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仮設住宅の問題

震災支援担当 岩田 健一郎
2011年6月12日 更新

この度、気仙沼の震災支援担当となりました岩田健一郎です。これまで、JVCにはボランティアとして参加してきましたが、今回の震災を機に、JVCでの活動への関わりを今一歩深めることとなりました。どうぞよろしくお願い致します。

JVCは、被災地での活動として、3月下旬より、気仙沼市災害ボランティアセンターの運営支援を行ってきました。災害ボランティアセンターの活動の一つとして、避難所や仮設住宅での聞き取り調査があり、JVCもこの調査活動に参加しています。現在、被災地では避難所から仮設住宅への移動が進んでいますが、その動きに伴い、様々な問題が起こりつつあります。

仮設住宅の様子仮設住宅の様子

仮設住宅への入居=自立?

ある仮設住宅は高台に位置し、また街の中心部から離れているため、生活するためには車などの移動手段が必要となります。移動手段を持たない入居者(特に高齢者)にとっては、買い物一つするのも困難であり、日中は仮設住宅に閉じこもりがちになります。一方で、避難所から仮設住宅に移ることで、物資の配給が止まり、ニーズの聞き取りなどの訪問も減少します。一度、仮設住宅に入れば自立と見なされがちですが、実際の生活環境は自立したものとは程遠く、仮設住宅入居者はその狭間に落ち込む危険性があります。

避難所と仮設住宅の軋轢

ある中学校では、体育館に避難所が、校庭に仮設住宅が、隣合わせに設置されています。体育館にある避難所から、校庭にある仮設住宅に移ることのできた被災者もいれば、抽選に落ち、依然として避難所生活を続けている被災者もいます。

避難所に設置された洗濯機には、隣接する仮設住宅入居者の利用を禁じる張り紙が付されています。また、避難所で働くスタッフからは、避難所生活者向けのレクリエーションを行うことに、仮設住宅生活者への遠慮が垣間見られます。

仮設住宅入居者の話によると、子供が避難所生活者からいじめに近い扱いを受けたと言います。仮設住宅への入居の可否が分かれることによって、避難所と仮設住宅との間に感情的な対立が生まれ、軋轢が深まる恐れがあります。

不明確な入居の判定基準

仮設住宅にはスロープ付きのバリアフリータイプのものと、スロープのないタイプのものとがあります。車椅子を必要とする身体に障害をもつ入居者がスロープなしの住宅に入り、障害を持たない入居者がスロープ付きの住宅に入るというあべこべの状況が生まれています。身体に障害を持つ入居者の家族の方に話を聴くと、入居申請の際に、障害を持つ家族がいることを行政側に伝えたといいます。その方は、入居の判定基準が不明確であることに不満を持っていましたが、現在はこの状況を甘んじて受け入れています。仮設入居者の根底には、仮設に入れただけでも有難い、贅沢は言えないという思いがあります。

(左)スロープ付き仮設  (右)住宅スロープなし仮設住宅(左)スロープ付き仮設  (右)住宅スロープなし仮設住宅

被災地の復興から被災者が置き去りされない様にするためには、こうした一つ一つの声を復興の在り方に反映させていかなければなりません。それが、私達NGOの役割の一つです。

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