タイの小学校へ

ビルマ人の子どもたちを、どうやってタイ社会に受け入れてもらうか?FEDの大きな課題のひとつです。今回訪れたのは、パクウィープ小学校。津波の被害を受けたあとにいろいろなところからの支援をうけて再建された学校で、幼稚園も併設されています。全校生徒120人(一クラス十数人程度)と小規模ですが、そのうちクラスの1-4割はビルマ人の子どもたちです。
同じクラスで机を並べるなかで、ビルマ人の子どもたちが大きいように見えるのは、学習の習熟度によって入る学年が決まるからとのこと。5年生のクラスには13歳の女の子たちがいました。「日本のお客さんに、英語で挨拶をしましょう」「何か質問はありませんか」と先生が声をかけると、彼女たちは率先して前に出てきて「お名前はなんですか?」と声をかけてくれました。
先生によると「低学年のうちは、タイ語がわからないなど言葉の問題があって、慣れないこともあるようですが、学年が進むにつれてなじんでいくようです」とのこと。学校が比較的小規模で先生の目が行き届いていること、学校の近くにFEDが運営するラーニングセンター(小学生くらいのビルマ人の子どもたちが学ぶ場所)があって連携が行き届いていることが、鍵になっているようです。
しかし、すべての地域でこのような状況にあるわけではありません。言葉がわからないために学校になじめなかったり、タイ人の親(職場で雇用者側にあたる)とビルマ人の親(労働者側となる)の微妙な関係が影響してきたり・・・抱える課題は山積みのようです。FEDの挑戦は、これからも続きます。
ラーニングセンターでの歯みがき講座・第一弾
FEDの柱のひとつとなっている教育への取組みとして、在タイビルマ人の小学生向けに運営されているのが、ラーニングセンター。現在、8ヵ所で展開しています。そのうちのひとつを訪問しました。
今回、J-FUNユースのメンバーがラーニングセンターのために準備してきた企画は、歯みがき講座です。ゲームを通じて子どもたちと仲良くなったあと、準備してきた紙しばいとかんたんな演劇を通して、歯についてのお話が始まりました。日本から持ち込んだ手作りの大きな歯の模型、そしてサングラスをかけたとても柄の悪そうな<むし歯菌>が登場するとあちこちから大きな笑い声が起こりました。

「歯をみがかないとどうなる?」「むし歯をやっつけるためには、どうしたらいい?」との質問にも、どんどん手があがります。思ったよりも、歯みがきの習慣があるのかもしれません。
ひととおりの説明が終わったあと、ずいぶん時間に余裕がありました。さて、どうしよう?そうだ、子どもたちに流行っている遊びを教えてもらおう! というわけでたずねてみると、みんな歓声をあげて大はしゃぎ。J-FUNユースのメンバーの手をひっぱってゲームの輪に引き入れてくれ、先生もいっしょになってたくさんの遊びを楽しみました。
さて、明日の歯みがき講座・実践編まで、きちんと今日した勉強を覚えていてくれるかな?
