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ガザ:何をしたら卵が増える?

パレスチナ現地代表 福田 直美
2012年1月 5日 更新
卵を手に誇らしげな男の子。朝、卵を採りに行くのは彼の役割です卵を手に誇らしげな男の子。朝、卵を採りに行くのは彼の役割です

JVCはガザ北部、ウム・アル・ナセル村で現在12家族を対象に養鶏事業を行っています。昨年度は10家族を対象に行ったのですが、その10家族が、今年新しく参加する家族に助言を与えるという取り組みを、今年は加えて行っています

昨年度の参加家族は皆、それぞれが工夫し、家族で食べた上に余った卵を売ったり、卵を孵化させて育てて大きくなってから売ったり、また収入を産むまでは行かなくとも、ほぼご飯の残り物だけで育てて毎日子どもたちが食べる卵を生産するなど、多くの「成功話」が生まれました。その人々から、「ぜひ近所や親戚など、他の貧困常態が厳しい家族にも広げたい」という声があり、今年も12家族が新たに取り組むことになったのです。

取り組みが始まったのは7月。中心になるのは女性たちです。5ヶ月がたち、子どもたちが毎朝の卵を楽しめるようになり、すでに卵や孵化させた雛を売って収入を得ている女性もいます。しかし一方、冬に入って生産量が落ち込む人も最近は多くなってきました。「冬に入ると卵の生産量が減るのは当然」と昨年の参加メンバーであり今年はリーダーとして参加家族の女性たちに助言を与えてくれているアイシャさんは言います。しかし、それぞれの家族を訪問して聞き取りをすると、鶏に与える食べ物や環境なども影響を与えているようです。

パレスチナの冬は、雨季です。雨と寒さに備えて、各家庭では対策が始まりました。小屋を布やビニールのシートで覆うのですが、中にはスチールの板で覆っている人もいます。12月の獣医の訪問では、「スチールの板は夜の小屋の中の温度を下げてしまう」ことを指摘されました。また冬場は特に、できるだけ鶏たちを屋外に放し飼いにしてあげて、太陽の光を浴びさせることが必要です。さらに、この時季に生えてくるイラクサと呼ばれる草をあげることで鶏の健康を維持するなど、たくさんの工夫が必要です。女性たちも普段から、そのような情報を交換し合っているようですが、そうでない人たちもいます。面白いことに、そのような情報を持っていて実践している人ほど、冬に入って少ないながらも生産量をきちんと保っているのです。

砂地で飼うようにしたら卵を産むようになったという家庭も砂地で飼うようにしたら卵を産むようになったという家庭も

先日、女性たちが集まり、更なる情報交換の場が設けられました。そこではさらに、面白い情報が交換されました。11月、この村も含めた地域では鶏の病気が流行し、獣医のフォローアップを受けていない他の鶏を飼っている人たちの鶏が、一斉に死んでしまうということがあったそうです。幸い、JVCの事業に参加している家族の鶏は無事でした。その話題が出た時、何人かが、病気の伝統的な予防方法について話し始めました。毎年、春前になると鶏の病気が流行するそうですが、その前になると、鶏の飲み水にタマネギやニンニクを擦ったものを入れると病気の感染を防げるとのこと。また、いくつか面白い現象が起こっていることもわかりました。ある家庭では、雄鶏が死んでからぱったり卵が生まれなくなったので、新しく雄鶏を購入したそうです。すると、雌鳥たちがまた卵を産むようになったとのこと。そして、雄鶏がいても卵を産まなかった雌鳥たちが、卵を産む雌鳥を一羽新しく入れたら、卵を産み始めたとの話もありました。また、これまでは家の中の空きスペースで鶏を飼っていたものの、家の外の砂地で囲いの中で放し飼いにしたら、卵を産み始めたという人もいます。鶏はとても環境の変化に敏感な動物とのことで、「鶏たちが卵を産まなくなったときは、『変化』を入れてみるとよい」という話で女性たちが盛り上がりました。

今回のように、女性たちには今後も経験や知恵を交換し合い、学びあうことでより工夫を重ねていってもらいたいと思います。次回の訪問では、「あの家でやっているこんな事を実践したら、卵の生産量が増えた」という声を聞くことができるのが、楽しみです。

今日採れた卵だよ!とお茶目なポーズで見せてくれた男の子今日採れた卵だよ!とお茶目なポーズで見せてくれた男の子
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