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ガザ:眠れない夜

パレスチナ現地調整員 津高 政志
2010年7月31日 更新

ガザ地区の中で家庭訪問などの仕事を終えると、いつものようにガザ市内のホテルに宿泊することになります。国連の安全基準をクリアしているホテルは現在2つしかなく、そのうちのひとつが今日の宿泊場所です。

前日に予約をした部屋に案内されると、僕の部屋はまだ掃除が済んでおらず、ボーイが「もうちょっと待っててくれ」と言います。さらにもらった鍵がうまく回らず、「鍵がかからないよ」と言うと、「違う鍵を持ってくるから、もうちょっと待っててくれ」と言います。結構がんばってるんだけど、ちょっと惜しいところが「ガザだなぁ」と僕は思います。それでも安全には配慮しているはずなので、とりあえずは安心です。

夜になり、僕は部屋で自分のノートパソコンを使っていました。すると、「ドン、ドン」という大きな音が立て続けに響き渡り、衝撃波がすぐに地響きとなってホテル全体を小刻みに揺らしました。さらに機関銃と思われる乾いた音がパラパラと続きます。確実に何らかの攻撃音ですが、とっさのことでどうしたらいいかわかりません。腕時計を見ると23時25分。部屋を出て階段を下り、ホテルのフロントに行ってみることにします。ひとりの男に「何があった」と聞くと、「おそらく戦闘機だ」と言います。その間にも遠くの方で何らかの攻撃音が耳に届いてきます。もう一人に聞くと、「何だかわからないけど心配はするなって。ここでは戦争は毎日毎晩のことさ!」と明るく言いました。文字通り毎日毎晩のことではないにしても、「いつ空爆があってもおかしくはない」という状況が毎日毎晩続いているという意味では、今晩空爆があったところで驚くには値しないことなのかもしれません。これまでガザで見てきた空爆された後のビルの残骸が、またひとつ増えたのか、と頭の中で考えていると、外で救急車がすごいスピードで通り過ぎました。

現地パートナー団体や、ガザ地区の安全情報を配信しているNGOからの情報で、午前0時までにわかったことは、この空爆はガザ市内の警察施設を狙ったものであったということでした。それらの情報をもとに、これからの行動をどうするか決定します。今回の空爆は明確な標的があり、継続的なものではないということから、このまま場所を変えずに就寝することになりましたが、もちろん良く眠れたとは言い難い夜でした。


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