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2013年9月11日 【 アドボカシー

国際人道支援団体の職員が、イスラエルの空港で入国拒否に!

パレスチナ現地代表 今野 泰三
2013年9月13日 更新
韓国ソウルの空港で、テルアビブ行きの飛行機に乗る観光客。韓国ソウルの空港で、テルアビブ行きの飛行機に乗る観光客。

イスラエルの玄関口ベングリオン空港は、入国審査が厳しいことで知られています。それでも、被占領パレスチナの状況が以前よりも平穏なため、数年前よりは入国審査が楽になり、入国拒否をされる旅行者も減ったようです。

しかし先日も、デンマーク国籍をもつパレスチナ人難民2世が、入国審査で数時間拘束されたうえ、入国拒否でデンマークに送還されたそうです。そして、占領下のパレスチナ人の生活を守るために日々働いている国際人道支援団体の職員も、その例外ではありません。

その一例として、9月2日にベングリオン空港で、ポーランドの国際人道支援団体、Polish Humanitarian Action (PAH)(注1)の職員、カミル・カンディル(Kamil Qandil)氏が入国審査時に5時間拘束され、「安全保障上の理由」があるとして入国を拒否されました。イスラエル内務省から発行された労働ビザを持っていたにもかかわらずです。そこでPAHは、「労働ビザを持って被占領地で働いている人道支援団体の職員を、具体的な理由も開示せずに入国拒否するのは不当である」として、イスラエルの裁判所に訴えました。本日9月11日、その裁判がイスラエル最高裁で開催されます。カンディル氏本人は、その間も1週間以上、イスラエルの収容施設に収監されたままになっています。

こうした事態に対し、JVCもメンバーになっている国際NGOの連合体、AIDA(Association of International Development Agencies)は、カンディル氏の入国拒否について共同声明を出し、国際人道支援団体の自由な移動や活動を認める国際的に承認された原則をイスラエル政府が遵守し、カンディル氏をすぐに解放して入国を許可するよう、各国政府および国際社会に求めています。

PAHはポーランド政府から資金提供を受け、占領下のヨルダン川西岸地区南部で、パレスチナ人のために、農地の灌漑に必要な貯水池の再生プロジェクトを実施しており、カンディル氏もそのプロジェクトに関わっていました。しかし、PAHが再生した貯水池の多くがイスラエルによって破壊されたため、ポーランド政府もイスラエル政府に対して外交的に対応してきた、ということです。

強制移住の危機に晒されている西岸地区南部のパレスチナ人集落(手前)と、緑の生い茂ったイスラエル入植地(奥)。(ヘブロン南部アル・トゥールにて)強制移住の危機に晒されている西岸地区南部のパレスチナ人集落(手前)と、緑の生い茂ったイスラエル入植地(奥)。(ヘブロン南部アル・トゥールにて)
西岸地区南部のパレスチナ人集落。イスラエル軍による家屋破壊や、イスラエル人入植者からの嫌がらせに、日々晒されている。(ヘブロン南部ワディアラにて)西岸地区南部のパレスチナ人集落。イスラエル軍による家屋破壊や、イスラエル人入植者からの嫌がらせに、日々晒されている。(ヘブロン南部ワディアラにて)
イスラエルによって破壊された貯水池(左手前)。(ヘブロン南部ワディアラにて)イスラエルによって破壊された貯水池(左手前)。(ヘブロン南部ワディアラにて)

AIDAはまた、イスラエルが、占領下の住民の最低限の福利厚生を提供するという、国際人道法(注2)にもとづく占領者の義務を果たしていない以上、国際的に承認された原則にのっとって、人道支援団体の活動や移動の自由を認めなければならないと述べています。また、イスラエル政府が、特定の支援団体職員について「安全保障上の憂慮」がある場合は、2010年に国連総会とジュネーブ第4条約加盟国によって承認されたプロセス(注3)を経て、支援団体に直接連絡しなければならないとされており、今回のような入国審査での拘束と入国拒否は、この原則にも違反するとされています。

※注(1) http://www.pah.org.pl/?set_lang=en
※注(2) ジュネーブ第4条約第55条
※注(3) 2010 Minimum Framework for Securing Humanitarian Operational Space in Occupied Palestinian Territories

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