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整備工場での菜園づくり(ライバル出現編)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2008年9月 9日 更新

(6月28日号「整備工場での菜園づくり(種まき編)」の続きです)
 
種まきが終わって「早く育たないかな」と畑を眺める毎日ですが、そんなある日、整備工場の敷地内を歩いていて、なんと別の畑を発見!しかも見事な畑ではありませんか。きちんと畝が作られ、青物野菜が列をなして育っています。「いったい誰が作っているんだ!」

JVC整備工場が建っている広い敷地の持ち主は「スーダン教会評議会(SCC)」で、JVCはこのSCCとの共同事業として工場を運営しているのですが、SCCは同じ敷地の中でほかに貸倉庫を運営しています。この貸倉庫の裏手で、私は畑を発見したのです。
貸倉庫の周囲に常駐している警備会社の派遣警備員に、「いったい誰が畑を作ったのか」と聞いてみました。すると、驚いたことに「ああ、あの畑は、俺たちが作ったんだよ」という答が返ってきました。そ、そんな、警備員が勝手に畑を作っちゃっていいの?
「土地の持ち主のSCCに話はしてあるから大丈夫さ。それより、見事な畑だろ。あれは、カウピーズ(Cowpeas)っていう野菜さ」と答えてくれたのは、警備員のルバジョ。「俺たち警備員の仕事はヒマだからさ、野菜を作って市場で売って、小遣いを稼がなくちゃ」そうか、これは警備員の小遣い稼ぎだったのか・・・。何とも抜け目のない警備員!

カウピー畑の中に立つ「師匠」ルバジョカウピー畑の中に立つ「師匠」ルバジョ

彼、ルバジョはウガンダ国境近くのカジョケジ村出身で、村にいた子供の頃から家族と一緒に農業をしてきたといいます。「ウガンダの難民キャンプにいた頃も畑仕事をしていたよ。作物ができたら近くの市場で売ってお金を稼いで、小中学校の学費を払っていたんだ。難民だって、学費の一部は自分たちで払わなきゃいけないからね。だから、畑仕事のことはよく知っているのさ」。

なるほど。「でも、それだったらジュバになんか来ないで村に残って農業をやったらいいんじゃない?」と私がちょっと意地悪く尋ねると、「いやいや。村では食べ物はあるけどカネが稼げない。自分の妻・子供は村にいるけど、学費や薬代やそのほか何でもカネがかかる。だからジュバで警備員をやって稼いだカネを村に送っているんだ」
「ところで」と、ルバジョが私たちの畑を指差して言いました。「整備工場の畑もなかなかいいじゃないか。あのトマトは、もうすぐ苗床から畑に植え変えないといけないな」ふむふむ。「高さが2インチくらいになったら、植え替えの時期だ。雨が降った後に植え替えると、きっとうまくいくぞ」と、指先で2インチの長さを示して教えてくれるルバジョは、本当に畑づくりをよく知っているようです。私は彼を「師匠」と呼ぶことにしました。

収穫を進める女性たち収穫を進める女性たち

これから市場へ出荷これから市場へ出荷

しばらくしたある日、「師匠」の畑を見に行くと、女性たちがやってきて収穫をしていました。彼女たちは収穫した野菜をルバジョから買い上げ、市場に持って行って売るのだそうです。「この畑全部で、幾らになったと思う?」と私に尋ねるルバジョ。私には見当もつかないのですが、ルバジョは「たった80ポンド(約4千円)だよ。たったの」とがっかりの様子。「小遣い稼ぎなんだから、そんなにがっかりしなくていいじゃないか」と私が慰めていると、彼は「この収穫が終わったらすぐに次の作物を植えるぞ」と、早くも次の計画を練っているのでした。


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