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スタッフ採用ドタバタ劇

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2011年2月15日 更新

「スーダン現地便り」読者の皆さんには、「2010年度から新しい場所で活動するというけれど、いつになったら始まるんだ?」「今井は何をやってるんだ。寝てるのか?」とやきもきして下さっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かにこの半年間、事業開始のための諸手続き、私自身の労働許可や居住許可を取得するために多くの時間を費やし、なかなか活動に着手することができませんでした。

しかし、そうした手続きも12月には終了し、この1ヶ月間は、活動を始める準備を進めてきました。

まず手始めは、スーダン人スタッフ1名の採用です。

ここスーダンでは、何をするにも行政との連携が欠かせません。

余談ですが、アメリカの雑誌が毎年発表する「世界の失敗国家ランキング」でスーダンは常にソマリアと首位の座を争っていますが、そんなイメージと裏腹に、スーダンの行政の仕組みやルールは極めて細かくできていて、スタッフの採用にも様々な手続きが定められています。

JVCのような外国の援助団体の場合、活動内容について州政府との合意書を締結しますが、この中で「どんな資格を持ったスタッフを何人雇用するか」を明記しなくてはなりません。自分たちで勝手に「この役職で何人雇おう」と決めてはいけないのです。そして、合意書にある採用計画に基づいて、まずは労働事務所に行って採用募集の許可を得なくてはなりません。

「こんにちは、JVCです。スタッフを募集するので英語で採用広告を作ってきたのですが」

「スーダン人スタッフにアラビア語に翻訳させなさい」

「いえ、まだスーダン人スタッフがいないのです」

「どうしてスーダン人スタッフがいないのだ!?けしからん」

「だから、スーダン人スタッフを雇うためにこの広告を出したいわけで・・」

そんなやりとりを繰り返していると、事務所の中に助け船を出してくれる人がいて、なんと、労働事務所スタッフがアラビア語訳を作ってくれることになりました。感謝。できあがった手書きのアラビア語版採用広告は、労働事務所の中庭に張り出されました。

「もっと色々な場所に張らなくていいのですか?」と年配の副所長さんに尋ねると

「これで十分。あとは口コミで伝わるのだ」との答え。本当かなあ?

労働事務所の中庭に張り出されたJVC採用広告。左はアラビア語に翻訳してくれた労働事務所スタッフ。労働事務所の中庭に張り出されたJVC採用広告。左はアラビア語に翻訳してくれた労働事務所スタッフ。

応募者は、履歴書など必要書類をJVCではなく労働事務所に提出します。5日後の締切日に事務所を訪ねると、副所長さんが出てきて「21人の応募があったぞ」と束になった応募書類を渡してくれました。その場でパラパラと書類をめくった私は、ふと、ある応募者の書類に目が留まりました。あれ、この人・・

「副所長さん・・・この応募者、あなた本人じゃありませんか!!」

「そうだよ。私は応募条件にピッタリだと思うがどうかね。大学も出ているし、行政や援助団体での勤務経験もある」

「ほ、本気ですか?」

そのあと、労働事務所側、つまり副所長も参加して1次選考(書類選考)を行ったのですが、選考する立場の人が自分で応募しているなんて、聞いたこともない・・・結局、1次選考の時間の大半は、私が「穏便に」副所長に応募辞退を求めることに終始したのでした。

1次選考で候補者を5名に絞り、いよいよ最終選考の日です。

選考科目は、面接、筆記試験(計算問題と英作文)、それに簡単なパソコン能力テスト(英語とアラビア語)です。この選考にも、労働事務所と、NGO活動を所管する人道支援局のスタッフが試験官、面接官として立ち合います。労働事務所は、この日はさすがに副所長ではなく女性スタッフ2名を派遣してきました。私はお茶菓子を用意して皆さんをお迎えします。色々と気を遣います。

さて、面接です。私から応募者に色々と質問したあと、「皆さんから質問はありますか?」と労働事務所、人道支援局スタッフに聞くと、それまで黙っていた人道支援局スタッフが「ひとつ質問がある」と言って、いきなり

「君、給料は幾ら欲しいんだ?」

私もびっくりしましたが、質問された応募者はもっと驚いた顔をしています。ちょっとその質問はまずいので制止しようと思ったら、応募者は「1,000スーダンポンド」と答えてしまいました。質問はまずかったけど、参考になったな、と心の中で思ってしまった私。

それにしても、南コルドファン州のような地方で、果たして英語での仕事もこなす適任者がいるだろうかと不安でしたが、候補者と話してみると皆なかなかの人物なので嬉しい誤算でした。

採点の結果、晴れて合格者が決まりました。

イサム・アディーン・アジーブ・アンドー。

スーダン人は日本人のように苗字、名前のふたつではなく、4つの名前を持っています。本人に言わせると「短縮するなら、イサム・アンドー(Issam Ando)だ。イサムが自分の名前、アンドーは家族の名前(苗字)で、『強い』っていう意味なんだ」

名前で採用した訳じゃないけれど、名前だけならまるで日本人。あんどう・いさむ君の紹介は、またの機会に。

気は優しいが力持ち。イサム・アンドー気は優しいが力持ち。イサム・アンドー

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