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ハマスがガザを制圧した日

パレスチナ現地代表 小林 和香子
2007年6月15日 更新

6月14日木曜日、ハマスの治安部隊はガザを制圧しました。

その日、私はガザでの子供の栄養改善プロジェクトの責任者であり友人であるモナと一緒にエルサレムにいました。モナは栄養強化牛乳の供給先候補のヘブロンの牛乳工場と栄養ビスケットを供給しているパレスチナ最大級の食品会社シノクロットを訪問するためにエルサレムに出張していたのです。

彼女がガザを離れた12日、すでにガザは「内戦」状態に入っていました。ガザからエルサレムに入る許可は取っていたものの、エレツの検問所を無事に通過できるのか、お互いにどきどきしていましたが、12日の朝、モナは無事に検問所を抜けてきました。そして、ガザの様子をこう語りました。すでに、ハマス勢力が要所を制圧していたガザ市は、とても静かで落ち着いている。イスラエルとの境界にあるエレツの検問所までにハマスの治安部隊がいくつもの検問所をすでに設けていたけれど、それは逃亡するファタハ幹部や武装勢力を取り締まるため。どちらにも属さない彼女に対して、ハマスの治安部隊は手際よく車の中を確認し、ヒジャーブを被っていないことには全く触れず、「安全な旅を」と見送ってくれた。彼らのキビキビと礼儀正しい応対が印象的だった。

2人の年頃の娘を持つモナは、彼女達から洋服やアクセサリーをせがまれていました。閉鎖されているガザでは、若い女の子が欲しがるお洒落な商品はなかなか見つけられないという。イスラエル経由で入ってくる商品は、たいていがイスラエル産か中国産で、質が良くないわりに高い。ヘブロンでの牛乳工場と商談のあとも、ラマッラーの食品工場での商談のあとも、子どもたちのお土産を買いに、お店のはしごをするものの、年頃の娘達が気に入りそうなものを探すのは至難の業。それでも、大きなバッグ二つ分のおみやげを買い込みました。

翌朝ガザに帰る予定だった14日の木曜日、ハマスがガザをほぼ完全に制圧したというニュースが入ってきました。そしてエレツの検問所が閉鎖されたという情報も入ってきました。2人で国連などのセキュリティー情報の入手に走りました。どうやらガザの中は落ち着いている様子。でも、エレツのイスラエル側の検問所はハマスが制圧したガザとの連絡調整を拒否している様子ですが、ガザに戻ることは問題なさそうです。結局その日は2人で明け方までニュースに釘付けになっていました。

BBCやアルジャジーラでは、ハマス勢力がファタハ治安部隊の拠点を掌握した様子、それに対してラマッラーのアッバス大統領が緊急事態を発令し、統一内閣を解散し、ハニヤ首相を解任したものの、ハニヤ氏は統一内閣の解散を認めていないことなど、急展開した出来事を伝えています。心配はハマスが治安を掌握したガザに、いつ誰が攻めてくるのか。そして、エレツの検問所やラファの国境が完全に閉鎖されたら、ガザの人達の生活はどうなるのか。電気やガソリンなどの燃料はイスラエルに頼っています。ガザの人たちには昨年夏にイスラエルに電力発電所を爆破された後、半年も電気や水やガソリンが充分にない状態で生活した苦い思い出があります。半年の間、蝋燭の明かりで食事を作ったり食べたりし、暑い夏の間は旋風機も冷蔵庫も使えず、寒い冬は暖房がつかない為に部屋で毛布にくるまって生活を強いられたり、長い間、不便な生活を強いられてきました。さらに深刻なのは、ガザの人たちの8割が援助に頼って生活していることです。彼らの食料や医薬品はどうなるのか。長い期間閉鎖されてきたガザには、食料も医療も充分なストックはありません。国連や医療NGOのストックも2週間から1ヶ月と言っています。私たちが支援している幼稚園児の健康状態はどうなってしまうのか、心配でたまらない。

金曜日の朝、モナはガザに向かいました。数時間後に無事に家に着いたと連絡がありました。エレツの検問所の通過も問題なく、町にはすでにマスクを被った武装兵はいなくなり、家への道も落ち着いていたようです。人々は何年か(何十年)かぶりに安心して外を歩ける自由を謳歌しているとのこと。今後何が起こるのか不安を抱えながらも、束の間かもしれない、安全を味わっているようです。そして、モナが持って帰ったTシャツやズボンやアクセサリーを娘たちはとても気に入っていたとのこと。苦労して選んだ甲斐があったようです。


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