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南北スーダンの軍事衝突

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2012年4月20日 更新

「最悪のシナリオ」と言われた事態が、刻々と近づいているのかも知れません。

今回の戦闘地域とJVCの活動地今回の戦闘地域とJVCの活動地

南北スーダンの国境付近の油田地帯で3月下旬に発生した南北両軍の衝突は、4月10日、南スーダン軍の国境を越えたヘグリグ油田への侵攻に発展し、同軍はそのまま周辺地域を占拠。これと前後して、スーダン(北部スーダン)軍の爆撃機は南スーダン側に何十キロも入り込んで都市への空爆を始めました。戦線は他の地域にも拡大し、事態は既に二国間の全面戦争の様相を呈してきています。多数の避難民と、空爆による一般市民の死亡が報告されています。

ヘグリグ油田を南スーダン軍が占拠した翌日、私が住むスーダンの首都ハルツームはこの話題で持ちきりでした。

「今日は、私たちみんなとても怒っているの」

預金を引き出しに銀行に行くと、顔なじみの女性行員が話しかけてきました。いつもは「日本のお菓子が食べたい」なんて話ばかりしている彼女が、神妙な面持ちでヘグリグ侵攻の話を始めたのには驚きました。

「南の人たちは和平合意に署名したんでしょ。どうしてそれを破って急に私たちの国に攻めてきたの?なんで、そんなに悪いことをするの?」

和平合意とは、どうやら2005年に20年間の内戦を終結させた南北和平合意のことを指しているようです。この合意は「北」からも「南」からも十分に守られたとは言えないのですが、それはともかく、彼女の話を聞いていると、今回は南スーダンが石油欲しさに突然攻めてきたと信じ込んでいます。

「ねえ、そう思うでしょ」と言われた私は、こんなところでモメて口座のおカネが引き出せなくなったら困るので「えっ、そ、そうですかね」と曖昧な返事でごまかしましたが、彼女と同じく多くの人は、軍事衝突に至る前から「北」の政府軍が挑発行為とも言える南スーダンへの越境空爆を続けていたことなど、知らないようです。

この「現地便り」でもお知らせしてきたように、昨年6月に南コルドファン州でスーダン軍と反政府軍との紛争が始まり、戦闘員・非戦闘員を問わず数多くの貴重な命が失われてきました。しかしハルツームでは、そうした事実はほとんど報道されることがありません。

しかし今回の南スーダンの侵攻が起きたとたん、新聞もテレビも大々的に報じ、南スーダンを非難し愛国心を訴える大合唱になっています。市内中心部ではスーダン軍を支持するデモが組織され、議会は南スーダンを「敵」であると宣言しました。各地で若者を兵士としてリクルートして戦場に送り出すキャンペーンが始まりました。しかし「戦場」とは、南スーダンとの国境だけでなく、国内である南コルドファン州の紛争地帯も含まれるに違いありません。

新聞記事を丹念に拾っていくと、次のような報道がありました。戦闘支持一色に染まる議会の中で、南コルドファン州出身議員の発言です。

「南コルドファンでは既に多くの地域を反政府軍が掌握している。そうした地域に、新たに徴兵した戦闘経験のない若者を送り込むのは、死に直面させることではないか・・」

2005年の和平合意を受けJVCがスーダンで活動を始めて7年。その間、南北境界線(国境)の南側で、そして北側で、平和の訪れに安堵し生活再建を目指す人々を支援してきました。はたしてその平和が束の間のものだったのか、それとも今後も続いていくものなのか。南北スーダンは、そしてそれに関わる私たちも含めて、いま、大きな試練の時を迎えています。

(今回の軍事衝突に関して、JVCは即時停戦を求める見解を発表しています。→こちらをクリック)

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