スタッフインタビュー「JVCの中の人を知ろう!~篠田奈都さん編~」
こんにちは!インターン生の深見、濱田です。
今回はJVC東京事務所 広報担当の篠田奈都さんにインタビューしました。
ぜひ最後までご覧ください!
埼玉県出身。小学生の頃、発展途上国のドキュメンタリー番組を観て、世界には、過酷な状況で生きる子どもたちがいることを知り、衝撃を受ける。大学在学中は、イスラム圏への留学をきっかけに、宗教とジェンダーの関係性に興味をもち、卒業論文ではインド社会における女性をテーマに執筆。
卒業後は、国際協力NGOでのインターン後、IT系の一般企業に就職。しかし、幼少期のころから関心のあった国際協力の分野へ進み、国籍、宗教、性別などに左右されず、世界中の人々が安心して暮らせるような世の中にしていきたいと思い、2025年6月、JVCに入職。
〇趣味
休みの日に東南アジアに行くのが好きです!
東南アジアの中で、タイ、バリ、マレーシアに行ったことがあり、最近はベトナムに行きました!基本的に友人と一緒に旅行することが多いです。
ベトナム旅行でホイアンを訪れ、街中のランタンと一緒に撮った写真
東南アジアの魅力は気候が暖かく、海が綺麗な所です!また、現地の人がせかせかしていないところも魅力です。東南アジアの国々は英語が公用語ではないところが多いので英語を間違えてはいけないというプレッシャーを持たずに、気軽に現地の人と会話を楽しめます。
タイ旅行でバンコクを訪れたときの写真
〇最近ハマっていること
韓国ドラマを見ることです。
最近見たのは「刑務所のルールブック」というドラマで、野球選手が正当防衛が認められず、刑務所に入ってしまうお話です!韓国ではヒットしたそうです。
大学では、平和構築・貧困や世界の紛争について学びました。
経済成長の著しいアジアで異文化に触れて学ぶことで、グローバル人材を育成するという学科だったので、タイかマレーシアへの留学が必須でした。
私はマレーシアへ留学に行きました!
〇マレーシア留学について
大学2年生の9月から半年間、マレーシアへ留学しました。
クアラルンプールの大学で、ビジネス系(e.g. 広告をどう打ち出すかなど)や留学生向けのマレーシア文化の授業(e.g.博物館行ったりなど)などを受けました。
マレーシアは多民族国家で、マレー系、中華系、インド系、の主に3つの人種の方がいます。マレーシアに着いて早々インド系のお祭りがあったのが衝撃的でした。また、イスラム教の国なので、断食の時期がありましたが、ピリピリしている印象もなく、みんな優しく接してくれました。
ピンクモスクで有名な、プトラモスクを撮ったもの。
湖に浮かんでいるように見えるのと、外壁、内壁ともにピンクでお気に入りのモスクです。
〇なぜマレーシア留学に?
イスラム教について全く知らない私にとって、マレーシアはイスラム教を実際に見ることができる、面白い機会だと感じたからです。また、タイと比べてマレーシアのご飯の方が辛くないと聞いていたためです。笑
(実際は辛かったです)
〇マレーシア留学の思い出(楽しかったことなど)
・楽しかったこと:マレーシア人に綺麗な島に連れていってもらったことです。海が凄く綺麗でした!ただ自然が豊かすぎたこともあり、ベッドには蟻がずっといました。蟻と一緒に寝たのは、今となっては面白い思い出です。マレーシアは、首都のクアラルンプールから1時間ほどで気軽に島々に行けます。
・慣れなかったこと:マレーシア人の多くはトイレットペーパーを使わず、シャワーヘッドで洗います。そのため、トイレの床がいつもびしょびしょに濡れていたのには、慣れなかったです。
・美味しいご飯:私が住んでいた地域は、イスラム教やヒンドゥー教の人びとが多く、豚や牛を食べないので、チキンを使った料理が美味しかったです。特にナシゴレンアヤムという炒飯にチキンが入っている食べ物が好きで、唐辛子抜きにすると日本人好みの優しい味になります!
(ご飯が脂っこかったり、深夜までナイトマーケットがオープンしていて遅い時間にご飯食べたり、といった食生活が抜けず、帰国後でも太りました。笑)
留学中よく食べていたマレーシア料理のひとつ、ナシゴレンパタヤ。
マレーシア版オムライスで、上にかかっているのはケチャップではなくチリソース。
〇留学を通して、学んだこと・気づかされたこと
行く前は、イスラム教に対してあまり良いイメージを持っていなかったです。しかし実際、マレーシア人の子と話しても日本の人と変わらない会話でした。
そこから、勝手に偏見を持つのはよくなく、本当に知ろうとするなら自分の目で見てから判断するべきだと気づかされました。
マレーシア留学中に友人とモスク見学をした際の写真。
モスクの中では、肌を見せてはいけなかったため、ヒジャブをかぶりました。
卒業論文では、インド社会をテーマにしました。
イスラム圏のマレーシア留学をきっかけに、宗教と女性の関係や発展途上国の女性の地位に興味を持ちました。その中でインドは元々カースト制度もありますが、それ以上に女性の地位が低いのではないか?インドの女性はどのように生活しているのだろう?と疑問を持ち始めたのが、理由です。
「ダウリー」について研究しました。「ダウリー(結婚持参金)」とは、結婚するときに新婦が新郎に渡すお金、家具や高級品などのことです。ダウリーが少ないと、女性が嫁ぎ先で暴力を振るわれたり、最悪の場合命を奪われたりします。そこで、どうやってダウリーをなくせるのか調査し、研究しました。ダウリーを研究することで、女性の地位の低さに関する問題も解決方法も自分なりに分かるのではないかと思ったからです。
現在も、ダウリーはインド社会に残っています。
ー私も今卒業論文に取り組んでいますが、情報収集難しくないですか?特にインドとかは。(濱田)
当時、ボランティアをしていたNGOがインドの女性を支援する活動を行っていていました。そのため、インドに行ったことがあるスタッフさんから話を聞くことができました。
週1ぐらいで大学生の人や年上の方々と一緒にNGOのボランティアをしていました。物品支援や世界の情勢について意見交換、グロフェスのようなイベントの出展をしていました。
国際協力NGOでのボランティアの様子。物品の仕分け作業中です。
ーNGO団体はどのように知ったのですか?(濱田)
NGOを知ったのは、大学の授業がきっかけです。この授業では、NGO職員に大学に来てもらい、参加したいNGOを自分たちで決め、実際にNGOの事務所に行ってみて、NGOの改善点やNGOが社会にどう影響をもたらすのかを発表するという内容でした。授業後もそのNGOに通っていました。
ー学生の頃からNGOに興味を持っていたんですね。(濱田)
ゼミの教授もNGOに詳しく、教えてもらっていました。
〇どのような活動をしていたのか
大学卒業後、在学中にボランティアしていたNGOとは別のNGO団体でインターン活動を行いました。
主に女性と子どもへの支援を行っている団体です。女性の地位に興味があったのでインターンに応募しました。ファンドレイジング部で、寄付を集めるための運営・広報を主にしていました。
クラウドファンディングを行っていた時のオンラインイベントの様子の写真。
〇インターン活動を通して、学んだこと・気づかされたこと
文の書き方やwebの作成、社会人の初歩的なことを学びました。
また、今まで大学の授業や就活はオフラインでしたが、コロナ禍でオフラインからオンラインイベントへの切り替え時期だったため、オンラインイベントの開催方法を学べました。
〇国際協力に関心を持ったきっかけ
小学校の授業で、発展途上国の子どもたちのドキュメンタリーを見たことがきっかけです。同じ年ぐらいの子が学校に行けず、親元を離れて働かなければならない姿を見て、世界にはそういう子たちがいるんだと衝撃を受けました。
大学在学中、一般企業の就職活動をしていて、内定も貰い就職する予定でした。
しかしやっぱり国際協力がしたいなと思い、大学の教授に相談したところ、青年海外協力隊の募集があるから、受けてみたらどうかとアドバイスを貰いました。セネガルでの女性のエンパワーメント事業に応募したら受かったので、内定を取り消して、青年海外協力隊が始まる前まで上記のインターンをしていました。
結局青年海外協力隊は、コロナの影響で行くことができませんでしたが、、
青年海外協力隊は行けなくなってしまったので、2年半の間、出版社の宣伝局でアルバイトとして働いていました。
主に事務作業や社内広報、入稿チェックを行っていました。例えば、自社で出している漫画や本を、新聞や電車内に広告を出していたので、広告出稿の社内お知らせや、ウェブ媒体の広告の入稿チェックですね。
他には、自社のウェブサイトにてどのような広告を出すかの会議にも参加しました。
JVCの広報と同じ宣伝部ではありますが、広報として携わる媒体が異なります。出版社では、新聞や交通広告媒体に携わっていましたが、JVCではウェブ記事や、SNSでの広報に携わっています。
〇IT系の企業に就職した理由
将来はNGOに就きたいと思っていましたが、NGOに就くには社会人経験が必要とされていました。その上で広報かITのスキルがあればいいなと思ったのが理由です。
もう一つの理由は、女性のエンパワーメント事業に興味があるためです。発展途上国などで女性が生計をたてるためには職業訓練でゼロから学ぶイメージだったので、自分も何かゼロから学び、そこから生計を立てる経験があれば、将来女性のエンパワーメント事業についた際に、女性の相談相手になれたり、自分の経験が役に立ったりするかなと思い、未経験のIT業界にいきました。
〇どんな仕事内容でしたか?
インフラエンジニアだったので、主にサーバー構築をしていました。
アプリベンダーにお渡しするまでの工程を行います。例えば、サーバの中に100台以上のサーバを構築したり、コンピューターが正常に動いているか監視する機能を組み込んだりしていました。
やはり国際協力NGOで働いてみたかったからです。
そのままIT業界を続けようと思うこともありましたが、実際にNGOでスタッフとして働いたことはなかったので、1度はNGOで働きたいと思ったためです。
沢山あるNGOの中からJVCを選んだ理由は、広報の募集があったのと、女性への支援を行っていたからです。JVCでは東エルサレムで女性の職業訓練を行っていたので、女性のエンパワーメント事業について学べるかなと思ったからです。
ゆくゆくは女性のエンパワーメント事業に関われたら嬉しいです。
〇どんな業務を行っていますか?
広報ファンドレイジングとして、WebサイトとSNS(広報)の更新、イベントの企画・運営、インターン活動のサポート、遺贈寄付の副担当をしてます。
JVCで初めて、事業担当と一緒に企画から携わったイベント。
〇前職と比べ、難しさはありますか?
JVCはデザイン系も一からやるので、その点が難しいです。出版社で働いていた時は、デザイナーさんに広告のバナーなどを業務依頼していました。
またマネージャーがいないので、その分難しさを感じたり、責任などあったりしますが、自分で裁量を持って仕事を任せてもらえる点はいいと思います。
〇何を目標に働いていますか?
国際協力や世界の情勢に興味を持っていない人に知ってもらいたいです。
特に若い世代にもっと知ってもらいたいので、インスタの広報を頑張りたいですし、フォロワーも増やしたいです。
「人生は1回きり」。
ITの仕事は安定的ではありましたが、国際協力をやりたい気持ちが強かったのでNGOに入りました。人生1回きりなので、やりたいことに挑戦したいです!
仕事以外でやってみたいことは、韓国での語学留学、フラダンスを習う、どこかの島に住むなど、、
コロナ禍前までは人生設計をしっかりするタイプでしたが、コロナ禍で人生計画が崩れる経験をしました。将来NGOで働きたいと思っていましたが、協力隊に行けなくなり、NGOに就くのも難しくなってしまったのではないかと悲観的になることもありました。
ですが、今JVCで働けていることでどんなルートでも自分のやりたいことはできるんだなと思いました!そこまで計画的に考えなくても思いがあれば、行きたい道に進めるのかもしれないです!
●篠田さんがどういった経緯でJVCに入職されたのか、よく分かるインタビューでした。他NGO団体でボランティアやインターン活動を経てもなお、NGO業界で働きたい、という強い思いが伝わってきました。安定性を捨てやりたいことに挑戦する、篠田さんの姿勢に感銘を受けました。また、マレーシア留学のお話はとても興味深かったです!私はイスラム圏に行ったことがないので、いつか行ってみたいです。(深見)
●篠田さんが国際協力に興味を持ったきっかけが私と似ていて、実際に今国際協力の現場に入られるまでどういう道を辿ってきたのか知ることができました。ついつい色々なことを考えすぎて疲れてしまう私ですが、「考えすぎなくても人生以外となんとか生きていける!」という言葉、大切にしていきたいなと思います!フラダンスを習ったらぜひ私たちにも披露してください!(笑)(濱田)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!