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キャッサバがおいしい町(スーダン旅日記その1)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2009年8月 7日 更新

スーダン旅日記
日本の7倍の面積を持つスーダン全土の、約3分の1を占める南部スーダン。50を超える民族グループ、言語があると言われ、ウガンダ国境沿いの山々、乾燥した東南部、ナイル川中流に広がる大湿地帯、等々と自然条件も様々です。しかし、JVCスーダンの活動が南部スーダン自治領の首都ジュバに限られるため、私は長らくそれ以外の地方に行ったことがありませんでした。「これではいかん」と一念発起、最近、ワウ(西バハルガザル州)、マラカル(アッパーナイル州)という地方都市、そして南コルドファン州のヌバ山地を訪問してきましたので、3回に分けてご報告します。今回はワウ訪問記です。


人道支援関係者のために国連が運行するプロペラ機に乗って約1時間、到着したワウの町はジュバとはかなり様子が違います。水売りの馬車が走りまわり、スーダンの首都ハルツームと同じようにトゥクトゥクと呼ばれる小型三輪自動車が庶民の足になっています(ジュバは、ウガンダから持ち込まれたバイクタクシーが増加中)。

町の規模はジュバとは比較にならないほど小さいものの、内戦前からの古いレンガ造りの建物が良く残り、町並みはきちんと区画整理がされています。「電柱を見てくれよ。町中にきちんと電気が行き届くようになっているんだ」と言うのは、この町の出身で国連機関に勤めるウイリアムさん。なるほど、コンクリート製の電柱が整然と立ち並ぶ様は、ジュバとは大違いです。

「ジュバに比べてワウは田舎」と思っていた私は認識を改めなくてはならないようです。ワウは、行政区分が変更されて南部スーダンが10州に分かれる以前、3つの州で構成されていた頃の「バハルガザル州」の州都で、ハルツーム方面からの鉄道の終着駅でもありました。首都ハルツームにより近いのはワウで、ジュバの方が田舎だったのかもしれません。共通言語であるアラビア語も、ジュバで話される方言に比べてワウのアラビア語の方が少しハルツームの言葉に近いようです。

鉄道が廃線になった今も、ワウはハルツームとジュバを結ぶ輸送路の中継点です。「あのトラックはジュバに行くのさ」とウイリアムさんが大型トラックの隊列を指差して教えてくれます。「ハルツームからここまで何日かかるの?」と尋ねると、「そうだなあ。大型トラックなら4日はかかるね」そしてワウからジュバは更に3日。全行程では1週間を超える遥かな道のりです。

この地域で多数を占める民族グループは、バランダと呼ばれる人々。家畜はほとんど持たず、キャッサバや豆類、落花生、イモ類を耕作しています。郊外の農村を訪ねると、家々の間にキャッサバの畑が広がっていました。今は内戦中に村から避難していた人々も徐々に戻り、作物の種の配布など援助機関からの支援も受けて生活再建に取り組んでいるそうです。村の小学校にクルマを停めると、先生のジョセフさんが出てきて話をしてくれました。

キャッサバ。イモのような根の部分を食用にするが、葉も食べられる。キャッサバ。イモのような根の部分を食用にするが、葉も食べられる。

「この学校に来て3年になりますが、何しろ予算がなくて大変です。校舎も自分たちで補修しなくてはならないし、最近、給食を出すための食料庫を自分たちで作りました」と、レンガ造りの食料庫を見せてくれました。この地域の土壌はレンガ造りに適しているらしく、町も村も家々はレンガ造りです。

ジョセフさんと落花生畑ジョセフさんと落花生畑

「実は、教員の給料だけでは生活できないので、畑仕事もしているんですよ」というジョセフさん。学校に隣接した彼の畑は約0.5ヘクタール(100×50メートル)、落花生を作っています。「副業ってわけですね」と私が言うと、彼は笑って「違いますよ。畑が本業で、教員が副業です。教員の月給は150スーダンポンド(約6千円)だけだから、畑の収入の方が大きいんですよ」と言いました。彼によると、8月には10袋(1袋50kg)を収穫する計画で、ワウの町でこれを1袋80スーダンポンドで販売、 800スーダンポンド(約3万円)の収入が見込めるとのこと。

夜、ウイリアムさんの家に招待されてバランダの伝統食をごちそうになりました。キャッサバ粉をお湯で練った主食に、おかずは鶏肉、ペースト状の落花生と玉ねぎのあえ物、それにキャッサバの葉の煮込みです。キャッサバの葉には、シアバターの実から取ったオイルをたっぷりとふりかけて食べます。なんと、その美味しいこと!

「キャッサバの葉を料理させたら、俺たちバランダにかなうヤツは誰もいないのさ」と自慢するウイリアムさんに、深くうなずく私でした。


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