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住み分けと成長力

タイの農村で学ぶ日々 橋本 めぐみ
2009年7月 7日 更新

2009年3月のJVCタイ・スタディツアーに参加しました。現在大学4年生で、卒業後は富山県の実家、土遊野農場で農業をするつもりです。土遊野でも自給自足を目指し、有畜複合循環型の有機農業を営んでいます。

大学でもタイについて学んでいたので、タイと有機農業というきっかけから田植えの時期にもう一度訪れて、カオデーン農園に滞在させていただきました。大学卒業前に、タイでの農業に少し携わってみたい!とわくわく気分で来ましたが、予想以上の気付き、学びを得られました。

富山の山奥から上京して5年目になります。都市の暮らしでは、新鮮さとともに多くの疑問を感じました。都市の繁栄ではなく田舎での農を基盤とした営みの可能性を、私は選んだつもりでした。でも自分が理屈や理想だけのあまちゃんだったかということに、カオデーンの滞在を経て気付けました。農作業は子どもの頃から慣れていたはずなのに、すぐへとへとになる自分にまず向き合いました。そして自然の中で暮らすということにも慣れていたはずなのに、部屋の中に入ってくるアリや虫たちにイライラし、毛嫌いする自分に向き合いました。

農作業中に、まとわり付いてくるこの虫たちがいなければ、どんなに暑くても快適だろうとさえ感じました。自分の心の狭さと、いかに自分が自然界とかけ離れた暮らしに慣れてしまっていたか、気付かされました。土を耕せばそこに住んでいる虫たちに出会い、そしてその住処を私が壊してしまっていること。私が彼らを怖がるだけでなく、彼らも人間を恐れているということ。土や畑や田んぼや森でも、必死で生きようとしているいのち達が何万とあること。邪魔だからと追い出すのではなく、ここで住まわして欲しいとお願いする気持ちと、追い出す形になってしまってごめんねという罪悪感。
 
自然の中での「住み分け」だと考えたら、少し虫たちにも寛容になれました。小さな虫や雑草に毎回気を払っていたらキリが無いかも知れないけれど、日本でもどこでも、農業はそんないのち達と常に向き合い、時に住処やいのちを奪う残酷な仕事でもあり、ごめんねとありがとうと日々感じさせてくれる営みなんだな。

田植えと共に畑のお世話もお手伝いする機会と、そして食事当番も回ってきます。タイの食材はどう使えばいいか分からないとか言い訳する暇なく、とにかくご飯を作るしかない。畑を散策したり、今までの日本での知恵もフル活用して創作料理の日々。料理に限らず、創作する、創造する能力の素晴らしさも改めて感じます。専用の道具を探す前に、買いに行く前に、自分の能力に聞いてみる。創造する力と、それを創作する身体が生まれながらに授けられているのだから、感じる心と共に大事に育てて生きたいと思いました。

田植えも終盤でしょうか。もうすぐカオデーンを出発しますが、田植えが終わっても、米作りや農繁期はこれから。今回は田植えしかお手伝いできませんでしたが、これがただの「田植え体験」に終えたくはありません。作物を作る一過程であり一季節。季節と共に流れる時間、続く仕事、ここでの営みは日本に帰って、これから歩く道のりでの糧にしたいと思います。

田植え終了田植え終了

ここカオデーン農園をきっかけに、また新しい発見と気付き、そして自分の成長力を感じました。デーンさん、森本さん、宮田さん、金森さん、本当にお世話になりました。


第11期インターン・2年目(2009年度) の記事一覧:こちらもぜひお読みください

更新日タイトル
2009年7月28日 更新精米の一日
2009年7月28日 更新コバヤシ登場
2009年7月 7日 更新カオデーン農園、再び
2009年7月 7日 更新住み分けと成長力
2009年6月26日 更新田植えの始まり
2009年6月 2日 更新いよいよ米作り
2009年5月27日 更新生命力
2009年5月22日 更新新たなるスタート
2009年12月21日 更新命を育てることの難しさ
2009年11月26日 更新生きていることの平等さ
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