アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
  • JVC facebook
  • JVC twitter
  • イベントメルマガ配信中
  • 文字サイズ:大きく
  • 文字サイズ:中くらいに
  • 文字サイズ:小さく
JVC English website

給水車とコレラ

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2008年6月18日 更新

5月のある朝、JVC整備工場の警備員、アレックスが事務所に駆け込んできました。「妻と末娘の二人が昨晩から激しい嘔吐で苦しんでいる。すぐ病院に連れて行きたいのでクルマを出してもらえないか」
すぐにクルマを出して、ジュバ随一の病院である「Teaching Hospital(注)」へ連れて行くと、医師はコレラと診断。奥さんと娘さんはそのまま入院して治療を受けることになりました。国連機関を通じて「ジュバでコレラが流行」という情報が流れて来たのは、その数日後のことです。

「家では給水車の水に頼るしかない」と語るアレックス「家では給水車の水に頼るしかない」と語るアレックス

「いったい何が原因だったんだろうね」とアレックスと話しました。トイレはちゃんと使っているか?用を足した後や食事の前に手は洗っているか?「トイレも、炊事場も清潔にしているし、別に問題はないと思うけど」と答えるアレックス。では、そもそも水は大丈夫?

ナイル川の水を運ぶ給水車。街中でよく見かけるナイル川の水を運ぶ給水車。街中でよく見かける

「水は、給水車が運んでくるナイル川の水を飲んでいる」やっぱりそうか。「煮沸はしていないの?」「煮沸!?ドラム缶の水をどうやって煮沸するんだ!?」「そうじゃなくて、飲むときに沸かしてさ」「そんなことしていないよ。喉が渇いたらコップですくって飲むんだから」
彼が住んでいる「グデレ」という地域はジュバの町外れですが、最近、帰還してきた難民や国内避難民が家を建てて急速に人口が増加している「新興住宅街」です。近くに井戸はなく、住民は給水車がナイル川から汲み上げてくる水を買わざるを得ないのでしょう。そう言えば、昨年JVC研修生のひとりがコレラに罹りましたが、彼も同じ「グデレ」に住んでいました。
その後、WHO(国際保健機構)のレポートを読んだところ、やはり給水車の水がコレラの原因として疑われているようです。

整備工場の前の「喫茶店」整備工場の前の「喫茶店」

昨日の朝、JVC整備工場の前の喫茶店(路上喫茶)でお茶を飲んでいるアレックスに会いました。「おはよう。奥さんと娘さんの具合はどう?」「おかげさまで、もうすっかり良くなったよ」「ところでアレックス、この喫茶店で僕も時々お茶を飲んでるけど、この水は井戸水?それとも・・」「ほら、あそこに大きなドラム缶があるだろう。給水車の水をあそこに貯めて、それをみんな買っているんだよ」

井戸から整備工場の食堂の水を汲んでいる井戸から整備工場の食堂の水を汲んでいる

げげっ、煮沸したお茶とはいえ、自分もナイル川の水を飲んでいたのか・・・
この地域も、近くには飲用に適した井戸がなく、JVC整備工場では前回の記事に書いたように毎日遠くの井戸まで水汲みに出かけています。私たちのようにクルマを使って水汲みに行くのはもちろん例外で、人々は給水車の水に頼る生活を送っています。
給水車の水はドラム缶1本(200リットル)が5スーダンポンド(約250円)。それをこの「喫茶店街」のドラム缶に貯めおきして、町の人々は20リットル1スーダンポンド(約50円)という倍の値段で買うのだといいます。安全でない水を、お金を払って買わなければならないのがジュバの現実です。

(注)主に英国で関係の深い諸国家で用いられている、医学生や研修医の訓練機能をもつ病院。日本の医科大学/大学医学部付属病院に相当。


団体案内
JVCの取り組み
11ヵ国での活動
イベント/お知らせ
現地ブログ
あなたにできること
その他
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F 【地図】
TEL:03-3834-2388 FAX:03-3835-0519 E-mail:info@ngo-jvc.net