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スーダン総選挙あれこれ

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2010年7月 6日 更新

いつもいつも、スーダン関連のニュースと言えば悪いことばかりのようです。4月、24年ぶりに実施された複数政党制による総選挙についても「野党が選挙をボイコット」「不正行為により国際基準は満たさず」などの報道が世界中でされました。確かに、選挙監視団や欧米の人権団体によるレポートを読むと、各地の投票所で有権者名簿の不備による混乱、一部候補者による恐喝行為、不可解な開票結果、選挙に負けた候補者グループによる暴力行為、等々が報告されています。

確かに多くの問題があったのは事実でしょうが、スーダンの人々はこの選挙をどう感じているのでしょうか?

残念ながら私は日本に帰国中でその歴史的な瞬間に立ち会えなかったのですが、ジュバに戻ってから、友人たちに話を聞いてみた時のことを紹介します。

「選挙?もちろん投票したさ。投票所の様子?少し並んだけど、でも特に問題はなかったよ。みんな静かに自分の順番を待って投票していたよ」と話すのは、SCC整備工場(元JVC整備工場)の整備士、ヤカニさん。整備工場のほかのメンバーも、「ジュバでは大きな問題はないさ。選挙は無事に終わったよ」と口々に言います。

選挙の不正についてヤカニさんに質問すると「不正があったかどうか分からないけど、確かに州知事選挙の結果はおかしいってみんな思っているみたいだね」多くの人々が支持していた新顔候補が負けて、与党の現職が勝ったのだそうです。「選挙の後、負けた候補の支持者が集まって抗議のデモ行進をしようとしていたけれど、候補者本人が『静かに結果を受け入れよう』って自制を呼びかけたらしいよ」

確かに、開票を前にして多くの候補者が「自分たちは結果を受け入れる」と表明していました。ある候補者は「選挙はサッカーのゲームと同じ。勝者がいれば必ず敗者がいる。全員が勝者になることはあり得ない。敗者が結果を受け入れなければ、ゲームは成り立たない」と言っていました。

「とにかく、選挙が無事に終わってよかったよ。選挙に失敗したら、住民投票がどうなるのかだって分からなくなっちゃうからね」と言うのは警備員のルバジョさん。和平プロセスの最終段階である南部スーダンの独立住民投票は、来年1月に予定されています。「今はみんな、住民投票を楽しみに待っているんだよ」

結局、投票できなかったの」と話すのは、私の友人でジュバ大学に通うキデンさん。内戦中に生まれ育ち、今回が生まれて初めての投票になると楽しみにしていたのに、なぜ?

聞いてみると、ウガンダ国境に近いカジョケジ郡で育った彼女は、去年11月の有権者登録の時に故郷に戻って登録したと言います。「だって、あの時は『有権者登録は出身地に帰ってやりましょう』って案内が流れたでしょ」

確かに、当時は各地方自治体がそう呼び掛けて、ジュバから地方への「民族大移動」が起きました。しかし、有権者登録を故郷で済ませたということは、投票日にもう一度故郷に戻らなければいけない・・。「そう。だけど、そんなお金はないから、帰れないの。それに、選挙期間中はジュバで投票所のアルバイトをしていたし」

聞いてみると、選挙期間中は「投票所バイト」がなかなかの人気だったようです。キデンさんは、元JVC整備工場近くの投票所で、有権者の登録カードと有権者名簿とを照合して、投票用紙を配る係をしていたのだそうです。「すっごく忙しいし大変だったわ。それに、食事も出ないのよ。お腹を減らしたままずっと投票所で仕事しなくちゃいけないのよ。ひどいと思わない?」

投票日は当初の予定では3日間だったのですが、有権者名簿の未着や不備により投票できない人がいたため、2日間延長されました。「結局、5日間働き通しだったの?」とキデンさんに聞いてみると、「そうよ。それに、最初の3日分はお給料をもらったけど、延期になった2日分はまだ給料が出ていないのよ」

聞くところによれば、延長された2日分の給料の支払いを求めて、投票所スタッフが投票用紙の入った投票箱を家に持ち帰り「人質」にしたところもあったとか。

何はともあれ、南部スーダンの人々にとって「初体験」の選挙は終了したのでした。

一家総出で選挙バイトをしていたというキデンさん(後列右)とお兄さん夫婦(手前)一家総出で選挙バイトをしていたというキデンさん(後列右)とお兄さん夫婦(手前)

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