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再びの武力衝突。そして休校 -生徒と教師の想い-

スーダン現地駐在員 今中 航
2021年6月 9日 更新

JVCはカドグリの5つの集落で補習校を運営していますが、そのうちの1つシャイール地区の近くで3月下旬に民族間の衝突が発生しました。
牧畜民の集団が家畜を連れて移動している際に、家畜用の水を巡り地元住民と口論になり、銃撃戦に発展。スーダン政府軍(SAF)が派遣される事態となりましたが、地元住民は抗議のために道路を封鎖し、通行する車に対し検問を実施。以下のような事態が立て続けに起こりました。

  • 衝突とは関係のない、結婚式のためにカドグリに来た男性が射殺される。
  • NGOの車両が銃撃を受ける。
  • NGOの職員が私用の車で通過した際に民族を聞かれ、車両のフロントガラスを破壊される。

射殺されたのがアラブ系牧畜民バッカーラの男性だったため、昨年発生した大規模な武力衝突の経験から地元住民(ヌバ民族)は復讐を恐れ、シャイール地区から軍基地や近くの親戚の家を頼って避難する人が続出しました。女性・子どもを含む殆どの住民が避難し、一部の男性だけが家を守るために残ることになったのです。そのため、朝の正規の学校だけでなく、JVCが実施する補習学級も一時休止となりました。

シャイール小学校全景 撮影:堀潤(Garden Journalism)シャイール小学校全景 撮影:堀潤(Garden Journalism)

昨年、シャイール地区では62人の生徒が補習校を修了し、3月上旬には57人が継続して朝の正規の学校に通い続けていることを確認していました。衝突から1か月経ち、やっと人々が戻り始め学校が再開。4月下旬に再度、朝の正規の学校でフォローアップを実施すると、26人しかいませんでした。

ムーシム君(14歳)は去年の修了試験では上位4位に入る高得点を取得し、正規校の4年生に編入。
「1週間前にシャイール地区に戻ってきました。1か月間、学校にも行かれないから、ただ家の中にいました。やっと学校が再開し、ミアミア(最高)!」と照れながら話します。

中央で立っているのがムーシム君。左の起立している少女も昨年JVCが実施する補習学級を修了した。中央で立っているのがムーシム君。左の起立している少女も昨年JVCが実施する補習学級を修了した。
ムーシム君のノート。好きな教科はアラビア語だという。ムーシム君のノート。好きな教科はアラビア語だという。

また、シャイール小学校のダヒーヤ先生は生徒が戻らない現状を訴えます。

「よく教室を見てくださいよ。まだまだ欠席している生徒が多いでしょ。他の学校は来週から学年末の試験があるけど、この小学校は中断していたから、まだ試験できる状態じゃないですよ。

僕はヌバ民族だけど、家の周りにはアラブ系の牧畜民もが沢山住んでいます。何の問題もなく良い関係を築いてきました。去年の武力衝突では、頭のない死体や犬に食われた死体を見ました。山の方に逃げる途中で撃たれたから発見が遅れたんでしょう。だけど何で無実の人が殺されなければならないんだ?

兄弟のほとんどは兵士だけど、僕だけが教師です。家族が貧しいので、大学には行けていないけど、来年は首都ハルツームで勉強したいと思っています。そしてスーダンの教育システムを変えていきたいのです。学費は無料にすべきだし、教室に溢れた生徒数を減らすべきでしょう。今は1クラスに130人もいるのが普通ですが、最低でも40人以下にしないといけないですね。でも教室が十分にありません。」

左:ダヒーヤ先生、右:バドゥルッディーン先生左:ダヒーヤ先生、右:バドゥルッディーン先生

さらにシャイール地区のリーダーでもあり教師も務めるアブドゥルバーギー先生も教育が果たす役割についてこんな話をしていました。

アブドゥルバーギー先生 撮影:堀潤(Garden Journalism)アブドゥルバーギー先生 撮影:堀潤(Garden Journalism)

「子どもたちにとって、教育は『光』です。教育を受けることによって、将来仕事を得て、自分自身だけでなく、家族やコミュニティを支えることができます。一方、『無知』は家族やコミュニティによって『敵』になります。ここで頻発している衝突は、教育を受けてないから起こるのです。だから私たちは教育を続けていく必要があります。もちろん教育とは学校だけが全てではありません。親が果たす役割もとても大きいです。このことは住民にも話しています。シャイールには18もの民族が共存しています。住民リーダーとして教師として、衝突・紛争が起こらないようにするのが私の役割です。」

武力衝突の影響を受けたのはシャイール地区だけではありません。別の4つの集落でも約一週間休校となりました。またシャイール地区から15km離れた地区でも、「集落の端にある学校に子どもたちを通わせるのは心許ない」という意見が保護者から出て、生徒の出席率も衝突の日を境に鈍くなっています。

このように紛争や衝突により、いとも簡単に教育の機会は奪われてしまいます。しかし、アブドゥルバーギー先生のように、紛争の多い地域だからこそ教育の必要性があるのだと強調する住民は大勢います。教育の機会を失った子どもたちへの支援とともに、紛争や衝突を避け、コミュニティで共生していくための取り組みも実施しています。詳細はまたお知らせします。

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