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ガザ:ガザ市、ハンユニス市栄養センター

2008年9月19日 更新

ラマダンも後半に入った9月中旬、JVCが栄養失調児のための栄養食などの支援をしているアルデルインサンのガザ市、ハンユニス市の両栄養センターを訪れました。

初日、ガザ市のセンターに行った時はすでに子どもたちは栄養食を食べ終えていて、お腹も満たされてお母さんたちの腕の中で眠っている子どもたちもたくさん。バスマちゃん(7ヶ月)はセンターに通い始めて1ヶ月で、4kgだった体重が6kgに増えました。お母さんは「センターで栄養食の調理を学ぶのも、家で調理するのも楽しんでいるわ」とのこと。彼女は以前、センターで母乳による保育の講習を受けていたこともあり、子どもの保育に関しての意識が高いようです。仕事がない上に物価が高騰するガザですが、「お母さんの意識が高ければ、子どもの栄養状態は改善できるものよ」とスタッフは嬉しそうに言いました。

一ヶ月で2kg増えたバスマちゃん。お母さんもその調子で頑張って!一ヶ月で2kg増えたバスマちゃん。お母さんもその調子で頑張って!

ラナちゃん(13ヶ月)は、センターに通い始めて2ヶ月。体重は6.9kgから7.3kgへ増えました。12人家族でお父さんには仕事がなく現金収入がありません。ガザ市内の商店には、以前と比べれば食料品や日用品が増えたような気もしますが、一方価格は2〜3倍に上がっています。野菜もトマトが5NIS/kg(約150円)、お米が8NIS/kg(約240円)、レンズ豆が12NIS/kg(約360円)とやはり以前の倍以上の価格になっていますが、それも「数年前と比べれば、2倍どころじゃなくて3、4倍」とのこと。ますます経済が疲弊し、現金収入のない家庭にとっては最低限の食べ物を購入することすら難しい状況になっているのです。しかし、「市場が閉まる時間に行って、残り物の野菜をもらったりしているの。特にセンターから配布される乾燥食材は栄養がとれて助かっているわ」と言うお母さんの表情は明るく、厳しい状態でも頑張るお母さんたちの姿を見ることができて少し安心しました。それでもこのセンターには毎日50人以上の子どもたちが通っています。

ラナちゃんは、栄養食を食べてお母さんの腕の中でぐっすりラナちゃんは、栄養食を食べてお母さんの腕の中でぐっすり

一方のハンユニス市のセンターにも毎日50人以上の子どもが通っていて、その数は増え続ける一方です。また、子どもたちの栄養状態はガザ市に比べてハンユニス市の方が悪いのが現状です。ここ3ヶ月弱で「重度の栄養失調」と診断された子どもたちは11人。これは「過去にない悪い状態」とセンターのスタッフも不安げに言います。「ハンユニスでは、道端やゴミの中から食べ物を探したりする子どもたちも多いの。人々は生き延びるために、胃を満たすために食べているのよ」というスタッフの言葉に、生活の困難さがうかがえます。重度の栄養失調と診断されたアマニちゃん(18ヶ月)は、センターに通い始めて二週間。当初は6.15kgだった体重はこの日は6kgと、まだ回復の兆しが見えません。18ヶ月になるのに、健康な3ヶ月児の体重ほどしかないのです。なんとか頑張ってセンターに通い続けてもらって、早い回復を願うばかりです。12ヶ月で5.3kgしかないダハちゃんも重度と診断されました。健康であれば12ヶ月で9〜10kgになるはずなのです。センターに来るのがまだ2回目のお母さんの表情もあまり明るくありません。

重度の栄養失調と診断されたアマニちゃん(左)とダハちゃん。早く元気になってね重度の栄養失調と診断されたアマニちゃん(左)とダハちゃん。早く元気になってね

仕事がなく現金収入がない、食糧の高騰で食べ物を買うことができないという問題は、もちろんガザ市同様深刻なのですが、ここ、ハンユニス市のセンターに通う子どもたち、お母さんたちにとっての更に大きな問題は、センターまでの交通費です。更に貧困が厳しいといわれる、南のラファやショウカなどの地域からは、自力で来れば10〜18NIS(約300〜540円)かかってしまいます。子どもが栄養失調になってしまうほど経済状態が厳しい家庭に、もちろんそのお金はありません。そのため、9月だけでもセンターに来られなくなってしまった子どもたちが4人もいます。治療のために頑張ってセンターに通いたいという気持ちがあっても、来ることができない子どもたちやお母さんたちがたくさんいるのです。来られなくなってしまった子どもたちのその後もですが、一度も来ることもできない子どもたちも数え切れないほどいることを思うと、心配でなりません。

小さな口で、栄養食を食べる子どもたち小さな口で、栄養食を食べる子どもたち

現金がなくても市場や親戚から野菜を分けてもらったり、センターで栄養や衛生に関する知識を得ることで、お母さんたちはこの厳しい状況下でも子どもたちを守ろうと頑張っています。栄養食を小さな口でひとさじずつ一生懸命食べる子どもたちの顔、それを見つめながら顔をほころばせるお母さんたちの表情に、その思いが見えます。人々が皆口をそろえて「状況は悪くなっているし、これからも良くなるとは思えない」というガザですが、先が見えない中でも懸命に生きようと頑張っている子どもたちとお母さんたちを引き続き支えていくために、更なる支援が必要です。日本の皆さまのご理解、ご協力をお願いいたします。


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