
【イエメン】イエメンの学校に、安全な学びの場を-タイズ市での教室増築プロジェクト報告-
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紛争が長期化するイエメンでは、多くの学校が破壊・損傷し、機能している学校も深刻な過密状態に置かれています。JVCは2025年3月から2026年3月にかけて、外務省の日本NGO連携無償資金協力(N連)の助成を受け、現地NGOのNahda Makers Organization(NMO)と連携し、タイズ市アル・ムダッファル地区のアーイシャ女子小中学校において、教育施設・設備の拡充と学習環境の改善に取り組みました。
アーイシャ校は、国内避難民を多く受け入れる地区の中心に位置し、約2,500人もの生徒が在籍しています。しかし、教室数は慢性的に不足しており、過密状態を解消するために午前・午後の二部制を余儀なくされていました。午後の部に通う低学年の生徒たちにとって、夕方の帰り道は常に安全とは言えません。雨季には洪水の危険があり、暗くなってから長距離を歩かなければならない状況も続いていました。教室一つに70人から100人が詰め込まれる環境は、学習の質を著しく低下させるだけでなく、子どもたちの安全をも脅かしていました。

過密状態の教室。机と椅子が足りず、床に座って授業を受ける生徒もいる。
本事業では、鉄筋コンクリート造の教室3棟を増築しました。設計段階から将来の垂直増築(上階の追加)を見据えた基礎工事を実施しており、学校の長期的なキャパシティ拡充にもつながる建設となっています。また、ソーラー発電システムを導入し、停電の多いイエメンにおいても安定した電力供給と換気・照明環境を確保しました。さらに、机・椅子やホワイトボードなどの備品を整え、授業がすぐに開始できる教室環境を整備しています。
加えて、校内トイレの改修と給水設備の改善も実施し、衛生環境の向上にも取り組みました。これらの施設を長く使い続けるために、教員と保護者会のメンバー計30名を対象に維持管理研修も行い、学校コミュニティが主体的に施設を守っていける体制づくりも支援しました。

新しく建設された校舎
事業の結果、新しい教室には175人の生徒が入ることができ、そのうち1年生のクラスは午後から午前の部へと移行することができました。暗い夜道を帰っていた低学年の生徒たちが、安全な時間帯に学校に通えるようになりました。
校長先生はこう語っています。「過密状態は、単なる数字の問題ではありませんでした。それは、女の子たちの教育の未来を阻む壁でした。NMOと日本の皆様の支援は、まさに必要なときに届きました。今、明るく清潔な教室で生徒たちが学ぶ姿を見るとき、誇りを感じます。そして、将来さらに階を重ねてすべての過密を解消できるという希望を、この建物の基礎が与えてくれています」

新しい教室で学ぶ子どもたち
イエメンでは今もなお、多くの子どもたちが学ぶ機会を奪われています。JVCはNMOとの連携を通じて、困難な状況の中でも子どもたちの学ぶ権利を守るための活動を続けていきます。今回の事業を支えてくださった皆さまに、心から感謝申し上げます。
あなたのご寄付が、確実に子どもたちの未来を支えています。
JVCでは、今後も現地パートナー団体と協力し、一人でも多くの子どもたちが安心して学び、成長できる環境づくりを支援していきます。引き続き、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。