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パレスチナ緊急レポート第7弾

パレスチナ 佐藤 真紀
2002年4月23日 更新

JVCは人道的見地から、パレスチナ・イスラエルのNGOと共に緊急医療支援活動を実施しています。当初、ラマッラー入りの拒否、井下医師が入国拒否されるなど、イスラエル政府の人道活動に対する規制政策の影響でなかなか活動ができずにいましたが、最近の情勢の変化により、徐々に具体的な活動を開始しています。いままでに、19日ジェニンに緊急支援物資搬送、20日カルキリヤにて訪問診療、21日ラマッラー市内の病院へ医薬品搬入、22日ナブルスへ緊急支援物資搬送。ナブルスもジェニンに次いでイスラエル軍による侵攻が激しく繰り広げられたところです。以下、現地よりナブルスの報告です。

*** *** ***

ナブルスへ入る(緊急支援物資搬入)

天気が良く、エルサレムからナブルスまでの道は牧歌的。「仕事とか戦車とか死体とかばっかり撮っていないで、美しい自然も撮ったら? これもパレスチナ。」と言われビデオを回しました。それもつかの間、地獄のようなナブルス旧市街でした。

☆ 日時:4月22日(月)
 ☆ 場所:ナブルス市
1.Rafidia 病院(公立) 2.Al-Watani病院(公立) 3.Al-Ittihad病院(私立)
 ☆ 参加団体:ANERA、CARE、JVC
 ☆ 搬送物資:食糧、医薬品等トラック1台分

朝、JVC分の物資の積み込みをし、エルサレムを出発しました。ナブルスの入り口の2カ所の検問所でチェックを受けましたが、待たされたのは1時間程度(19日のジェニン入りは3時間待ちました)。ナブルス内で十分時間があったので、3カ所の病院に物資を届け、被害の大きかった旧市街の視察もできました。
 JVCの物資はRafidia 病院(公立)に届けました。病院の患者及び病院を通して必要な人に配給される予定です。

完全に破壊された地域

旧市街の中でも最も古い地区は完全に破壊されていました。大地震の跡のようです。まだ、行方不明になっている人もいます。男達が瓦礫を掘り返し、行方不明になっている人を探していました。

同行したANERAのサマルさんのお父さんはここで生まれました。古くて美しい家の面影はどこにもありません。そして、その下にはまだ人が埋まっている可能性があるのです。サマルさんは呆然と立ちつくしていました。そして、「こんなに自分が無力に感じたことはない」とつぶやきました。

片足切断

ハニ・ダバブサ 21歳 学生 ワディ・バダン村出身
 彼は、4月4日、ナブルス旧市街に、破壊された建物の下敷きになっていた人の救出に来ていました。外出禁止令が出ていましたが、下敷きになった少女の救出に当たっていたのでした。しかし、作業の最中、イスラエル兵に撃たれました。仮設病院では手当できないほど重傷でしたが、旧市街から出ることが出来なかったため、旧市街内の仮設病院に収容されました。そして3日後、何とかラフィディア病院に転院しました。しかし、手遅れで左足を切断しなければなりませんでした。医師は撃たれた直後に病院に運ばれていたら彼は足を失わずにすんだと言います。義足、リハビリ等が必要なため、アメリカのNGOに連絡し、アメリカでの治療の可能性を問い合わせました。

仮設診療所

ナブルス旧市街では、3月の終わり(イスラエル軍侵攻の1週間前)、パレスチナ赤新月社(※)が、旧市街のモスクの中に仮設診療所を設置しました。その時点でイスラエル軍による攻撃は予想されていました。そして、予想通り、イスラエル軍の侵攻、旧市街への攻撃が始まりました。医師5人、ボランティアの救急隊員52人(15〜23歳、うち20人は女性)が仮設診療所に泊まり込んで救急治療に当たりました。どこにも出ることはできず、およそ20日間働き続けました。

最初の数日間で、水、電気(発電機を持ち込んでいたが燃料がなくなった)、食糧全てが無くなりました。イスラエル軍は2回、病院に入り込み、「人の鎖」で阻止しようとしましたが、そこにも発砲。一人が負傷し、踏み込まれました。診療所内には仮設ベッドがおかれ、簡単な手術もしました。患者が多いときは、床にマットを敷いて収容することもありました。20日間に計125人を収容し、5人がこの病院で死亡しました。死体は持ち出すことさえできず、病院内に安置。限られた設備の中、手術は4回、簡単な手術は15回行われました。外出禁止令と激しい攻撃の中、病院に転送できず手遅れになり、障害が残った人もいます。
 イスラエル軍が撤退した今、人々は自由に移動できるので、来訪した時には仮設病院に患者はいませんでした。しかし、救急隊員は「残念ながら、またいつ私たちが必要とされるか解らない状況です」と語っていました。
 ※ パレスチナ赤新月社 … パレスチナの赤十字にあたる機関


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