4月はラオス新年があり、スタッフ・行政官・村人ともまとまった休みを取って里帰りをするなど1年で1番の行事に忙しく、活動の進捗も、これまでの多忙だった2月、3月と比較するとゆったりとしたものになった。
乾季SRI/スタディーツアー
3月末に行ったアサポン郡、ピン郡各郡での女性限定日帰りスタディーツアーに続いて、再度スタディーツアーを実施した。乾季作を実施の3村5家族の中でも最も生育状態のよいアサポン郡のN村を、5日にはアサポン郡の45名、6日にはピン郡の39名が訪れた。今回は性別によるしばりは設けなかったが、前回の影響か(あるいは勘違いか?)女性だけが参加した村もあり、全体的に通常より女性の参加者が多かったのが印象的だった。これまでSRIのスタディーツアーや経験交流に参加したことのない人たちを対象としたため、SRIに触れる経験を持つ人たちの延べ人数を増やすことができた。
2日間で84名を受け入れることとなったN村だが、この特別な事態を受けて、実践者以外の村人の間でもSRIへの関心が高まっている。雨季はこの村からの実践者大幅増も見込めると思われる。同村には、同郡の副郡知事もモデルケースとして数回視察に訪れているとのこと。また、4月中には5家族すべてで収穫も行われた。
米銀行/米倉完成、米配布終了
本年米銀行開始予定の3村全てで米倉建設が終了。米の調達も行われ、3村のうち、アサポン郡の2村に米が配布された。ピン郡の1村についても、5月早々に調達予定。
ヤギ銀行/ヤギ配布終了
スタディーツアー実施、ヤギ小屋建設、ヤギの配布、飼育方法研修と段階を踏んできたヤギ銀行だが、4月の4頭配布をもって、3村13家族52頭の配布が終了した。
養魚/規則見直し
昨年の養魚基礎研修参加メンバーと、養魚基金ルールについて話し合い。稚魚代は養魚シーズン終了後ごとに全額基金に戻すことになっているが、雨で池が溢れた場合や、水が早く枯れてしまった場合の減額などについて話し合った。同時に、大雨に備えて池の淵を高くなどの対処についても話し合った。また、魚の消費、販売状況についても調査を行った。
メンバーから今年も実施することの確認の問い合わせや、昨年メンバーにならなかった村人からの加入の申し込みが相次いでおり、本年はメンバー増が見込まれる。
水支援/浅井戸環境改善
3月に屋根とプラットフォームを完成させたN村同様、浅井戸を支援しているP村だが、こちらはN村に遅れをとっており、セメントリングの作成とその井戸へのはめ込みの段階。今後井戸へのはめ込みを終わらせ、そして屋根、プラットフォームの設置と進む予定。
植林地計測
新スタッフのセンチャンは4月末、村人の協力を得ながらGPS端末を使ってH村の森林と植林地を計測するのに時間を費やした。2月にPLUPを実施する際にある程度の森林の計測は済ませていたが、GIS(地理情報システム)の専門性が高いセンチャン(3月加入)は、GPS端末を使って可能な限り正確に村の中にある植林地の面積を計測することを希望した。このため、この暑い時期に彼は1週間にわたって村内の植林地を歩いて廻ることとなった。計測後彼は2月に作成されたH村の地図を更新したが、今後政府と村人の承認を受けるべくこの地図を提出する予定だ。
ジェンダー研修
今月末は全てのラオス人スタッフは1週間のジェンダー研修を受講した。ビエンチャンのGDG(Gender Development Group)という団体から講師を招聘し、我々の事務所でJVCスタッフとカウンターパートの政府行政官に様々なジェンダー関連問題についての研修を行ってもらった。この研修にはゲームやロールプレイといった様々な参加型手法が取り入れられており、スタッフは大いに楽しんだようだった。研修の最後にあたり、森林プロジェクトアシスタントのレノルは、「とても楽しい研修だった。おかげで、我々が仕事をするいかなる場合においても、ジェンダーが大切な要素であることが理解できた」と発言していた。
グレンビエンチャン滞在
グレンは1週間ビエンチャンに滞在し、LIWG(the Land Issues Working Group=土地問題に関係するNGO他援助機関のグループ)の幹事として、他の幹事とともにLIWGの活動財源を確保する提案作りを行った。これはLIWGが今後どのように運営され、ラオスの土地問題についてのアドボカシーを行っていくかについての重要な基盤をなすものである。また、LIWGは月末に共有地の土地権保有についての会議も行った。これは、JVCをはじめとする多くのNGOや援助機関が、村人の大切な森林を守る一つの方法として関心を寄せてきたテーマである。