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自分たちの森を確保したい、、、与えられる土地は、もうない。(2007年8月)

ラオス森林プロジェクト担当 尾崎由嘉
2007年8月 1日 更新

JVCはラオスにて森林保全の活動を行っています。村人の森を守る「土地・森林委譲」支援は、1996年から数えて合計で35村にて実施されています。

2007年8月、新たな36村目の村として、T村にて土地・森林委譲の活動を行いました。「利用できる土地が減った隣村の村人たちが、自分たちの村の森に入って畑地にしている。何とかこの問題を解決したい」と、7月に、突然、村人からJVCラオス事務所にFAXが届きました。電話もない村では異例のこと。早速、FAXを送った郡事務所に問い合わせ、隣村と境界線の問題を抱えているT村について話し合い、T村とともに解決に向けて、土地・森林委譲を行うことになりました。

T村の隣村は数年前にユーカリ植林地として日本の製紙企業に土地を提供して以来、村の人達が利用できる土地が減少してしまいました。このため、T村の森林の境界線を越えて田畑を開拓し始めたことから、村同士の境界線問題が起きていました。「隣村には何度も問題を指摘している。でも変わらない。この問題を解決して、自分たちの森を確保したい」とT村の人達は語り、行政にも仲介してもらい、隣村と話し合いの場を持つことになりました。

2村の村人が共に森を歩き、境界線を確認 2村の村人が共に森を歩き、境界線を確認

「村では田畑に使える土地がなくなってきている。できれば少しでも土地を譲ってほしい。譲ってもらえないなら、境界線の画定に同意したくない」と隣村から要望がでてきました。T村は、「自分たちの村で使っていく森がやっとあるだけで、あげられる森はない」と議論が続きました。最終的には、T村が隣村の要望よりも小さめのエリアを譲り、合意に達しました。

境界線を確認し、地図化していく行政官たち境界線を確認し、地図化していく行政官たち

この境界線を実際に目視で確認するため、8月の炎天下の日に、T村と隣村の人々で共に森林内を歩き、GPSを利用して地図に書き込む作業を実施。行政官も地図を見ながら現在地を確認し、境界線を地図化する作業を進めました。総勢20名ほどで歩き、すでにユーカリ植林地となった隣村の土地にも辿りつきました。かつては、村の人達がタケノコやキノコを採っていた森であったとのことで、大木がところどころで聳え立つ中に、膝丈ほどのユーカリの苗があちこちに植えられています。森の姿はなくなり、草原のようになった植林地のすぐ近くにT村が利用する自然林があり、森の中では澄み切った川にて、きれいな水を飲むこともできます。また、カゴなど小道具が作れる植物のラタン(籐)が育ち、多様な生態系が保たれています。

ユーカリの植林がひろがる隣村ユーカリの植林がひろがる隣村

村の境界線の問題が解決し、それぞれの境界線も確定され、T村の土地・森林委譲の作業が終わりました。各村が境界線に同意したことを示す土地と森の登記簿も出来上がりつつあります。ラオスの村では、現在、こういった境界線の問題があちこちで起きています。急増する外部からの開発に、村人の暮らしが圧迫されており、村人の生活を支えてきた森が減少しつつあります。

T村の自然林ではラタンが採集できているT村の自然林ではラタンが採集できている

「土地・森林委譲」政策
ラオス全土の土地を用途や性質ごとに地目を確定し、それぞれの地目に対して所有者を確定する政策。土地の利用・相続などの実質的な所有権を個人や団体に公式に認め、村周辺の森を村の共有林として位置づけ、村の所有権を認める代わりに管理義務を課しています。JVCでは、土地・森林委譲を行う際に、村の生活と森林との関わりについて再認識する機会や村の森を管理する規則作りの場を設け、実際の境界線や区分を決める作業にもなるべく村人の声が反映するよう村人参加型の委譲を行っています。このプロセスは、行政単独で実施する作業と異なり、土地・森林委譲の実施用ハンドブックを作成して、行政職員にもトレーニングを行いながら、村人参加の手法の普及に努めています。森林の区分は、「保護林」「保全林」「利用林」「再生林」「荒廃林」「埋葬林」「精霊林」の種類に分けて示されています。


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