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それぞれのイラク(シリア、ダマスカスにて2)

イラク事業担当 原 文次郎
2009年2月27日 更新

イラク人の靴磨き

ダマスカスでは毎度ホテルの前にたむろする靴磨きにしつこく付きまとわれて閉口する。
慈善のつもりで良いと言いながら高い値段を吹っ掛けて来ることが少なくないからだ。

今回もひとりの30代に見える男性の営業力に根負けして靴を磨いてもらった。その靴磨きの青年は、「自分はイラクから来た」と言う。首に手を当てる真似をして、父親と母親が殺され、自分はシリアで3人の子持ちで貧しいと言う。カルバラから来たトルコメン民族のイラク人だと言うのだが、どこまで本当かはわからなかった。私から見れば高いお金を吹っ掛けて来て不当だということになるのだが、立場を変えて彼の方から見ると、少しでもお金を稼いで生きていくことに必死という見方もできる。

さて、彼の言葉が本当であるとして、3人の子どもを抱えて彼が故郷に帰る日は来るのだろうか。

サイ―ダ・ザイナブモスク、イラク人街にて

今回は個人的にイラク国内のバグダッドの知人宛てに送る品物があり、バグダッド行きの4輪駆動車が発着する旅行代理店のひとつを訪問し、発送を頼んだ。
18時間もかければ品物はバグダッドに着くと言う。この旅行代理店の店員のイラク人は、アラブ系でない外国人である私の顔を見て、「お前はバグダッドに行かないのか?そうだなあ、まだ行けないよな。行ったらこれだからな。」と首に手を当てて殺される真似をする。確かに、今はイラク人は前よりは安全に行き来ができるようになったが、外国人が自由に行き来ができるほど安全ではない。

サイ―ダ・ザイナブモスク裏、駐車場にて

このシーア派モスクには隣国のレバノンはもちろん、遠くサウジアラビアやバハレーン、イランなど各国からの巡礼客が訪れる。それらの国々からのバスが停車する駐車場の一番奥にイラクからのバスや4輪駆動車が発着するターミナルがある。
変な奴が来たと興味を覚えたらしく、イラク人のバス運転手のひとりが私に手まねきをして、停車中のバスの中に呼び込む。バスの車内に乗客はおらず、運転手仲間が暇に空かせて休んでいる。荷物も片付いておらず、この分ではすぐに発車する様子はない。まだイラクに向けて発車するには数日かかると行った趣きだ。

イラク行きのバス。だいぶくたびれていて、修理しながら走らせている様子イラク行きのバス。だいぶくたびれていて、修理しながら走らせている様子

彼らはイラクに他に大した仕事がないので、運転手が手っ取り早い仕事になるのだと言う。
一回シリアに来て500ドルの手取りがあるとすれば、これは一般的な公務員の一か月の給料かそれ以上に相当するのだから確かに割が良い仕事ではあるだろう。道中も前に比べればかなり安全になったという。

そんな茶飲み話をしていると、家財道具を満載したトラックが1台やってきた。荷物の持ち主は流ちょうな英語を話す。イラク南部のバスラの出身で、船乗りだと言う。かなりまともな英語を話す上、身なり等から判断しても金持ちに見えるので、それなりの階級の人物とお見受けした。私がヨルダンから来たのだと言うと、自分はシリアの南部でヨルダン国境に近いダラーに住んでいたが、これから3年ぶりにバスラに帰るのだと言う。満載していた家具類については、シリアで買った方が安く、バスラの半額だから、輸送費を払っても割が合うのさ、と笑う。

彼も一時期の内戦状態を避けて隣国に避難していたイラク人のひとりなのだろうか。
しかし、家具を満載して持ち帰ることができるほどであるから恵まれている。イラク人避難民の中には、避難先で職も無く、難民としての定住先が決まるのを待つ間にもなけなしの財産を取り崩し、使い果たしてしまい、泣く泣くイラクに戻るケースも少なくないと聞いているだけに、彼のような恵まれたケースは珍しいのではないだろうか。

家財道具を降ろして積み替えるところ。3年ぶりに帰る先ははるかイラクの南のバスラだ。家財道具を降ろして積み替えるところ。3年ぶりに帰る先ははるかイラクの南のバスラだ。

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