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南タイで学んだこと その1

11期インターン 金森 史明
2009年4月13日 更新

2月23日から25日にかけて、南タイのパンガー県を訪問してきました。ここは、かつてタイを襲ったスマトラ島沖地震に伴う津波の被災地です。今回のスタディツアーは、被災地の現状や当時JVCタイと協働していたタイのNGO(SAN:Save Andaman Network、Grassroots HRE)の活動を見学することで、被災地復興支援のその後の状況やNGOの役割について学ぶことが目的でした。元JVCタイ津波被災地復興現地調整員の堤由貴さんがコーディネーター兼通訳として宮田さんと僕を案内してくれました。

2月23日はSANの活動先を訪問し、津波被災後に出てきた土地問題や、青少年活動、防災の取り組み、SANの活動やNGOの役割・あり方についてお話を聞くことができました。2月24日・25日はGrassroots HREのオフィスや活動先を訪問し、Grassroots HREの活動内容や取り組みについてお話を聞き、在タイビルマ人の状況を見聞きすることができました。
この南タイスタディツアーを通して、考えたこと・感じたことがたくさんあります。これからそれらを書いていきます。

1.土地問題に関して

まず、土地問題に関して話を聞いて考えたことです。今回訪問したところは被災地といっても家々や道路からは、もはや被災の傷跡は見えませんでした。しかし、目では見ることのできない問題が津波被災後に新たに発生したり、問題と認識されていなかった事柄が問題として顕在化したりしていました。そのひとつが土地問題でした。津波を契機に、資本家がタプタワン村の沿岸付近の土地所有権を主張してきて、住人ともめている、というものでした。ここに住んでいる人は、長年そこに住んでいて居住権はあるのですが、土地の所有権(証書)を持っていなかったために問題が起こったようです。

津波被災後、土地問題がおきたパンガー県のタプタワン村津波被災後、土地問題がおきたパンガー県のタプタワン村

これらの話を聞くうちに、土地の所有権、それだけでなく土地に関する権利というものがあること自体がおかしいのではないかと感じました。これは先日のJVCラオス事務所訪問のときにも感じたことでもあります。百歩譲ってそれらが認められるとしても、それはやはりその土地に住む人(生活する人)にこそ最優先で与えられるべきものではないでしょうか。土地は、そこに住む人にとって、住はもちろん、場合によっては食・衣・医に関わるすべてを得るために必要不可欠な最も重要であるものです。言ってみれば、土地は、生存をも左右するものです。しかし、所有権がないというだけで、そこに住む人たちはそこから追い出されてしまうことがあり得ます(そして、すでに現実に起こってしまっています)。しかも、それらは、その土地に住まず、その土地がなくても生存には何ら影響のない人たちによって行われるのです。土地というものは、そこに住む人が最優先で生活のために使うべきもので、決して、金儲けやリゾート施設といった娯楽のために使われるべきものではないと思います。

住む場所を追われようとしている(追われた)人々はその土地に長年住んでいながら、土地の所有権は持っていませんでした。土地所有のための証書や手続きに関することも知りませんでした。
このことに関して、「これらは彼らに責任がある、彼らは土地所有に関することについて知らなかったことが問題だ」という人もいるかもしれません。しかし、僕は彼らに問題があるとは思いません。それでも、「知らない」ということには問題があると思います。というより「知らされないこと」に非常に大きな問題があるように思います。この所有権について言えば、所有権それ自体のみならず、所有権に関する法律・手続き・使い方について理解しておくことはとても重要なことです。そうでなければ、自分の生存が脅かされることや不利な状況に陥ることを避けることが難しいし、これらと闘うことも難しい。今回の土地問題の被害者はこれらについて知らされることがありませんでした。
これは、土地問題というよりは、教育に関わる問題であると思うのです。僕は、現代においては、教育というものは単に読み書きそろばんができるというレベルではなく、自分の権利(およびその義務)についての知識と使い方を理解しているレベルを目標にする必要があると感じました。
 
その一方で、「権利というもの、というよりそれを悪用する人間がいなければ、彼らが生存を脅かされることや不利な条件に陥ることやそれと闘う必要もなければ、権利と義務について学ぶ必要もないはずなのになぁ」とも思いました。


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