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ガザ:ウム・アル・ナセル クリニック

パレスチナ現地代表 小林 和香子
2007年8月11日 更新

ベドウィン村と呼ばれるウム・アル・ナセル村は1997年にベドウィンが移住させられてできた村です。今では約5千人が暮らしています。この村の前には、見渡す限り貯水池が広がります。下水処理場の限られた能力で処理が間に合わない下水を貯めるこれらの貯水池は、遠めには青緑の水がきれいに見えますが、凄まじい匂いを放っています。この春には、このような貯水池の一つが増え続ける汚水の重みに耐えきれずに決壊し、この村を飲みこみました。村人は近くの高台に避難し、テント暮らしをしていましたが、いまではほとんど家に戻っています。

クリニックの薬局に来る患者達クリニックの薬局に来る患者達

無医村だったこの村にパレスチナ医療救援協会(PMRS)がクリニックを開いたのは5年ほど前。そのクリニックはまだ新しく、とてもきれいで清潔です。一般内科の医師が常駐するほか、小児科や婦人科などの専門医も週に何度か通ってきます。多くの医師はPMRSのジャバリアキャンプのクリニックとかけもちしています。小児科の部屋にはぬいぐるみや玩具などが飾られていますが、これもジャバリアキャンプのクリニックと同様で子供達が怖がらないようにとの配慮です。この病院の薬局はこの村唯一の薬局でもあります。クリニックでの処方箋はもちろんですが、外の病院などの処方箋にも対応します。薬局で薬を買うお金がなくても、ここの薬局なら1種類の薬を3シェケル(約90円)で購入できます。子供なら1シェケル(約30円)です。

案内してくれたアエド先生からとてもショッキングな話を聞きました。この村の住民の血液検査をしたところ、住民の約27%に貧血があったそうです。さらに、3歳以下の子供のなんと75%が貧血だとわかったそうです。子ども達には鉄分強化のシロップを処方したり、特別な支援がついた場合にはフードパッケージを家族に提供して対応しているとのこと。しかし、住民の食生活が改善されないことには、根本的な解決になりません。遊牧民として暮らしてきて移住させられた彼らには、現金収入の機会はそもそも限られています。ガザに対する各国のボイコットは、ガザのイスラエルに依存した貧弱だった経済を破壊し、ガザの人々を現金収入の喪失、貧困増加、そして支援物資への依存を深めるネガティブ・スパイラルに導いています。さらに、この村の人々は、各国が約束した新規汚水処理場建設計画の停止のために汚水に囲まれた劣悪な状況下の生活も強いられています。そして、いつまた汚水の貯水池が決壊するかもわからない不安の中で暮らしています。

笑顔の子ども達笑顔の子ども達

それでも、私達がクリニックを出ると、子ども達が「写真を撮って!」とくったくのない笑顔で駆け寄って来ます。元気そうに振舞っているこの子達もきっと毎日充分な食事も出来ず、貧血に悩んでいるのかもしれない、そしてその状況が改善される見通しがない。そう思うと胸が痛みます。


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