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消えていく、エイズ治療の知識

南アフリカHIV/エイズプロジェクトマネージャー 冨田 沓子
2015年5月13日 更新

少し前になりますが、3月16~20日にかけてHIV/エイズ治療研修が、訪問介護を行なうチルンザナニHBCを対象に行なわれました。訪問介護ボランティア22名に加え、同地域で障害児支援を実施するNGO、年長者が一人で暮らす家庭を支援団体、HIV陽性者サポートグループのメンバーなども参加。地域の健康を支えるボランティアたちが共に、HIVの予防、ケアについて学びました。

TLT研修で使われてきたマニュアルTLT研修で使われてきたマニュアル

このエイズ治療研修は、英語で「HIV Treatment Literacy Training (TLT)」とよばれています。ARV(抗レトロウィルス薬)が全国的に普及はじめた2000年代に、HIVが体に与える影響をきちんと理解し、ARV薬を適切に服薬できるよう、そして教育レベルの高くない農村や貧困地域の人びとにその知識を広めるために、HIV/エイズに取り組むNGOが中心となり創り上げていきたツールの一つです。実際に訪問介護ボランティアのケアの質の向上や、HIV陽性者自身が自らの病気を理解しHIVとうまく付き合っていけるようになることに、大きく寄与してきました。

CMTのトレーナーは、変化するHIV治療の最新情報を提供してくれるCMTのトレーナーは、変化するHIV治療の最新情報を提供してくれる

JVCは現在のHIV事業のはじめから、TLT研修をCommunity Media Trust(CMT)という団体と協力して地域のボランティアたちに提供してきました。しかし、今まで協力してきたCMTのジョハネスブルグ事務所は2015年5月をもって閉鎖に追いやられてしまいました。理由は資金難。

CMTは、南ア内でARV薬への無料アクセスを勝ち取るための市民運動の中心的役割を果たしたTreatment Action Campaign(TAC)から派生した団体で、もともとはTLTを中心とした研修を主な活動としていました。

しかし「ARV薬が充分普及してきた」「政府の保健システムでHIV陽性者はサポートされている」といった政府間、ドナー間の解釈から、TLTなどコミュニティ内で地道な啓発、教育活動を続ける団体への支援はここ数年激減。CMTもその影響を受け、活動形態を変え存続のために苦労をしてきました。ここ1年ほどはその資金源の全てを保健省から委託された研修実施を請け負うことで賄っていたことから、自由な活動ができず、結局、研修・教育活動を中心に担っていたジョハネスブルグ事務所は閉鎖。JVCが協力しはじめた頃は16名いたTLTを専門とするトレーナーも全員散り散りとなってしまいました。

ARV薬の普及が進んだとはいえ、重い副作用を伴い、一生涯飲み続けなくてはならないこの薬との正しい付き合い方が同時に浸透しているとは言えません。

HIV/エイズとの闘いは、形を変えながらまだまだ終わりが見えてきません。しかし、それを地道に支えてきた団体、知識が資金難を理由に少しずつ失われていっています。そんな中、どのように地域内でその知識を伝え、広げていけばいいのか私たちも今回のTLTに参加したボランティアたちと考えていかなければなりません。

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