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初めてのガザ 〜一斉攻撃から半年後の状況〜

パレスチナ現地調整員 津高 政志
2009年8月 7日 更新

初日

ガザに入って僕が最初に訪れたところは、ガザ北部のベイト・ラヒアの難民キャンプでした。去年の暮れから1月後半まで続いた一斉攻撃で家を失った90家族のためにテントが並んでいます。

JVCがパレスチナ医療救援協会(Palestinian Medical Relief Society)を通して医療物資の提供を一部行っている巡回診療所では、医者と看護婦、薬剤師が、次から次にやってくる賑やかな患者たちに診察を行っていました。ガザで何よりも印象的なのは、蒸し暑さです。雲ひとつない空から容赦なく照りつける太陽、湿った海風で舞い上がる砂埃、そして封鎖により建築資材が入らず半年以上も爆撃されたままになっている建物の数々。それでも日々現実と闘うように生きているガザの人々。

テントにいた男性が言いました。
「これまで色んな人たちがここへやってきた。記者とか国際機関とか。でもみんな写真だけ撮ってすぐに帰ってしまった。私たちは動物園にいる動物じゃない。人間だ」

視察すべき場所はたくさんあり、自分たちでさえ長くそこに留まることはできない状況で、彼の言葉は心に重く響きました。しかし同時に彼の言葉は、これだけ多くの人がキャンプを訪れたにもかかわらず、何も改善されない状況に対する不満や憤りの表れだとも思います。この問題に長く関わり続け、そして状況を目に見える形で改善する、それがガザ問題に携わる者の使命だと感じました。

ジャバリアという別のキャンプも訪問し、イスラエルの攻撃で足と頭に大怪我をした少年の家族の家も訪問しました。彼は各方面からの支援によりスロベニアで手術を受けることができ、何とか歩けるようになったということです。

彼の父親に「私たちにしてほしいことがあるとしたら何ですか」と尋ねると、「封鎖の解除です」という答えが返ってきました。これだけ貧しく、これだけ物がない生活を強いられているものの、なぜその状態が継続しているかという根本を理解していることがわかります。

現地のパートナーNGOとの顔合わせなど、残りの日程を一通り終え、日が傾いてきます。2008年末からの大規模なイスラエルによる軍事攻撃を経て停戦状態となった1月以降、海岸から3マイル先(約4.8km)までしか認められていないガザの領海に、大きな夕日が落ちていきます。

2日目

それでもガザに日は昇り、今日はガザの南部にあるハンユニスの視察に行きました。途中浜辺に沿った道路を通りましたが、国連が子どもたちに提供しているサマーキャンプのテントがいくつも目につきました。

JVCが栄養失調児に対して栄養食を支援している「人間の大地(Ard El Insan)」のハンユニスの栄養センターは、非常にうまく機能しているようでした。敬虔なムスリムの女性がほとんどの建物の中で、立ち振る舞いに十分に気をつけ、腫れ物を触るようにして挨拶を交わします。どう受け取られたかはわかりませんが、今度来るときはもっと彼女たちの気持ちがわかるようになっていたいと思いました。

検問が閉まる前に余裕をもってイスラエルへ抜けるため、ガザ地区の真ん中を縦に突っ切る目抜き通り「サラハディーン通り」を急いで北上。途中 通り過ぎた、今回の攻撃でいちばんのターゲットとされたハマスの政府ビル群は、建物と呼ぶのに相応しくないほど大破され、車窓から見る景色が額に入った絵ではないかと思えるほど非現実的な惨状でした。

パレスチナ側の検問所に着き、チェックを済ませ、ガザに来た時と同じように、イスラエルの検問所までのノーマンズランド(誰のものでもない土地)を歩きます。照りつける太陽の下、足音だけがむなしく空を漂います。僕が去ってもガザの封鎖は終わりません。僕は去ることができても、人々はここで生き続けなければいけません。

うだるような暑さの中、そして危険と隣り合わせの中。そのことをいやというほどわからされた2日間でした。


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