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結婚式の会場から

2008年2月15日 更新

2月中旬。パレスチナは冷え込み、1月、2月は雪が降りました。その寒さの中、1つの結婚式が行われました。ベイト・ジブリン難民キャンプの女性グループのメンバーのファトメさんの息子さんの結婚式です。ファトメさんは、いつもパレスチナの伝統ドレスを着ていて、ふくよかな体で、私の顔を見るといつも嬉しそうに体を揺らしながら歌ってハグをしてくれます。その「立派なお母ちゃん」が誇るのは、16人の子どもを含む大家族。今日はその息子の1人、アクラムさんの結婚式。お嫁さんも同じキャンプの出身です。

結婚式は、2日間をかけて行われます。1日目の夜は、ヘンナという儀式。男性と女性は会場が分かれます。キャンプ内の会場で、男性陣は夜中まで踊り明かし、その後、生きた羊を運び込み、その場で羊を殺してきれいに洗ったそうです(その場にいなくてよかった…)。次の日のお昼には、その羊肉を料理した豪華な昼食が振る舞われました。2日目も、男女の会場は分かれています。しかし、皆が口を揃えて言うこと。「2日目の男部屋は、つまらない」―――とりあえずの儀式はあるものの、あくまで男性のみ。その後は、お茶をしながら延々とまったりとおしゃべり。この日ばかりは、自分が女性でよかったと思わざるを得ません。一方の女性部屋は、ほとんどずっと踊りっぱなしなのです。

新郎さんが入ってきて、新婦さんとダンス。女性たちが老いも若きも押し寄せて、皆で一緒にダンス。その後も、ずっとダンス。ケーキカットや、新郎から新婦へ、金の装飾品をひとつずつ着ける儀式も行われます。そして式の最後には、新郎、新婦それぞれの家族メンバーが新しい夫婦に1人ずつ挨拶をするのですが、家族であっても、男性が入るのを許されるのはこの時だけなのです。新郎さん、新婦さんともに、涙ながらに挨拶を交わします。最後は、家族メンバーが輪になってのダンスで終わりました。

しかし、会場を華やかに埋め尽くした女性陣の、ドレスやヘアアレンジの鮮やかなこと。これは男女分かれての結婚式だからこそです。腕や足など素肌を見せること、また特に敬虔な家庭においてはヒジャーブ(頭を覆うスカーフ)なしの姿を家族以外の男性に見せることが「マムヌーア(禁止!)」な社会において、この女性のみの結婚式は一見の価値があります(注:もちろん女性のみ可能です)。大人から子どもまで、艶やかなドレスに身を包み、腕や肩にまでキラキラのお化粧を施しています。そして皆、髪もきれいにアレンジがしてあるのです。写真でご紹介できないのが残念です。

女性たちの様子を見て、「どんなに経済状況が厳しくなっても、結婚式ビジネスと美容院は元気なのね」なんて納得してしまいました。特に結婚式は、彼らの生活の中ではとても重要なイベント。厳しい状況にあっても、彼らなりの「普通の生活」を保つことで、尊厳を保とうとする強さを感じました。明日になれば、日常生活が始まります。この若い夫婦も、新婦さんは学校の先生をしていますが、新郎さんは仕事が見つかっていません。それでも、助け合ってきっとファトメさんの家族のように明るい家庭を作っていくでしょう。

それにしても、踊りと写真撮影に夢中でケーキを食べ損ねたことが悔やまれます。パレスチナのケーキのこと、まして幸せいっぱいの結婚式のケーキ。きっと、歯が痛くなるほど甘かったんだろうなあ…。


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