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ガザ:ウム・エル・ナセル村浸水

パレスチナ現地代表 小林 和香子
2007年3月29日 更新
浸水した村の様子-1 (写真提供:ANERAガザ)浸水した村の様子-1 (写真提供:ANERAガザ)

3月27日午前9時半頃、ガザ北部にあるウム・エル・ナセル村が浸水しました。5人が死亡、20人以上が怪我、10人以上が行方不明です。家屋被害は250件、村の住民5千人が避難を余儀なくされています。この浸水は、すぐ近くの丘に設置された汚水の貯水池が決壊し、その汚水が村を飲み込んだものです。亡くなった方は、70歳の女性2人、子ども3人です。現地の国連機関や国際NGOは、急遽避難キャンプを設置し、テントや毛布、水・食料の確保・提供に動いています。

浸水した村の様子-2 (写真提供:ANERAガザ)浸水した村の様子-2 (写真提供:ANERAガザ)

ガザでは、兼ねてから汚水処理施設が不足してきました。世界銀行、ECや日本政府の支援による新たな処理施設の建設計画があるものの、度重なるイスラエルによる軍事侵攻や、封鎖制作による水道管などの資材不足、さらには昨年1月のハマス政権誕生以降の支援金凍結などにより、建設は進んでいませんでした。しかし、世界一人口密度が高いと言われるガザでは、当然汚水は増え続き、汚水処理施設の能力をはるかに超えた汚水が溜まっていきます。そのために、汚水処理施設が完成するまでの暫定的処置として、汚水の貯水地がいたるところに作られていました。ガザ北部のベイト・ラヒアの汚水処理施設は5万人の処理能力しかないところ、現在では30万人分の処理を担うことになっています。処理能力を超えた汚水を暫定的に貯水するために近辺に8つの貯水池が作られています。このような貯水地は、悪臭を放ち、蚊や寄生虫の発生源となり、水を原因とした病気の感染の源となり、地下水の汚染にも繋がっています。今回決壊した貯水地はその中で最も新しく昨年9月にウム・エル・ナセル村のすぐ近くの丘の上に設置されたものです。丘の上にあったために、決壊した池から流れ出した汚水は勢いをつけて、下方の村を飲み込んだのです。

また、被害に遭ったウム・エル・ナセル村の住民は、ベドウィン(遊牧民)で、10年ほど前に、この村に強制移住させられた人達です。放牧の自由を制限され、望まぬ土地での暮らしを我慢していたところで被害に遭ったのです。現在彼らは、避難キャンプや親族の家での暮らしを余儀なくされていますが、彼らの村がいつ再建されるかの目途は立っていません。決壊した汚水の貯水池の再建の目途が立たないばかりか、残るこの地域の7つの貯水池も崩壊の恐れがあるとされています。高い能力のある新たな下水処理施設が完成しない限り、ウム・エル・ナセルの人々の帰還はもとより、ガザ全体が同様の危険にさらされているのです。

このような緊急事態にありながら、ガザでは国連職員や外国人ジャーナリストを狙った攻撃や拉致などが増えてきており、国連人道支援室から国際機関や国際NGO職員のガザ入りに対する延期警告が出されています。現在、JVCエルサレム事務所では、ガザの協力NGOと連絡をとりながら、緊急支援の形を検討しているところです。
現時点では、子どもの栄養改善事業でも用いているパレスチナで生産された栄養ビスケットを1万個(約400家族に24個入1箱)の支援を検討しています。


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