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アーエフおじさんの念珠づくり

2007年8月21日 更新

ベイト・ジブリン難民キャンプに住むアーエフさんは、39歳。車のタイヤを販売するお店を経営していましたが、パレスチナの経済状況の悪化により、2年前にお店を閉じざるを得なくなりました。奥さんは学校の先生をしていましたが、体調が優れず今年の夏から休職をしています。子どもは3人。13歳と3歳の男の子、9歳の女の子です。

親戚の結婚式にて。左からヤーファちゃん、奥さん、アーエフさん。手前の2人が、アイマン君とアフマド君。親戚の結婚式にて。左からヤーファちゃん、奥さん、アーエフさん。手前の2人が、アイマン君とアフマド君。

13歳のアフマド君はいつも弟のアイマン君(3歳)の手を引いて、ハンダラ文化センターに連れて行ったり、私がエルサレムに帰る時にはキャンプの外まで見送りに来てくれます。将来はお医者さんになりたいそうです。「キャンプの中にクリニックを作るんだ。家族やキャンプの誰かが病気になった時に、すぐにパパッと治してあげられる、何でもできるお医者さんになりたい」

妹のヤーファちゃん(9歳)は、算数の先生になりたいそうです。ヤーファちゃんは私のアラビア語の先生です。私がわからないアラビア語の単語について、絵を描いたり他のやさしい単語を並べたりして、一生懸命に説明してくれます。アイマン君は、まだ3歳なのに歌がとっても上手で、小さな体からは想像できないくらいの立派な歌声をいつも披露してくれます。

アーエフさんは3人のまだ小さな子どもがいるにも関わらず職を失ってしまったため、現在は近くの畑での日雇いの労働をしています。しかし、野菜や果物も時季によっては一週間全く仕事が入らない日もあります。

このアーエフさんが今取り組んでいるのが、パレスチナ特産のオリーブ細工の玉を使った、腕輪念珠づくりです。これは、アーユス仏教国際協力ネットワーク様が今年の春に現地に視察に来た際に、何か難民キャンプの人の仕事になって、日本で仏教関係者が使えるもの、ということで出たアイディアです。オリーブの玉を作るのは、ベツレヘムに住むクリスチャンの職人さんです。それを結んで腕輪念珠にするのは、ムスリムであるアーエフさん、そしてそれを日本で協力して販売してくださっているのが、仏教徒の方々。アーエフさんが日々取り組んでいるのは、実は宗教を超えた共同作業なのです。

オリーブ細工工場にて。サイズを調整するアーエフさんと職人さん。オリーブ細工工場にて。サイズを調整するアーエフさんと職人さん。

大きな指で、一つ一つの小さな玉の穴に紐を通します。結び方も一から覚えました。とても真面目で丁寧に仕事をする男性で、いくつも作っているうちに質が落ちてしまうという心配が全くありません。先日は一緒にオリーブ細工の工場に行き、違うサイズや形の玉のサンプルを作ってもらいました。アーエフさんは、新しいことに取り組む意欲も強いようです。

ベツレヘムでは最近、人々が毎日食べるフブスと呼ばれるパンの値段が値上がりしました。ガソリンや、他の日用品も値上がりしています。しかし、失業率は現在も上がっています。パレスチナ内の経済は、封鎖による内部の物流や人々の移動の制限により行き詰っている状態です。仕事がないながらも家族を養っていかなければならない、そんな辛い状況にも関わらず、アーエフさんからは「辛い」という言葉を聞いたことがありません。それはきっと、子どもたちも奥さんも皆が一緒になってこの困難を乗り越えようとしているからなのだと思います。家で念珠づくりをしている時、側ではアフマド君が、仕上がりがきれいではないオリーブの玉をより分け、ヤーファちゃんがアイマン君の面倒を見たりしています。この家族の困難を前向きに乗り越えようとする頑張りを、私も少しでも支えられたらと思います。


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