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2月24日 南タイスタディーツアー

12期インターン 新田 恭平
2012年3月29日 更新

2月23,24日、ぼくらインターン生は「在タイビルマ人への支援活動」に学ぶ、という貴重な機会を得た。以下、そのスタディーツアーのレポートである。

ビルマ/ミャンマーからやってきた人々の現状

ゴムの樹液採取ゴムの樹液採取

ビルマ/ミャンマーからタイに、仕事を求めてやってくる人は多い。今タイに来ているビルマ人は200万人以上、400万人に及ぶとも言われている。そしてその数は、増え続けている。その増え方は1日あたり約300人にも及ぶという。

それは、とてつもない数字に思えた。タイに来たビルマ/ミャンマー人は、主にゴム農園、エビ養殖場、建設業に従事する。仕事をしに来た彼らの状況は、決して良くはない。安い労働力、代えはいくらでもきく労働者として、雇用されている状況を知った。

大規模なゴム農園大規模なゴム農園

ケースバイケースだが、本来ならば、雇用主がサポートすべきものが当然のようにない。安全に仕事をするために必要な手袋の配布だとか、身分証明書や健康保険証の配布。それがないために、疾患を負い、正式なIDがないために、タイの医療を満足に受けられないという現実がある。見学させてもらったゴム農園では、労働者だけでなく、その家族が敷地内で暮らしていた。その農園は驚く広さで、山がまるごとゴムの木林だった。だから、そこで働くビルマ/ミャンマー人も膨大だ。何百世帯という規模でゴム山の中にコミュニティを形成し、暮らしていた。ビルマ/ミャンマー人のパスポートもタイのIDのない彼らは、敷地の外に出れば、いつでも警察に捕まってしまう恐れがある。そのため、雇用主の持つ敷地内で日々を過ごすことになる。教育も医療も不十分、外にも出れない。明らかに、人権侵害だ。そんな雇用形態があることに衝撃を受けた。

誰の責任?

ゴムの樹液を加工するビルマ人労働者ゴムの樹液を加工するビルマ人労働者

そんな状態でも、ビルマ/ミャンマーに帰るより、タイで暮らしたい人の方が大多数であるらしい。どうして、このような状況があるのか、その答えはひとつではない。ビルマ/ミャンマーという国が抱える問題、タイ国内の法的整備、コストを下げたい資本主義、安いものを求める消費活動。原因はどこにでもある。それを強く感じた言葉がある。タイ国内のビルマ/ミャンマー人を支援するNGO、FED(Foundation For Education and Development)のスタッフであるPopoさんの、「皆に責任があると思います。」という言葉。それは、ビルマ/ミャンマーであり、タイであり、その他諸国であり、企業であり、僕であり、皆である。

今、世界中にはたくさんの問題がある。日本にもたくさんの問題がある。そしてその原因は、はっきりとしない。ともすれば、誰かの責任にできる。でも、Popoさんの言うように、「皆に責任がある」というのは真実だ。世界はひとつひとつ、一人一人が集まってできるもの、僕たちは間違いなく世界の一部であり、はるか遠くのことに感じられることも、決して無関係ではない。それを感じた。ビルマ/ミャンマー人がゴム農園で集めた液状のゴムを売れる状態、固形にする作業を初めてみた。車のタイヤ、輪ゴム、ペンのグリップ、ゴムは便利で、もはや日常に欠かせない。でも、それがどのように作られるかを僕は知らない。金で何でも買える今の時代、物事の仕組みを、その成りたちを、知らなくても生きていける世界になっている。その状況が南北問題や環境汚染を押し進めている。少なくとも責任の一端はある。消費者としての僕たちには、自分の手に取る物がどうしてそこにあるのか、その成りたちに思いを馳せる必要がある。決して自由でない生活環境、不足する医療など、人権の保障がないビルマ人たちを目の当たりにし、そんなことを思った。

生きることの単純さと素敵さ

ラーニングセンターの子どもたちラーニングセンターの子どもたち

同時に、生物としての人間について感じることがあった。生きる上で必要な物はそんなに多くないと僕は思う。安心できる状態や場所と食料があれば生きられる。人権が侵されても、教育を受けなくても。極端な見方だとは思っているし、もちろん今回の視察で知ったビルマ人の状況は問題だとも思う。でも、彼らはしっかり生きていた。食べて、子どもをつくって、生まれて、生きていた。生物の逞しさとひとつの命が生きることの単純さを感じた。過酷な状況を見て思うには不適切かもしれないけど、生物って素敵だな、と感じた。生きることは素敵だと。

だからこそ、皆とよりよく生きるべく、視野を広げていく必要がある、と思った。今回のスタディーツアーでビルマ/ミャンマーのこと、在タイビルマ人の問題、それに向き合うFEDのこと、僅かながら知ることができた。僕の課題は、この学びをどう活かしていくか。具体的に何に取り組むか、取り組めるか、どう生きるか、まださっぱりだ。だけど、今後、何をするにしても、人と物事の成りたちや仕組みを思いやることを忘れずにいたい。

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