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JVCの取り組み

代表理事 谷山博史のメッセージ

JVC代表理事 谷山 博史
2011年1月 8日 更新

(2011年会員総会議案書より転載)

東日本大震災から改めて考える社会のあり方

JVC代表理事 谷山博史

谷山博史

東日本大震災と福島第一原発事故の発生から3カ月。未だにその衝撃は私たちの心と私たちが寄って立つ社会の基盤を揺るがし続けています。ここに改めて犠牲になられた方々に哀悼の意を表したいと思います。

震災発生から2週間後、私たちは津波で甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市と、その後に津波と原発事故の複合被害に苦しむ福島県南相馬市への支援を始めました。緊急救援のスピードではなく、被災した地元の人たちが立ち上がるのをいかに支援できるかにこだわり、悩みながらの活動開始となりました。東日本大震災と福島第一原発の事故にNGOとしてどう対応するのか、市民としてどう向き合うのか。今、そしてこの先何年もの長きにわたって市民の、NGOの、そしてJVCの真価が問われるのだと思います。

JVCは長期目標に次のような文章を掲げています。「JVCは、すべての人々が自然と共存し、共に生きられる社会を築くために、(1)困難な状況にありながらも、自ら状況を改善しようとする人々を支援し、(2)地球環境を守る新しい生き方を広め、対等・公正な人間関係を作りだすことに取り組みます」。東北の被災地の現状、原発事故の被害を見るにつけ、先進国と途上国、中央と地方、市民と権力という隠されていた差別と格差の構造が私たちの生活の場に立ちあらわれてきたことを感じます。

例えば、原発事故で避難と警戒を余儀なくされている南相馬です。私たちが海外の支援に関わる際に「日本市民として責任がある場合」という当事者性を大切にするように、南相馬での活動では、地方に対する都市市民の責任、原発のリスクと原発事故の被害を地方に押し付け果実だけを享受してきた「沈黙する大衆」である私たち国民の責任という当事者性を看過することはできませんでした。

私たちが目指すのは、途上国や地方にリスクと負担を押し付けない循環型社会の構築です。今この時をおいて、日本の市民のNGOである私たちが、地方へ、途上国へ、次世代へリスクを押し付ける社会と政治のあり方に転換をもたらす契機はないのではないでしょうか。アフガニスタンやイラクの人々の悲しみは私たちの悲しみです。カンボジアや南アフリカの農村の若者や女性の頑張りは、東北の町や村で地域を自らの手で再生しようとする若者や女性たちの頑張りです。国際支援は私たちの足もとで日本の地域の再生や平和づくりにつながっていることを改めて自覚します。苦しい年度の始まりとなりましたが、海外と日本の問題を一続きのものとしてその解決に取り組んでいく所存です。

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