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2012年8月13日

3ヶ月の停戦合意

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2012年8月16日 更新

紛争が始まって1年と2ヶ月。すっかり悪いニュースに慣れきってしまった私に、今月はじめ、少しばかり驚きの知らせが飛び込んできました。
私たちが活動する南コルドファン州、及び同じく紛争が続く青ナイル州において、人道支援活動を目的とする3ヶ月間の停戦が合意されたのです。

昨年6月に南コルドファン州のカドグリで始まった政府軍と反政府軍(SPLA-N)との戦闘は、ヌバ山地と呼ばれる州の中央部に拡大し、地上戦、空爆が繰り返されました。州内は「政府支配地域」と「反政府軍支配地域」とに分断。村は焼かれ、逃げ惑った人々の一部は州都カドグリなど政府支配地域へと避難し、他の人々は国境を超えて南スーダンに逃れて難民となりました。

私たちの活動地も戦場となり、事務所は略奪され事業は中断しました。そして昨年11月にようやく事務所を再開。カドグリ周辺にて避難民への緊急食料支援などを行ってきました。

私たちが活動していた村も空爆を受けた(紛争勃発前に撮影)私たちが活動していた村も空爆を受けた(紛争勃発前に撮影)

ところが、年が明けても戦火は収まりませんでした。反政府軍支配地域に残された人々は昨年ほとんど収穫を上げることができず、物流も制限されているため、以前から貯めていた食料もいよいよ底を尽きはじめました。逃げ込んだ山や林に生えている木の実や木の根、草の葉も食べ尽くし、人々は住み慣れた土地を捨てて政府支配地域や難民キャンプへの移動を始めました。

現在、カドグリ周辺には多くの避難民が押し寄せ、その数は4万5千人。一方で南スーダン側のイーダ難民キャンプには4月から6月にかけて毎日800人もの難民が到着し、キャンプの総人口は6万人にも達しています。長い道のりを歩き続けた難民は疲労と空腹で衰弱し、子どもたちの栄養失調が報告されています。

しかし最も懸念されるのは、今もなお反政府軍支配地域に残されている人びとです。その数、推定で20万人。

戦闘が始まって以来、反政府軍支配地域は政府から「閉鎖地域」(クローズド・エリア)と呼ばれ、一般市民であろうと援助機関であろうと、「安全上の理由」によってここに足を踏み入れることは一切認められていません。最も厳しい人道状況に置かれている人々に支援の手が届いていないのです。この状況を打開するため、国連とアフリカ連合、アラブ連盟の三者は合同で、スーダン政府及び反政府軍に対し、反政府軍支配地域への人道支援団体の立ち入りを求めてきました。

ようやくその要請が認められ、3か月間の停戦が合意されました。期間は8月5日から11月8日まで。この間に、国連を中心とする援助団体がこの地域に足を踏み入れて食料や生活物資の支援を実施します。

今回の停戦合意について、反政府軍は「あくまで人道目的の停戦であり、政治的決着がついたわけではない」と強調しています。一方で交渉を仲介している国連などは、この停戦を契機に政治的解決、すなわち和平合意の締結を目指しています。

いずれにせよ、紛争解決の糸口すら見えなかった暗闇の中で、この停戦が、差し込んだ一筋の光であることに間違いはありません。一筋の光がやがて光の束となり、夜明けが訪れることを願って、私たちも支援活動を続けていきます。

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