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無人地帯に暮らす新しい「いのち」

パレスチナ事業担当 看護師 吉野 都 吉野 都
2003年8月 7日 更新

7月15日の時点では、1172名の人々が、イラクとヨルダン国境の無人地帯、ノーマンズ・ランドでの難民キャンプ生活を余儀なくされている。イラク戦争後、彼らは難民として、ヨルダンへ逃げてこようとしたが、ヨルダンに入国することさえも許されない人々である。

イラン系クルド人が多く、またイラク人、パレスチナ人も生活している。イラン系クルド人のほとんどの人が、イラクのラマディ近郊にあるイラン人難民キャンプであるアルタッシュ難民キャンプからやって来た。

26歳のナザリー(男性)は、4月20日にイラクのアルタッシュ難民キャンプから、ここまでやって来た。アルタッシュ難民キャンプには、13000人が暮らしていた。多くの人々は、北部のクルド自治区を目指したが、およそ1000人の人々はここ、ヨルダン・イラク国境にやって来た。23年間アルタッシュ難民キャンプの外にでることは出来なかった。刑務所のようなところで、バクダッド陥落後、人々はチャンスとばかりにキャンプから出て、新たな定住地を求めた。「親戚がイギリスにいる。今は早くイギリスに行きたい。人々は希望を捨てていません」と言う。

私たちがアルタッシュ難民キャンプからやって来た人々のテントを訪問したとき、テントの中で涼みながら雑談をしている男たちが、「Did you get any solution(何か解決方法は見つかったかい)?」と叫んできた。多くの外国人が“視察”という名目でここを通り過ぎて行ったのだろう。

テントは、規則正しく張られておりテント内も女性たちが掃除に勤しんでおり、キャンプはとても清潔に保たれている。ナザリーは、「キャンプ生活が長かった人々ですから。暮らし方を知っているのです」と話した。

34歳のシャッケル氏は、7人の子どものお父さんだ。4月21日にアルタッシュ難民キャンプからここまでやって来た。7月8日には7人目の子ども、ミディアちゃん(女の子)が3400gで産まれた。ルェイシッドの病院で、帝王切開で産まれた。彼らは、イスラム教でもキリスト教でもなく、ディアナ・アルハックという宗教を信仰している。母語はペルシャ語だが、ダリ語も話す。ミディアちゃんの目元にひかれた濃いアイラインは、アフガニスタンの子どもたちを私たちに思い出させた。

「どこに行ってもわれわれは、外国人だ。ここにも長くいたくないけれど、イラクにも戻れない。治安だって悪い」とお父さんは話す。「学校はここにはない。我々は長くここにいたくない」UNICEFは学校をノーマンズ・ランドにも開こうと試みたが、「長期滞在はしない(したくない)」という住民たちから反対され、現在までUNICEFの学校の開校目処はたっていない。

「それでも子どもの教育は大切だ。自分が子どもたちに、言葉などを教えている。どこか違う国に行ったら、いい教育を与えてやりたい」とお父さんは話を続けた。ミディアちゃんは、私たちの訪問などお構いなしに、すやすやと心地よさそうな寝息をいつまでもたてていた。

寝息をたてるミディアちゃん寝息をたてるミディアちゃん

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