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村人との再会

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2010年6月23日 更新

幹線道路から脇道へと入り、前日の雨でできたぬかるみを避けながら、私たちが乗ったクルマは目的地へと向かいます。州都カドグリの町から約1時間、岩と石だらけの丘陵地が開けたところに目指す村、ウドゥがありました。ここが私たちの新しい活動の予定地です。今日は協力団体の現地NGO、NMIADのスタッフと一緒に挨拶のため村を訪問しました。

雨季が始まり、今日は絶好の種まき日和。村人たちは鍬を持って耕したり、種まきをしたりと忙しそうです。

クルマを停めると、鍬を持ったおじさんが寄ってきました。これから農作業でしょうか。「ちょっと鍬の写真を撮らせてもらえませんか」と頼むと、おじさんは喜んでカメラの前でポーズ。

耕作道具の使い方を実演耕作道具の使い方を実演

しかしこれ、鍬と言うよりもスコップです。使い方も、頭の上から振り下ろすのではなく、しゃがみ込んで土を掘り起こす感じです。そう、ちょうど写真のように、ですね。

この地域では深く耕すことはないようです。畑によっては、ちょこちょこっと穴だけを掘って、そこに種を蒔いていきます。

こうして穴を掘って種をまく こうして穴を掘って種をまく

私たちの来訪を知って、村のリーダーが畑から戻って来てくれました。この地方ではリーダーは「ウムダ」と呼ばれています。ウムダは袋からソルガムの種を取りだして見せてくれました。「ほら、色んな種類があるんだ」

ソルガム(モロコシ)はこの地方の主要作物。製粉して主食のアシーダやケセラを作るほか、お菓子の材料にもなります。お酒もできますね。雨季の終わりには高さ2〜3メートルにも生育し、その先端に穂を実らせます。

ウムダには、今年3月に調査のため村を訪問した時にも会っています。飄々とした雰囲気が印象的で、前回は私たちに「今まで数多くの援助団体が村にやってきて、同じような質問を山ほどして帰って行ったけど、どの団体も二度と戻ってこなかった」と言い、アンタ達はどうなんだ、とばかりに私たちを牽制していました。

「ほら、こうして戻ってきましたよ」と私が言うと、「はっはっは、そりゃ良かった」と言って笑っています。

ソルガムの種を見せてくれるウムダソルガムの種を見せてくれるウムダ

南北内戦中に戦場となったこの村からは、多くの住民が国内避難民となってハルツームなどの都市に逃れました。内戦終結後も、「北」(ハルツームの政権党である国民会議党:NCP)と「南」(スーダン人民解放運動:SPLM)との政治的な争いに翻弄され、隣の村も含めて深刻な住民間抗争が起きています。ムスリムによるキリスト教会の放火や、犠牲者を伴う発砲事件も、つい昨年のことです。

あれは、カドグリの政治家が村人をけしかけたんだ。そうでなければ、村人同士が争う理由なんてない」とウムダ。「でも、長い内戦や混乱で、村はすっかり取り残されてしまった。学校の校舎は足りないし、井戸も壊れている。診療所があっても医者も薬もない」そんな話をしながら歩いて行くと、村の中心、小学校の校庭にでました。

学校では、ちょうど給食の時間でした。低学年の生徒50人くらいが木陰に腰掛けて、数人のグループ毎に大きな器を囲んでいます。何を食べているの?

「バリラ」と呼ばれるその食事は、ソルガム(コウリャン)とアダス(レンズ豆)を炒めたもの。いずれも村で収穫されたものです。勧められるままに一口つまんでみると、ほどよい塩加減でなかなかいい味です。

美味しいので二口め、三口めと食べてふと顔を上げると、なんと、子供たち全員が食べるのをやめて、一斉に私に視線を向けています。

みんな、驚いた顔つきです。ただでさえ外国人が珍しい上に、小学校の給食のバリラを食べてるなんて!なんだこいつは!?という感じでしょうか。

そんなところへ、「やあ、久し振りですね」と言って校長先生がやってきました。校長先生と会うのも前回の訪問以来です。「実は、明日は学校の終業式なのです。生徒の歌や踊り、ゲームがありますから、ぜひいらっしゃいませんか」という招待を受け、私たちは喜んで終業式に参加することにしました。

給食中に失礼!給食中に失礼!

学校を後にして、村を一望する裏山に登ることにしました。案内役は村の若者。モスクの横を抜け、家々の間をしばらく歩くと山道になります。

ここ南コルドファン州には、大きく分けて2種類の人々がいると言われます。「ヌバ」と呼ばれるアフリカ系の人々と「アラブ系」とされる人々。都市生活者や商人は除き、ヌバは主として農耕、アラブ系は主として牧畜を営むとされています。ここウドゥの住民はヌバの人々で、彼らの言語で会話し、多少の家畜とともに農耕を主とした生活を営んでいます。

ヌバの人々は「山の民」であり、山の中腹や頂上近くにも石で土台を組んで家や家畜小屋、倉庫を建て、石組の段々畑を作って山の斜面を耕作してきました。

段々畑にはたくさんの作物の芽が段々畑にはたくさんの作物の芽が

私たちが山道を登り始めると、周囲はそうした段々畑になりました。土壌が流出しないように石を組んでテラスを作り、ソルガムなどの作物を植えています。小さいテラスはタタミ1畳くらいの大きさしかありませんが、そこにもしっかりと作物が植えられています。

テラスが連なる美しい光景が山の中腹まで続いています。畑づくりが目的とは思えない大きな石組の遺構もあり、山全体が何かの遺跡といった感じです。

頂上に立ちました。ウドゥ村が一望できるほか、隣のメレ村、遠くカドグリ方面まで見渡すことができます。村の中は、芽を出したばかりの作物が、薄い緑のじゅうたんになって広がっています。

驚いたことに、この頂上にも石の土台があって、以前は何かの建物があったことを示しています。いったい何なのか。敵の襲撃に対する見張り小屋か?倉庫か?でもなんでこんなところに?

ヌバの石文化、まだまだ謎がありそうです。

 ■山頂から見たウドゥ村全景 ■山頂から見たウドゥ村全景

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