2019年1月の記事一覧
こんにちは。JVCエルサレム事務所の山村です。今回は、いつもお世話になっているエルサレム事務所・業務補佐の廣本さんが記事を書いてくれました。内容は、ガザからエルサレムの病院に定期的に入院しているムハンマドくん(10歳)との交流に関するお話です。
半年ほど前のある日、JVCガザ事業のパートナー団体の女性からメッセージが届きました。
「親戚の子のムハンマドがガンで東エルサレムの病院に入院するの。ガザから何も持って行くことができなくて、助けを必要としている。お見舞いに行ってもらえないかしら?どうか、お願い...」
といったものでした。その切迫感のあるメッセージを受け、JVC事務所の近くに住む60代の女性サミラさん(仮名)の協力のもと、断食月の最中に、急いで病院に駆け付けたのが始まりでした。次の日には車を持っているサミラさんにお願いして、食料、シャンプー、石鹸などの最低限の生活用品を届けてもらいました。エルサレムはガザに比べて物価も倍以上で、ガザからほとんど着の身着のままで来た彼らにとって、身の回りの物をそろえるのは大変なことです。
ムハンマドくんは、ガザ戦争の際にも大きな被害を受けた、国境とエレズ検問所から近い、「ベイト・ハヌーン」という地域の出身です。ガンで入院する前は学校の成績もよく、とても聡明な子だとのことでした。もともとガザの人を支援したことのあるサミラさんとともに、JVCスタッフはムハンマドくんのお見舞いに定期的に出向くようになりました。
以下、エルサレム事務所・業務補佐の廣本さんによる記事です。

- このブログを書いている人のプロフィール
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山村 順子
パレスチナ現地代表大学時代は南アフリカの構造的暴力をHIV/AIDSを通して研究。課外では日本とコリアの平和構築活動に携わる。2009年に開発と紛争・ガバナンス専攻で修士号取得。3年余り電機メーカー勤務を経て、2012年にパレスチナの分離壁のある村に滞在し、静かにパレスチナ人を蝕む「理不尽が当たり前」の現実に憤ると同時に彼らの人としての強さに魅了される。帰国後にJVCでボランティアをしながら、女性と子供支援に特化したNGOでインターンを経験。2013年から産油国への協力事業(教育・投資促進)に数年携わった後、当団体勤務。主観や偏見をできるだけ取り除き、問題の本質を常に考えることと、多様な価値観を武器とし、皆で知恵を出し合い事業を運営するのが目標。2016年からJVCに参加。
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