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ワールドカップ観戦記No.2 @スタジアム

南アフリカ事業担当・現地代表兼任 渡辺 直子
2010年6月29日 更新

ワールドカップリーグ戦も終盤にさしかかってきましたね。日本でも随分と盛り上がっていますでしょうか。私は今回こちらで三度スタジアムに行って観戦する機会を得ました。先日農村での観戦の様子をお伝えしましたが、今回は真逆の雰囲気ただようスタジアムでの観戦の様子についてお伝えしたいと思います。

最初にスタジアムに行ったのは19日(土)のガーナvsオーストラリア戦です。こちらは「せっかくだから経験だけでも・・」ということで、JVCの総務担当・細野のオススメの試合情報の中から「週末開催+アフリカの国である」ということが決め手となり、ドゥドゥとチケットを購入して観に行きました。二度目が翌日に行われたブラジルvsコートジボワール戦。この試合は現地でも人気の好マッチです。チケット発売当初から売り切れ状態だったのですが、運よくチケットを入手することができまして、こちらもドゥドゥと二人で観戦しました。そして、この原稿を書き上げてそろそろ東京に送ろうかなと思っていたところで、またも運よく、おそらく日本中の方がテレビでご覧になっていたであろう24日(木)の日本vsデンマーク戦を観に行く機会を得ました。

ガーナvsオーストラリア!

 ■数少ない国旗の中に日本の旗が! ■数少ない国旗の中に日本の旗が!

19日の試合は「ラステンバーグ」という街で行われました。ジョハネスから日本の山道にも似た風景の中や農場の脇を抜けて走ること1時間半ほどで到着します。プラチナ鉱山とカジノで有名ですが、残念ながらそれ以外には特に何もない街です・・。しかし、5月の現地便りでお伝えしましたとおり、ジョハネスで日本の国旗をあまり見かけない中で、24日に日本vsデンマーク戦が行われることもあり、ここではどこに行っても日本の国旗があることで急に親近感が湧きました。ラステンバーグの街に入った瞬間に誘導する警官の姿が目に入り、彼らと標識に従って迷うことなくまずは「Park&Ride」に到着です。

ところで、私は「ワールドカップ直前の南アの到着」の記事の中で、「渋滞が心配」と書きましたが、ちゃんとそれを避ける方法がとられています。スタジアムから少し離れた広い公共施設の駐車場(大学や公園など)に車を止めて、そこから専用バスでスタジアムに行くので(Park&Ride)スタジアム近くでの混雑、渋滞は回避されていました。また街中にはわかりやすい標識がいっぱいあります。5月の記事での「不安」発言はここで訂正させていただきたいと思います。今後南アに試合を観に来られる方がいらっしゃいましたらご安心ください。しかし帰りの渋滞は強烈でした。

頭にカンガルーを乗せて歩くオーストラリアのサポーター頭にカンガルーを乗せて歩くオーストラリアのサポーター

Park&Rideからバスに乗ること約10分、いよいよスタジアムが見えてきました。ガーナ応援組はバンドを組んでパレードし、オーストラリアを応援する人の中にはカンガルーの被り物を頭の上に載せている人もいて随分とにぎやかです。スタジアムの外では、直前の試合であるオランダvs日本戦がスクリーンに映されていて、この前にもたくさんの観客がいました。音楽に合わせて踊る人もいて、まさに「お祭り」の雰囲気です。

 ■ラステンバーグのスタジアムの様子。カラフルです。 ■ラステンバーグのスタジアムの様子。カラフルです。

スタジアムはもともと陸上競技場なのでしょうか。こじんまりとした印象で、芝のまわりにトラックがありますが、さほど見にくさは感じませんでした。その会場がほぼ黄色で埋まっています・・。ガーナの国旗は赤、黄、緑、オーストラリアのユニフォームも黄色と緑、そして私たちも含めBafana BafanaのTシャツ(黄色か緑)も多く、どっちがどっちのチームのサポーターなのか見た目では全くわからないのですが、応援の様子から察するに、ガーナサポーターが圧倒的多数だったようです。もちろん私たちもガーナを応援していましたが、試合は1−1の引き分け。ガーナがチャンスを多くつくっていたのに同点だったのには応援している身としては非常にストレスが溜まりました・・・。しかし(私のような素人目の意見としては)試合内容はよく、試合終了後には選手たちもサポーターもお互いをたたえあう雰囲気がありとてもすがすがしいものでした。

迫力満点!ブラジルvsコートジボワール!

二戦目のブラジルvsコートジボワールは、開幕戦と決勝戦の会場であるジョハネスバーグ市にあるサッカーシティです。収容人数は9万人ほどでとても大きな会場です。これまで何度となく、活動地を訪れてくださった方などを「ここが会場ですよ」とご案内してきましたが、いずれも敷地の外から遠目にしか見たことがなかったので初めて中に入ってその迫力に圧倒されました。外観はかぼちゃのようなひょうたんのような不思議なデザインです。普段JVCのオフィスからサッカーシティまでは車で30分弱ですが、当日は・・2時間以上かかりました。まずは、オフィスの近所にあるWitz大学の敷地内に車を止めます。駐車場が混んでいて駐車までが約20分。ここがまた広大な敷地で駐車した場所からバスに乗るまで20分ほど歩きました。そこから専用バスにて40分ほどで会場に到着です。しかし到着とはいえ敷地が広大なのでスタジアムの姿がほとんど見えません。ここから歩くこと30分強・・ようやく入場です。遠いといえば遠いのですが、普段南アでなかなか外を歩く機会がない分いい運動になりましたが、ドゥドゥはこの時点ですでにヘトヘトでした。道中では「Ticket please!!」と叫んでいる人が多くいて、この試合の人気のほどがうかがえます(ガーナvsオーストラリアでは見なかった)。そして無事入場し「やっとついたぞー!!」と思ったら、シートが入り口の真逆・・。ここから歩くことさらに20分ほどで、ようやく自分たちのシートにたどりつきました。6時すぎに出発したので余裕だと思っていたのですが、スタジアム内に入ったときにはすでに国旗に続いて選手たちが入場してくるところでした。

人気の試合だけあって当日の来場者数は約84,500人。ラステンバーグの会場は自分の座席の反対側のシートの人の様子もはっきりと見えましたが、サッカーシティは向かいの人たちが豆粒のようです。どちらの会場もブブゼラが鳴り響いていましたが、サッカーシティは遠くから地鳴りが聞こえてくるような感じで、両チームの選手たちがいいプレーをするたびに歓声、どよめき、ブブゼラそして(相手チームからの)ブーイングで会場がまさに「揺れて」いるようで、サポーターの熱気が足元から体の中を通り抜けるような感じで伝わってきてものすごい迫力でした。とはいえ、こちらの試合はどちらかのチームを応援、というよりも「この好マッチをぜひ見たい!」という人が多く、選手各々の好プレーをたたえているような雰囲気が強かったように思います。また、先日のガーナサポーターの盛り上がりが相当なものだったので、同じアフリカと陽気なラテンの国同士ということで同じような盛り上がりを想像していたのですが皆さん以外とおとなしいのには(=楽器などの鳴り物が少ない)少し拍子抜けしました。しかしこれは会場が大きすぎることもあり、どのサポーターがどこにいるのかもあまりわからず、個々がバラバラに各チームを応援しているような感じだったことが原因かもしれません。その意味ではラステンバーグのほうが会場の一体感があり、後の日本戦での印象も含めて個人的にはこちらのこじんまりとしたスタジアムのほうが試合を他の観客と一緒に楽しめて、印象深かったです。当日、私たちはもちろんアフリカ代表であるコートジボワールを応援していましたが、結果は3−1でブラジルの勝利。初戦に続き応援しているチームがなかなか勝ってくれずはがゆい思いが続きます。

サッカーシティ。この日はドゥドゥと二人で観戦。左端に見える観客が豆粒のようです。サッカーシティ。この日はドゥドゥと二人で観戦。左端に見える観客が豆粒のようです。

いよいよ...!日本vsデンマーク!

そんな思いで迎えた三戦目、「今日こそは(応援しているチーム=日本が)勝ってくれ〜!!」という思いで日本vsデンマーク戦を観に行きました。初戦と同じラステンバーグで、二度目ということもありすでに愛着がわいています。スムーズに会場に到着しましたが、平日ということもあり仕事を終えてからスタジアムに向かったため、到着したのがギリギリで心の準備もないままに試合が始まってしまいました。この試合がEグループの一次リーグ突破チームを決めるものだったこともあり、そして日本の試合だったということもあり、最初から最後までほんとに気が休まらず、くたくたの90分でした・・。しかし、試合内容皆さんもご存知のとおりすばらしいものでしたね!19分頃の本田選手のフリーキック、その後に続く遠藤選手のフリーキックは間近で見ていて不思議なくらいにすぅっとすいこまれていき、それはそれは美しいものでした。まさか直接狙うと思っていなかったこともあり(ゴールまでの距離が遠く感じられたのと私は素人なのでよくわからない)、一瞬何が起きたかわからないほど驚きましたが、これは私だけではなかったようで、会場ではほんの一瞬静まりかえった後に大きな歓声がやってきたように思います。この日の試合はまさにこれまで(私が見てきた試合)の歯がゆさを吹き飛ばしてくれるようなすがすがしい内容で、思い切り歓声をあげて盛り上がることができて、ストレスも吹っ飛びました。そして本当に感動しました。

当日は、同時開催をしていたオランダvsカメルーン戦を観たい人が多かったのか、あるいは不便な場所で20:30開催が理由なのか、会場のシートは埋まってはいなかったのですが、ガーナvsオーストラリアに引き続きお互いのサポーターの存在が感じられ、会場が一体となって非常に盛り上がっていました。当日の入場者数は25,000人程度だったと思いますが、それでもサッカーシティに負けない熱気があったように思います。そして、ドゥドゥと私の印象では、アフリカからの方々も多くいらしたのですが、日本を応援している人が多かったです。

ところで、多くの南ア人とアフリカ人たちは、南ア(もしくは自国チーム)⇒他のアフリカ⇒ラテンアメリカの順番にチームを応援していますが、私の友人や仕事を一緒にしている南ア人たちはここに「日本」を入れていて、必ず試合を観てくれているようです。しかし、日本代表チームはワールドカップ前の親善試合等でいい結果が出ていなかったことと、FIFAのランキングがEグループの中では一番低いこともあり、当初は南アチームBafana Bafanaの「同志」のようなものと感じて、「お互いにがんばろーや」的な応援の仕方だったように思います。それを証拠に初戦のカメルーン戦で勝利した際には、5、6人から「おめでとう」の電話をもらったのですが、大変失礼なことにほぼ全員が電話の向こうで「日本勝ったじゃな〜い」と爆笑してました・・。おそらく勝つとは思っていなかったのでしょう。しかしオランダ戦を観たあたりからそれが「日本はこのまま一次リーグ突破できるのではないか」というコメントに変わり、デンマーク戦では「I'm impressed!!!!!(感動したよ!!!!!)」に変わっています。彼らは今日のパラグアイ戦もいけるはずだと信じています。Bafana Bafanaが敗れ去り、ガーナ以外のアフリカのチームが去った今、彼らにとっては日本がワールドカップを楽しみ続けるための希望にもなっています。そんなわけで南ア人も日本代表チームを応援していますので、どうか今日のパラグアイ戦がすばらしい試合になるといいなと思います。

日本のサポーターの皆様です。中に南ア国旗と日本の国旗を旗もあってこれは南ア人に好評でした。日本のサポーターの皆様です。中に南ア国旗と日本の国旗を旗もあってこれは南ア人に好評でした。

サッカーの素晴らしさ

今回は期せずして三回もワールドカップという大舞台での試合を観る機会を得ましたが、私にとってスタジアムに観戦に行ったのは大学時代に自分の大学のいろんなスポーツの試合を観に行った以来、10年以上年ぶりのことでした。スポーツは観戦している側も緊張して体力を消耗するものだということをひさびさに思い出しました・・。どの国の選手を見ていても、ただひたすらに勝つことを追い求めてすばらしいプレーをされているのですが、その裏には普段の生活でいろんなことを犠牲にされているのだと思います。今回スタジアムに直接足を運んだことで、選手の皆さんの「勝つ」ことに対する強い思い、それを実現するための意志の強さを垣間見た気がし、あらためてその精神力の強さに、「自分と同じ人間と思えない・・」とため息の出る思いがし、感動しました。最近、正直言うと「スポーツ観戦に興味がない」と言えるほど遠ざかっていましたが、プロのスポーツ選手がなぜこんなに人びとから支持されるのか、感動を与えるのかがよくわかり、今後また日本でもサッカーの試合を観に行ってみたいなと思う経験でした。また、普段NGOという場で活動し、特に南アという国に関わっていると、嫌でも「人種」というものを意識せざるを得ず、その間にある壁を感じます。しかし「サッカー」というスポーツを通すだけでその壁が消え、少なくとも会場においては肌の色、老若男女関係なく、皆が一体となってひとつのチームを応援しています。そんな様子を目にしたとき「南アでワールドカップを開催してよかったな」と思いました。この思いがこれからも続くように、残りの日程、何事もなく無事に終わってほしいと思います。

日本のサポーターの皆様。盛り上がっています。日本のサポーターの皆様。盛り上がっています。

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