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現地ブログ from スーダン

スーダン日記

スーダン駐在の今井が、日本ではほとんど知られていないスーダンの情報をお伝えします。

ハジェラナル、戻ってきた人びと

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2012年5月11日 更新

ハジェラナル地区の様子

カドグリの町の西北、山裾に緑の帯が広がっています。マンゴー、レモン、グアバの木々。乾季にも枯れない井戸と、豊かな土壌。ハジェラナルは、そんな地域です。「でも、あの時の戦闘で、何もかも変わってしまいました」そう話してくれたのはこの地区の世話役のひとり、アブドラさんです。JVCは、ハジェラナル男子小学校への支援のあと、地区の状況をもっと知るためにアブドラさんを訪ねたのでした。「ここはカドグリの中でも最も大きな被害を受けた地区です。私の家も破壊されました」

南北スーダンの軍事衝突

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2012年4月20日 更新

「最悪のシナリオ」と言われた事態が、刻々と近づいているのかも知れません。

今回の戦闘地域とJVCの活動地今回の戦闘地域とJVCの活動地

南北スーダンの国境付近の油田地帯で3月下旬に発生した南北両軍の衝突は、4月10日、南スーダン軍の国境を越えたヘグリグ油田への侵攻に発展し、同軍はそのまま周辺地域を占拠。これと前後して、スーダン(北部スーダン)軍の爆撃機は南スーダン側に何十キロも入り込んで都市への空爆を始めました。戦線は他の地域にも拡大し、事態は既に二国間の全面戦争の様相を呈してきています。多数の避難民と、空爆による一般市民の死亡が報告されています。

カドグリでの学校支援

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2012年4月19日 更新

2月になり、遮断された携帯電話網はなぜか復旧しました。ともあれ、これで一安心です。緊急食料支援を終えた私たちは、次の活動に向けて動き始めました。

カドグリでは毎週1回、州政府の人道支援局が中心になり、国連機関やNGO、関係する省庁などが集まって各団体の活動を調整するための会議が実施されています。ほぼ毎回、議論の中心はカドグリ市内をはじめ南コルドファン州内各地に流入してくる避難民対策です。


カドグリ女子中学校。村落部を含め広い地域から生徒を受け入れているカドグリ女子中学校。村落部を含め広い地域から生徒を受け入れている

会議に出席していたJVCスタッフに、州教育省の担当者が声をかけてきました。昨年11月に女子中学校に食料支援を行った時にお世話になったブリンジさんです。「避難民支援が大事なのは分かるが、今回の紛争で地元の小中学校も影響を受けている。一度見に来てくれないか」

遮断された携帯電話網

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2012年2月 1日 更新

12月末、私たちの第二次食料支援は佳境を迎えていました。戦火を逃れた避難民が毎日のようにカドグリに到着しています。

12月29日、18家族120人に配布、12月30日、30家族227人に配布、12月31日、9家族45人に配布・・。避難民の到着に年末年始は関係ありません。いや、戦闘に年末年始は関係ないと言うべきか。確かにスーダンではイスラームの暦に基づくラマダンなどの行事が重要であって、人々は西洋のカレンダーでの新年を気に掛けません。しかし、それでも1月1日はスーダンの建国記念日でもあり、大晦日から未明にかけイベントも行われます。

「ユヌスさん、明日はニュー・イヤー・デーですよ。明日くらい、休みましょうよ」

私は連日配布を続けるスタッフのユヌスに電話をしました。

「いや、新年だろうと何だろうと関係ない。避難民が到着して困っているのなら、明日も配布を続けるぞ」

いやはや、意気込みは買うけれど、私の立場ではスタッフを休ませなくてはなりません。

空き家に住む避難民

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2012年1月15日 更新

カドグリに続々と押し寄せている避難民は、いったいどこで生活をしているのでしょうか?

州政府の方針として、避難民キャンプは設営されていません。そのため、市内中心部の広場やその周辺では千人単位の人々が布やビニールシートで仮設テントを作って生活しています。当然ながら、衛生状態が問題になります。そこで、カドグリで活動をする多くの現地NGOが、この地区で水道の設置、トイレ建設などの活動を行っています。

避難民の家族。後ろに見える部屋に2世帯が同居している避難民の家族。後ろに見える部屋に2世帯が同居している

JVCが11月末から12月初旬に実施した第一次の食料支援は、この地区を中心に行われました。
そして、12月下旬の第二次支援。こんどは市内中心部ではなく、郊外が対象です。なぜなら、中心部は既に避難民で飽和状態になり、新しく到着した避難民は郊外に居場所を見つけていたからです。

緊急支援、始まる

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2012年1月 6日 更新

11月30日、いよいよカドグリでの緊急支援、食料の配布が始まりました。
これまでの記事に書いたように、私は現地に足を踏み入れることができません。カドグリ事務所に駐在する二人のスタッフ、ユヌスとイルアミンに首都ハルツームから電話をかけて状況を確認します。

「昨日は、2日前に到着したばかりの避難民121人に食料を配布した。今日も、何百人もの避難民が配布を待っているんだ」
12月2日朝のユヌスからの報告です。

カドグリ事務所、再開

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2012年1月 5日 更新

残念な知らせが飛び込んできました。
南コルドファン州で中心的な存在だったスイスの医療系NGOが、カドグリ事務所の再開を断念し、スーダンから撤退することになったのです。

「情勢が好転するのを期待して待っていたけれど、資金提供者からは『もう待てない』と言われて財源もなくなってしまった」知り合いのスタッフは、悔しそうにそう話してくれました。
このNGOにはずいぶんお世話になりました。6月にカドグリから緊急退避をした際にも、IDカードを失った状態で国連施設にたどり着いた私を施設内に入れるために交渉してくれるなど、本当に親切な人たちです。活動に対する周囲からの評価も高く、それだけに、今回の撤退は残念でなりません。

緊急支援スタッフ、カドグリへ

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2012年1月 5日 更新

6月に戦闘が始まって以来、南コルドファン州は敵対する陣営によってふたつの地域に分割されてしまいました。政府軍が掌握する地域と、反政府軍であるスーダン人民解放軍(SPLA-N)の影響下にある地域です。

州都カドグリをはじめ主要な町は、激しい市街戦の末に政府軍が制圧。カドグリから首都ハルツームに向かって北に延びる物資の補給路は、政府軍が厳戒態勢を敷いて守っています。

一方で、SPLM-Nは「ヌバ山地」と呼ばれる丘陵地帯を広く掌握。私たちの従来の活動地であるエル=ブラム郡、タロディ郡の村々もこの中にあります。

両軍ともに、相手の侵攻を防ぐために地雷を埋設する一方、勢力範囲を広げようと各地で衝突を繰り返しています。政府軍の地上部隊が到達できないSPLM-N支配地域の丘陵部では、空軍による爆撃が続けられています。

カドグリ市街戦の夜(3)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2011年12月 8日 更新

(前回(カドグリ市街戦の夜(2))から続いています。三編にわかれております。まずはカドグリ市街戦の夜(1)からお読みください。)

ハルツームの中心に建つジャマ・アル・カビール(大きなモスク、の意)。礼拝に訪れる人が今日も絶えません。その傍らのお茶屋さんで、ユヌスさんと私は、カドグリの「あの夜」以来の再会を喜び合っていました。

「それで、ユヌスさん、翌朝に別れてからは、どうしたんですか?」

市街戦が始まったのが6月6日夕刻。銃声の中、二人で一晩を明かした後、翌朝9時頃に私はJVC事務所に残り、ユヌスさんはマーケットの中の親戚の家へと向かったのでした。

カドグリ市街戦の夜(2)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2011年12月 8日 更新
(前回から続いています。カドグリ市街戦の夜(1)からお読みください。)

戦闘開始から30分後、停電。銃声は時に止んだかと思えばまた激しくなり、近くなり、遠くなり続いています。

横で寝そべっているユヌスさんは、たまたま子供を連れてハルツームの実家に戻っている奥さんと電話で話しているようです。ひとりきりなのか、誰かと一緒にいるのか、と奥さんが尋ねたのでしょう、「タカキと一緒だ」とアラビア語で答えているのが私にも分かります。

電話を終えて、「カドグリで戦争が始まったことは、ハルツームの親戚はもう知っている。皆、心配している」とユヌスさん。「子供がここにいなくてよかった」

JVC東京事務所からは何度も電話が入りました。私は状況を説明するとともに、国連事務所とは連絡が取れており、緊急退避策が発動され救援部隊が派遣されるのを待つ旨を伝えました。

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