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東エルサレム:生徒から生徒へ その3

パレスチナ現地代表 福田 直美
2011年5月10日 更新

JVCは2010年度から、地元の医療NGO、医療救援協会(MRS)とともに東エルサレムの4つの学校で「トレーナーのトレーニング」を実施しています。これは、主に中学生を対象に保健衛生に関するトレーナーを育成し、その生徒が他の生徒たちに教えていけるようになるための取り組みです。

講習の内容は、公衆衛生、喫煙の害、成長期の体の変化、HIV/AIDS、救急法など多岐にわたります。日本と違って保健体育の授業などがないため、生徒たちにとっては初めて聞くトピックがほとんどです。講習を受けるのは、どの学校でも「選抜」された生徒たち。講習中も質問が飛び交ったり、生徒同士で学んだことを確認しあったりと、とても活気のある様子が伺えました。最初はMRSの医師と保健指導員からの講習を受け、その講習の中では学んだ生徒が実際に皆の前で講習を行う「予行練習」も含まれます。緊張している様子も見られましたが、指名された生徒はきちんと自分が話すトピックについて復習、準備をしてきていたようです。

堂々とした立ち振る舞いもまるで先生のよう堂々とした立ち振る舞いもまるで先生のよう

5月上旬、学校が5月後半からテスト期間、その後夏休みに入る前に、再び生徒たちの様子を見に行きました。どの学校でも、講習を受けた生徒たちが他の生徒たちの前で講習を行うための予行練習を終了しており、それぞれの「トレーナー」となった生徒たちが、クラスの生徒たちの前で講習を行っていました。どの新米「トレーナー」も、初々しい感じを漂わせつつも、準備してきたトピックについてきちんと話ができており、また他の生徒からの質問に的確に答えるなど、成長ぶりが目に見えてわかりました。生徒の様子を見ていたラムジー先生も「前よりも随分しっかり話せるようになっただろう」と嬉しそうです。

終わった後に、講習を行った生徒たちにインタビューをしてみました。

・ 私「難しかったトピックは?」⇒生徒たち「救急法。体で覚えなければならないから」「HIV/AIDS。初めて聞くトピックだったから」

・ 私「一番重要だったと思うトピックは?」⇒生徒たち「救急法。東エルサレムではいつ衝突が起こって怪我人が出るかわからないから」「思春期の体の変化。皆知らないけれども本当は知っておいたほうがいい」

・ 私「実際役立ったことはある?」⇒生徒たち「家で兄弟や両親に、学んだことを教えてあげている」「朝会の時、毎週全校生徒の前でスピーチをしている」「実際に兄の喫煙をやめさせたの!」

・ 私「どんな時に役立つと思う?」⇒生徒たち「他の生徒が、健康について知りたいことがあった時にいつでも教えることができる」「スポーツや課外活動などで、怪我の処置ができる」「イスラエル警察とパレスチナ人の間で衝突があって怪我人が出た時に救急法が役立つ」「学校新聞などを作りたい」

・ 私「何か自分の中に変化はあった?」⇒生徒たち「最初は他の生徒の前で話すのが恥ずかしかったけれども、今は楽しんでいる。皆興味を持って聞いてくれるから」「将来役に立つ知識を得たことで自信がついた」「以前よりも自分の健康のことを考えるようになったし、友達にも考えてもらいたいと思うようになった」「将来は私も保健指導員になりたい!」

生徒たちが次々と手を挙げて、「自信がついた」「楽しかった」「他の人の役に立ちたい」と言っているのを聞いて、ラムジー先生はさらに嬉しそう。「最初は生徒たちにとっては全てが新しくて、教えるのもとにかく難しかったけれども、今は彼ら自身が学んだことを広めようとしている。来年はこんなトピックも教えてほしいというリクエストもあるんだよ」と言います。

怪我の応急処置について話すトレーナー(左)。皆が聞き入っていました怪我の応急処置について話すトレーナー(左)。皆が聞き入っていました

また、このプログラムを担当した学校の先生たちからも、「責任感が出てきた。何より、他の生徒たちと知識を伸ばしていこうという意識が育った」「自主的に学校や生徒たちのために何かしようという意識が生まれた」「今年度受けた生徒が、今度は来年度別のトレーナーを育てることもできそうだ」というコメントをいただきました。こういった健康に関する知識は、すぐに効果が現れるものではありません。きっと何年か後に知識の浸透が生徒たちやその家族の行動の変化となってくるのだと思います。学年度はもうすぐ終了ですが、今年度育ったトレーナーが来年も、彼らが養った知識と自信を学校や課外活動で生かしていくよう願います。

2人一組で講習を行うことも。チームワークも大切です2人一組で講習を行うことも。チームワークも大切です
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