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巡回診療:アラアラ(ベドウィン村)

2007年7月10日 更新

MRS(医療救援協会)とPMRS(パレスチナ医療救援協会)の活動の1つが、アラブの遊牧民族であるベドウィン族の村への巡回診療です。遊牧民といってもベドウィンの人たちは頻繁に移動するわけではなく、羊やヤギを放牧しながら定住しています。この日訪れた村、"アラアラ"は、先月訪れたべドウィン村"シェイク・ムーサ"の、道をはさんで反対側にあります。200人以上の人が住む、大きい村です。

子どもだけでなくお母さんも検査を受けた。子どもだけでなくお母さんも検査を受けた。

今日は、MRSとPMRSから2人の医師と2人の保健衛生士が参加し、20人を対象にヘモグロビンの検査と診察を行いました。ヘモグロビン値検査では、子どもたちのうち1人だけ基準となる11%を下回る9%の子がいて(子供は10%、大人は13%が基準)、その子には鉄分補給の栄養剤が処方されました。MRSとPMRSがこの村に診療に来るのはこれが3回目です。前回検査を行った際はヘモグロビン値が基準を下回る子どもも何人かいたそうですが、今日は前回処方した栄養剤の効果が見られました。また、診察では皮膚感染、アメーバ赤痢、気管支炎、高血圧症などが見つかりました。そのほとんどは、衛生環境が保たれていないことと、医療サービスが満足に受けられないことが原因とのことです。

ベドウィン村には珍しく、この村には電気と水が引かれていました。聞いてみれば、それらはすぐ隣のセメント工場から無料で提供されているとのことです。この工場はイスラエル人が経営しているものですが、村の人も数人がそこで働いているそうです。村の人は「公共サービスが提供されないのでとても助かる」と言っていましたが、それでも衛生環境を保つには十分ではありません。また、すぐ近くの大きな入植地、マアレ・アドミゥムの中の工場で働いている男性は、「入植地とはいえ、仕事が見つかるだけまだいい」と言っていました。ベドウィンの村にはクリニックなどはないので、病気で診察や治療が必要な際は近くの町の病院に行くことになるのですが、治療費を払うのは経済的に困難です。そのような状況で、MRSとPMRSの巡回診療はとても嬉しいし助かる、と村の人たちは言います。医療サービスの提供だけでなく、ベドウィンの人々にとっては、彼らの存在を忘れずに見守ってくれる人たちがいる、ということも大きな支えになっているようです。

この村のベドウィンたちも、日々この地から出て行くようにと立ち退きを迫られているとのことです。20年前にイスラエル人の弁護士がやってきて、ベドウィンの人たちが永久的にこの村に住めるように申請を試みたのですが、許可は簡単にはもらえず、今までずっと5年おきに居住許可を延長している状態とのことです。村の人は言いました。「今の生活を、僕たちはずっとしていきたいだけだ。特別なものはいらない」――子どもが走り回り、伝統ドレスを着た女性が歩き、あちこちでヤギ、ニワトリ、ドンキー、そしてラクダが草を食んでいるその光景の中では、時間がとてもゆっくり流れているように感じました。それは、物があることが豊かとは限らないことを物語っているようにも感じました。そんな彼らも、「ずっとここに住める」という保障がないという不安を持って生活しています。MRSとPMRSは、弱い立場に置かれているベドウィンの人たちを見守り続けていきます。


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