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包括和平協定(CPA)の危機?

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2007年11月29日 更新

「包括和平協定」(Comprehensive Peace Agreement:略称CPA)とは、南部スーダンにおいてまさに憲法のようなもの。2005年1月にスーダンの北部(NCP:国民会議党)と南部(SPLM:スーダン人民解放運動)の両者がこの文書に合意し、22年に及ぶ内戦は終結しました。和平協定の中では、停戦後のスーダン統一暫定政府の構成メンバー(NCPが大統領を担当、SPLMが第一副首相を担当、等々)が規定され、南北の境界問題(油田は境界付近にある)の解決方法、石油収入の分配方法、南部における総選挙や独立の是非を問う国民投票のスケジュール等が決められています。さらに、スーダンの新しい国づくりが「自由、公正、平等」の精神に基づいて行われるべきことが高らかに謳われています。

ところがいま、この「包括和平協定」が最大の危機に立っています。

10月11日、「北部(NCP)が和平協定の実施を妨げている」として、南部(SPLM)が統一政府から自分たちの閣僚を引き揚げました。SPLMは、「石油収入の分配」「境界線問題」「南部における選挙の実施準備」等の点で、NCPが和平協定を守っていない、と指摘しています。こうしたSPLM側の動きに対してNCP側も一時は民兵を動員するなどの対応を見せ、緊張が高まりました。
11月に入ってサルバ・キール南部政府大統領(SPLM議長)は、国連事務総長やブッシュ大統領と会談するためアメリカを訪問しました。スーダン帰国後の19日、帰国演説会があるというので私も聞きに出掛けました。屋外の会場には数千人(?)の市民が詰め掛け、熱帯の日差しの中ですごい熱気です。青年や女性代表、国会議員や州知事の挨拶が続いた後、最後に大統領が登場。「我々は、南部スーダンに平和をもたらした和平協定を守っていかなくてはならない。国連やアメリカにも、協定の完全実施に向けて国際社会がしっかり監視をしてくれるよう話をしてきた。現在の危機に際して、南部スーダン市民は落ち着いて欲しい。戦争を煽るような言動は許されない。私たちが再び戦争をすることはないし、再び市民を武装させることもあり得ない」この演説に、会場から大きな拍手が湧き上がります。しかしその直後、大統領は「しかし、もし北側が攻めてきたら、私たちは防衛しなくてはならない」この発言にも大きな拍手。一瞬、不安がよぎったのは私だけだったでしょうか。

街中で見かける、包括和平協定(CPA)の実施を求めるバナー街中で見かける、包括和平協定(CPA)の実施を求めるバナー

今のところ、NCPもSPLMも「話し合いで事態を解決していく」姿勢を堅持しています。過度の悲観はいけませんが、楽観もできない情勢です。マスコミ等によれば、最大の焦点は石油に関わる問題(境界線と石油収入分配)のようです。実は、日本はスーダンの石油の第2位の輸入国(1位は中国)であり、日本もこの問題に無関係ではありません。南部スーダンの状況を日本の皆さんにもっと知ってもらうため、今後の「スーダン便り」でも続報をお知らせしたいと思います。


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