
スーダン事業担当: 佐伯美苗
他国に難民として身を寄せていた人々が、南部スーダンに安全に帰り、故郷で安心して暮らせるように。
![[帰還]](img/302_01.jpg) |
■難民にとっては、これから故郷までの 長い旅が始まる。
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スーダン南部では、20年余りにおよぶ内戦により、犠牲者は200万人以上、難民50万人、国内避難民400万人を生み出したと推定されています。しかし、ついに2005年1月、スーダン連邦政府と南部スーダン人民解放運動/軍(SPLM/A)の間に和平協定が締結され、難民となって他国に身を寄せていた人々は故郷に帰還し、新たな国づくりと社会的経済的復興へのスタート地点に立ちました。
2005年以降、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)やNGOが中心となって難民帰還を進めてきました。また、自治政府である南部スーダン政府(GoSS)が樹立され、復興・再定住支援として、医療保健・教育・農漁業・警察、さまざまな分野でシステムの再構築が開始され、それを国連諸機関、そしてNGOが支援しています。
今後、南部スーダン各地で町づくり・村づくりが再開される中、しっかりとした技術をもつ人材を地域社会に送り出すことが必要です。
事業内容
| 目的 |
- 車両整備により円滑な難民帰還事業の後方支援を行う。
- 整備士育成により、帰還民の生活再建・再定住支援を行う。
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| 期間 |
2006年2月〜現在 |
活動分野 |
車両整備・職業訓練 |
| 地域・対象 |
■難民帰還支援事業: 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、南部スーダン政府救
援・復興委員会(SSRRC)ほか、南部スーダンで難民帰還・復興支援に携わる諸
機関。ならびに、国内外からの帰還民、地域住民。
■生活再建事業: 帰還民である研修生15名と家族。また、地域住民。 |
| 関連団体 |
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、南部スーダン政府(GoSS)、スーダン教会評議会(SCC) |
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(1)車両整備による難民帰還・復興支援の後方支援事業
![[南部スーダンで活躍する多くの国際NGOの車両整備を受け入れる。]](img/302-04.jpg) |
■南部スーダンで活躍する多くの国際NGOの 車両整備を受け入れる。
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安心して暮らせる故郷に戻ろう。故郷で新たな生活に踏み出そう。――南部スーダン政府(GoSS)、国連諸機関そしてNGOによって、近隣各国に難民として身を寄せていた人々が南部スーダンに戻るための難民帰還事業が進められており、南部各地では給水や教育分野などでの復興支援事業が開始されています。
JVCでは、2006年から帰還事業や復興支援事業を実施するUNHCR、南部スーダン政府救援・復興委員会(SSRRC)、そしてNGOの各機関が用いている車両の整備によって、帰還や復興を支えています。
![[工場内で整備の順番を待つ車両]](img/302-05.jpg) |
| ■工場内で整備の順番を待つ車両。
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南部スーダンでは、また、ウガンダやケニアとの物資や人の往来が活発になり、車両の交通量は急増していますが、しかし長きに亘った内戦のために道路はなお未整備の状態に留まっているため、ひじょうに大きな負担が車両にかかっています。車両についてなんらかの訓練を受けている人が運転するとは限らず、道路交通に関する法令も整備されていない地域に交通量が増えたために、事故や故障も多発しています。
ところが、市中に信頼できる整備工場または技術者は極めて少なく、JVC工場の技術力の高さは、高い評価を受けています。現在、この整備工場では一般の車両も受け入れ、整備を行っています。
(2)整備士養成による生活再建支援事業
ようやく帰還を果たしたとしても、復興景気によるのの中で住む場所が確定できない、生計をたてる術をもたない人が多くいます。とくに若年層には、生まれる前か、乳幼児期に肉親に連れられて難民キャンプに入ったために就労経験や技能をもたず、職を見つけることが困難です。せっかく祖国の土を踏んでも生活が行き詰まり、再び近隣諸国に人々が流出し、南部スーダン地域の復興は滞ることが懸念されます。
![[学科試験前におさらいをする研修生。]](img/302-06.jpg) |
| ■学科試験前におさらいをする研修生。
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そこで、JVCは2006年から帰還した若者らから希望者を募り、20代の青年15名(うち2名は女性)に自動車整備士としての知識と技術を身につける研修を実施しています。目標は、車両の基本的な構造や機能を理解し、適切な指示を受けて確実に分解・組み立て作業が行えるようになることです。研修生たちはめきめきと実力をつけてきています。
研修は車両の基礎構造や各部の機能を学ぶ座学と、モデルや実際の車両の作業に携わる実習から成り、2008年12月で修了を予定しています。
また、かれらの家庭の多くは収入が不安定で低い世帯が多いため、学ぶ環境を整える目的から、JVCでは簡単な昼食を工場で支給、また、文具などを購入する費用を補助しています。それでも下痢や高熱など病欠者の多い現状には頭を痛めています。
かれら研修生が研修を通して習得した技術は、自動車整備だけに貢献するものではありません。板金や溶接の技術を生かして家屋や生活用品の製作・修繕をしたり、エンジン・電気系統の知識は、公共サービスがない南部スーダンでは重要な機材である発電機の整備などにも役立ちます。つまり、町の基盤を修理し、整えるための技術をもつ人材になるのです。
また、日雇い仕事に就くことも可能な戦後社会において、研修生活を送ることは、家族にとっても本人にとっても簡単な選択ではありません。それだけに、研修生の修了後に対する家族や周囲の期待も大きいのです。
明日の南部スーダンに資する技術者を養成する−JVCの研修は大きな使命を担っています。
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