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シュアファットキャンプとBlue ID

2007年11月28日 更新

シュアファット難民キャンプは、エルサレム市に位置する唯一の難民キャンプです。人口は1万人を超え、ほとんどの人が、エルサレム居住権があることを示す“Blue ID”を持っています。キャンプの北と西側には大きな入植地があり、そこから見下ろされる形でフェンスで囲まれています。

シュアファットキャンプは入植地(濃い紫色)にはさまれている。また、フェンス(赤色)に囲まれ地理的にはヨルダン川西岸の一部となっている。(出典:United Nations OCHA oPt)シュアファットキャンプは入植地(濃い紫色)にはさまれている。また、フェンス(赤色)に囲まれ地理的にはヨルダン川西岸の一部となっている。(出典:United Nations OCHA oPt)

この日は、シュアファットにすむある女性の家を訪ねました。29歳の彼女は、JVCが支援するベツレヘムのベイト・ジブリン難民キャンプの女性グループのメンバーです。ご主人はベツレヘムで仕事をしており、3人の女の子、1人の男の子がいますが、現在はご主人だけがベイト・ジブリンに住み、彼女と子どもたちはシュアファットに住んでいます。

「生まれ育ったのはシュアファットだけれども、やっぱりベイト・ジブリンの方が好きよ。皆が皆を知っていて子どもたちがキャンプの中にいる限りは安心だし、シュアファットと比べれば道もきれい。敷地は狭くて家はひしめき合っているけれど、ベイト・ジブリンの方がアットホームでのびのび生活できるわ。ここは知らない人がどんどん増えているし、あまり安心して子どもたちを遊ばせられない」

そう話す彼女が生まれ育ったこのキャンプに戻ってきたのは、この夏のこと。もともとシュアファット出身でしたが、結婚してからはずっとご主人の住むベイト・ジブリンに住んでいたのです。しかし、エルサレムを長く不在にしていると“Blue ID、つまり居住権を失ってしまうかもしれないため、この夏に戻ってくることを決意しました。4人の子どもたちはまだ幼いためIDを持っていませんが、子どもが将来“Blue ID”を取得できるまでは、との思いもあります。このIDを持っているとエルサレムへのアクセスが可能になり、また国民健康保険を利用することもできます。逆にこのIDがないだけで、エルサレムに行くだけでもイスラエルから発行される特別な許可が必要になり、その許可の取得はとても難しいといわれています。

路地は狭く、ゴミが溢れている。路地は狭く、ゴミが溢れている。

“Blue ID”を持っている人々はエルサレム市に税金を払っていますが、シュアファットキャンプを見る限り、市が担うべき社会サービスは十分に行き届いていません。キャンプの中の道の舗装は十分にされておらず、ゴミの収集も十分にされていないため道端にはゴミが山積みになっています。上下水システムはUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)が行っています。また、全ての住人が難民というわけではないのがこのキャンプのもう1つの特徴です。東エルサレムには経済的事情などにより住めなくなってしまったけれども“Blue ID”を失いたくないためにここへ移ってくる人も多く、そのため難民以外の人口が増えているそうです。しかし、いつまで彼らがBlue IDを保持できるかは予測不可能です。シュアファットの周りはフェンスで囲まれ、入り口にはチェックポイントがあり、地理的には西岸の一部となっているのです。いつか西岸の一部になって人々が“Blue ID”を失ってしまう日も遠くないかもしれません。

彼女の家族は現在、ご主人が仕事がお休みの日にはシュアファットに滞在し、彼女自身も子どもたちを連れてベイト・ジブリンにこまめに通っています。“Blue ID”を持たないご主人がベツレヘムからシュアファットに来るには、最短ルートであるエルサレム市内を通ってくることが出来ないため、西岸内のチェックポイントを越えながら遠回りをしてこなければなりません。この生活は、これからしばらく続きます。「大変だけれども、子どもたちが“Blue ID”を取得する日までは頑張るつもり。だって、エルサレムは私たちの町だもの」。パレスチナの人々の強い思いを感じた日でした。


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