います。だけれど、別にいつ死んでもいいかと思って生きたらなんでもできるんじゃないかと日に日に思うようになりました。
死ぬ覚悟をもって生きたら、とても生きやすくなりました。

Q13. 最後にこの記事を見てくれている方へメッセージ!

私は社会人になって何がしたいかかなり迷いだしたんです。もちろん将来やりたいことが決まってる人もいますが、でも今の時代は、「将来やりたいことや、方向性が決まるのは、だいたい30代くらいなのではないか」と言われたことがあります。周りに何と言われようと、自分が納得できる仕事であったり、生活や人生を目指していくのがいいんじゃないかなと思います。

インタビュアー感想🎤

酒寄さんスタッフインタビューありがとうございました!私たちの拙いインタビューに優しく明るく答えていただきました。先月東京事務所で勤務して、お昼をご一緒した際も思ったのですが、酒寄さんは話の引き出しがほんとにたくさんあって話していてとても楽しかったです。今回のインタビューで、「酒寄さんってこんな一面あるんだ…!」「この考え方とてもすてきだな」、そう思うことがたくさんありました。私は「いつ死んでもいいと思うように生きる」がやっぱり心に響きましたね。何かにチャレンジするとき、できるのかなと考えすぎて機会をついつい逃してしまい後悔する自分ですが、チャンスは今しかないのです。酒寄さんのキャリアや人生観のお話を聞いていて、私も自分の人生、今やりたいことをやりたいだけしようと思いました!
 また、酒寄さんの海外愛にも驚きました!私たちインタビュアーにワクワクした様子でパレスチナのお土産を見せてくださったのが印象に残っています!私も今年どこか海外旅行に行きたいので酒寄さんにどこがいいか相談したいなと思います!(濱田菜月)

● お忙しい中、インタビューありがとうございました!
インタビューを通じて、酒寄さんは、私なら後ろ向きに考えるだろうなという状況であってもいつでも前を向いている姿勢が強い方だなと思いました。しかし、その姿勢は酒寄さんの座右の銘からきていると感じました。
また、コリアやパレスチナ出張のお話は私自身も気になっていたところだったので、お聞き出来てよかったし、私もいつか訪れてみたいと思いました。特にパレスチナは、昨今の情勢に伴って胸を痛むような写真や動画を何度も見てきましたが、実際の訪れた感想や町の様子などを聞いて、彼らも自分たちと同じように仕事や生活をしている同じ人間だということを改めて強く認識しました。(土田)

●酒寄さんプロフィール

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