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現地ブログ from スーダン

スーダン日記

スーダン駐在の橋本が、日本ではほとんど知られていないスーダンの情報をお伝えします。

収穫の春

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年5月20日 更新

「今日も暑いですね」

それが毎日の挨拶代わりです。4月、乾季も終盤に入った南コルドファン州。1年で最も暑い時期です。ムルタ村の人々は、40度をゆうに超える日中の時間帯を避けて朝早くに農作業を行います。それに合わせて、JVCスタッフのサラも朝一番に村へと出掛けました。先月、水が涸れそうになったためJVCが支援して深く掘り込んだ灌漑用水の池を見に行くのです。池の水は地下から湧き出てくるため、深く掘ればそれだけ長く使うことができます。

畑ではオクラの白い花が咲き、収穫が進む畑ではオクラの白い花が咲き、収穫が進む

畑では、大きく育ったオクラの白い花が熱風に揺れています。その先では、農家のハディジャさんが池から水を汲んでいました。覗き込んでみると、先月は十分に湧きだした水が、暑さと乾燥、それに農業用水での利用によって、もう底の方にわずかしか残っていません。

こんなに水面が低くては汲み上げるのも大変な重労働、と思いますが、ハディジャさんはシャドゥーフ、そう、以前の現地便りでご紹介した「跳ねつるべ」を使って上手に汲み上げていました。

農業省の専門家が菜園を訪問

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年5月 9日 更新

「ジルジル(ルッコラ)がせっかく芽を出したのに、ぜんぶ虫に食われちゃったのよ」

JVCスタッフのアドランがムルタ村の共同菜園を訪れると、畑に出ていたマリアムさんが怒ったように言ってきました。
「アンタ、いったいどうしてくれるのよ」
とは言いませんが、若いアドランは、自分がそんなふうに言われているようなプレッシャーを感じます。

JVCが配布した種を農家が蒔き始めてから、はや1ヶ月以上が経ちました。生育が早いフドラ(モロヘイヤ)やアリグラ(クレソン)は既に収穫が始まっています。しかし、全部の作物が順調に育っているわけではないようです。

村の灌漑技術と跳ねつるべ

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年4月30日 更新

前回の「現地便り」で、ムルタ村北地区の溜池による灌漑についてご紹介しました。今回はその続きです。

ムルタ北地区の溜池(Beer)と菜園(Gardens)との位置関係図。溜池Aから左上の菜園に向かって長い水路が伸びているムルタ北地区の溜池(Beer)と菜園(Gardens)との位置関係図。溜池Aから左上の菜園に向かって長い水路が伸びている

この地区の溜池と菜園の位置関係について、もういちど【図】をご覧いただけますでしょうか。多くの菜園がいちばん大きな溜池Dから水の供給を受けていますが、左上に位置する二つの菜園は溜池Aから水路を引いています。しかもその距離は30メートルほどの長さになります。この距離を、うまく水を流すことができるのでしょうか?

畑に水が来た

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年4月26日 更新

日本人にとって雨は年中いつでも降ってきそうなものですが、1年を通して雨が降る土地というのは世界中にそう多いものでもありません。雨がほとんど降らない土地もあれば、雨季と乾季がはっきりと分かれている土地もあります。

私たちが活動している南コルドファン州は、年間降水量600ミリ程度。日本の平均の3分の1程度です。雨季の6~10月にまとまって降り、11月から5月までの乾季は、ほとんど一滴も降りません。

研修とお昼ごはん

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年3月 6日 更新

ムルタ村で始まった共同菜園づくりのプロジェクト。なんとか用地が確保され、家畜の侵入を防ぐフェンス作りなどの準備が進んできました。1月も中旬になり、次は野菜の種子と農具の配布、そして菜園づくり研修の実施です。

研修は、ムルタ村の三つの地区(南地区、中地区、北地区)でそれぞれ40人を対象に行われます。菜園への参加者は各地区それぞれ100家族以上になりますが、時間や場所の制約から、その中から40人に研修を受けてもらい、その40人が研修で学んだ内容を他の家族にも伝えていく、というやり方です。

畑のフェンスは誰が作る?

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年3月 6日 更新

「ユヌスさん、菜園にはフェンスが必要だよ」

ここは、JVCが菜園作りの活動を進めているムルタ村の南地区。村人から選ばれた菜園委員会のメンバーとの打ち合わせの席で、メンバーのひとりがJVCスタッフのユヌスに向かってそう切り出しました。たちまち、その場はフェンスの話で持ちきりになりました。

「この前も、となり村のウシがエサや水を探してたくさん来ているのを見かけたぞ」
「となり村だけじゃないぞ、数は少ないけどムルタのヤギやウシだってあちこち歩き回っている」

「もし菜園を囲むフェンスがなかったら、菜園の野菜はみんな食べられてしまうぞ」
皆が言うには、草がほとんど生えない乾季には、菜園は格好のエサ場になってしまうのだそうです。

「それで、JVCはフェンスを作ってくれないの?」

共同菜園づくり・よそ者の土地問題(4)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年2月22日 更新

前号から続く)

ムルタ中地区のシエハ(住民リーダー)、ジブリルさんの家は幹線道路の近くにありました。ブロック塀で囲まれた庭には鉢植えの植物が並び、門の脇に植えられた木には真っ赤な花が咲き乱れています。

トチャ集落のシエハ、トゥトゥさんを迎えて、奥さんがソルガムや落花生、ササゲ豆を炒めた特製のおやつをふるまってくれました。
「さっそくだけどジブリルさん、共同菜園のことなんだが」

トゥトゥさんがそう話し始めると、ジブリルさんが
「その話なら、菜園委員会のメンバーを呼んで一緒に相談したほうがいいな」
と言って、委員会の中心メンバーであるルドワンさんを呼びに行かせてくれました。

しばらくの間、おしゃべりとおやつを楽しんでいると、ルドワンさんがやってきました。彼は菜園予定地の地主のひとりでもあり、土地のことをよく知っています。

共同菜園づくり・よそ者の土地問題(3)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年2月22日 更新

前号から続く)

乾季になってバオバブの大木はすっかり葉を落としているのに、それでも木陰には村人が集まって、いつものようにおしゃべりを楽しんでいます。ここは、ムルタ村の中でも最も東寄り、丘陵地の懐に抱かれたトチャと呼ばれる集落です。

人々は、元々はカドグリから南に20キロほど離れた山中のトチャ村に住み、その一部がこの地域に移り住んだと言われます。今でも集落の中ではトチャの言葉が飛び交っています。避難民が多く住むムルタ北地区の訪問(前号前々号の記事)を終えてから数日後、JVCスタッフはこのトチャ集落を訪れました。

バオバブの木の脇でクルマを降りると、スタッフは村人に挨拶をしました。
「こんにちは、JVCです。シエハのトゥトゥさんはいますか?」
集落を束ねるリーダーは、この地域では「シエハ」と呼ばれます。トゥトゥさんはここトチャ集落のシエハです。

やがて、トゥトゥさんがやってきました。「ジャラビーヤ」と呼ばれる白いガウン状の服を着て、日除けのために麦藁帽をかぶっています。
「おお、JVCか。まあ、座りなさい」
周りの人たちも一緒に車座になって話が始まりました。

共同菜園づくり・よそ者の土地問題(2)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年2月21日 更新

前号から続く)

ウドゥ村出身者の一角を離れ、しばらく歩くとまた何軒か草ぶき屋根の家が並んでいます。その間を抜けると、土壁のしっかりした家の脇に、ありあわせの材料で作った小屋が立っていました。木材の骨組みに、大きな麻袋やビニール袋を広げて天井にしています。避難民の一家が住んでいるのでしょうか。

「こんにちは。誰かいますか?」
返事がありません。もう一度大きな声で「こんにちは」と叫ぶと、裏手から人の声がしました。

そちらに回ってみると、庭を駆け回る子供たちの傍らで、母親らしい女性がヤギの世話をしています。片隅では、おばあさんなのでしょうか、年配の女性が腰かけてくつろいでいます。ひょうたんで飲んでいるのは、ソルガム酒(穀物から作る醸造酒、アルコール度は低い)でしょう。

共同菜園づくり・よそ者の土地問題(1)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年2月21日 更新
ムルタ村概念図ムルタ村概念図

住民集会での話し合いを経て、ムルタ村での共同菜園プロジェクト(乾季の野菜作り)が動き出しました。まずは村の各地区で「菜園委員会」のメンバーが選ばれ、「委員会」が中心になって参加希望者の登録と、その人たちへの菜園用地の割り当てが行われることになります。

しかし、果たしてどのくらいの村人が参加を希望するのでしょうか?また、今回の紛争で故郷を追われムルタ村に滞在している避難民は、共同菜園にうまく参加することができるのでしょうか?

そうした不安を抱えながら、JVCスタッフは避難民が多く住んでいる集落に足を運んでみました。そこはムルタ村の北地区の端、中地区との境界に近いあたりです。

北地区の家々北地区の家々

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