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2008/5/28版

2008年度イラク事業インターン 森 若奈
2008年5月29日 更新

アルカーイダ掃討にやっきになる政府、そしてゴーストタウン化したモースル

5月10日にモースルのイラク治安部隊は作戦を変更し、イラクのアルカーイダ掃討作戦は本格化した。モースル市には外出禁止令が出されている。マーリキー首相は現地に向かい、内務大臣と防衛大臣と共に自ら現場の指揮をとっている。外出禁止令が出された市は「ゴーストシティー」だと、The Independentの記者は伝える。[1]

もともとこのモースル市は、イラク第3の都市として、非常に重要な都市だ。シリアのアレッポからクルド自治区アルビルまでの幹線道路の中継地点として、そしてトルコに近い主要都市として、地理的、経済的、政治的な要所とされている。イラクのアルカーイダは、イラク西部アンバール県やバグダッド、そしてディヤラ県から敗走する形で、モースルに辿り着いた。このモースルでは、1月23 日には60人が死亡する爆破テロが起こっており、当局はこれをアルカーイダによるものとしている。[2]

このモースルは人口140万人を擁し、住民の多くはスンニ派だが、クルド人やキリスト教徒、ヤジード教徒、トゥルクメン人も存在する。また、旧バース党員や旧軍の将校がモースルに存在するとも言われている。[3] Los Angels Times紙は、10月に迎える地方選を巡って、クルド人勢力とスンニ派アラブ人勢力が対立する可能性を伝えている。[4]

Al-Hayat紙によると、今回の戦闘にはクルド民兵組織「peshmerga」は参加していない。[1]

Al-Jazeeraによると、新しい作戦が始まって4日目までに、旧イラク軍人や学生、大学教員など120名含む約1,100人が逮捕されている。[5,6] マーリキー首相は「今年は、国中に法的秩序を取り戻す年だ」と意気込む。政府はイラクのアルカーイダの掃討に躍起になっているように見える。

というのも、この作戦は3月末から行われたバスラでの作戦とは違うからだ。モースルにはイラクのアルカーイダやクルド勢力、スンニ派住民、旧政府関係者など様々な勢力がひしめいており、Al-Hayatはこの作戦の目的の1つが「地域を分断から救うため」であり、そのために、共に行動する勢力にも違いがあることを指摘する。[3]

外出禁止令によって、モースル市民の生活は大きく影響を受けている。The Independentによると、11日には車に乗った民間人の女性と子どもが米軍によって銃撃されるという事件が起こった。[1]

また、Al-Hayat紙のインタビューに対してモースル市長は、「外出禁止令によって今まさに人道的危機が続いている」と答えている。[2] モースル在住のジャーナリストは、Al-Jazeeraに対して、「住民が生活必需品を得るのが困難になるほど、作戦中に状況は悪化した」と答えている。[5]

Azzaman紙は、市の公的サービスが止まり、ゴミが街に散乱する中で、住民が感染症を危惧していることを報じている。[7]

ニュースソース

[1]’Ghost city’ Mosul braces for assault on last bastion of al-Qa’ida in Iraq (The Independent:2008/05/12)

[2]クルド側は、”peshmerga”との協力を否定、人道状況の難しさを警告…マーリキー大統領はモースルで新作戦を指揮 (Al-Hayat[Arabic]:2008/05/15)

[3]“アルカーイダ”を含む、さまざまな民族を内包するモースル、バース党員や前政権官僚の報復を恐れる (Al-Hayat[Arabic]:2008/05/16)

[4]A battle for land in northern Iraq (Los Angeles Times:2008/04/05)

[5]Mosul operation enters fourth day (Al-Jazeera:2008/05/14)

[6]Hundred held in Mosul crackdown (Al-Jazeera:2008/05/18)

[7]「ライオンの鳴き声」作戦は新作戦に、公共サービス停止の中でマーリキーはネイナワの部隊を指揮 (Azzaman[Arabic]:2008/05/14)


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