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ハンダラサマーキャンプ2007 その1

2007年7月27日 更新

乗り合いタクシーを降りた瞬間、「キャー!!」という“叫び声”が聞こえてきました。入り口からは見えませんが、キャンプサイトのある方向がその声からすぐにわかります。ベイト・ジブリン難民キャンプ、ハンダラ文化センターのサマーキャンプが今年も始まりました。今年は、ベイト・サフールのYMCAのキャンプサイトを借り切って、10日間にわたって行われます。

工作ワークショップ工作ワークショップ

ベイト・ジブリン難民キャンプは、人口が約2,000人とパレスチナの難民キャンプではもっとも小さいのですが、狭い敷地内に住居がひしめき合うように建っています。キャンプの中には公園や運動場など子どもたちが思い切り体を動かして遊べる場所がありません。キャンプのすぐ外側には、まるで抑圧を象徴するかのように高い分離壁が立っています。2001年から2002年にかけて、ベツレヘムに侵攻がありキャンプも攻撃され、家の前を戦車が通り、外出禁止令が出ていた頃と比べれば、「家の外に出る」ということは難しくはなりましたが、「キャンプの外に泊りがけでお出かけする」のは、子どもたちにとってはとても特別な機会です。

徹夜組のシエスタ徹夜組のシエスタ

私がまず訪れたのは2日目。ここ数日間、猛暑に襲われていたベツレヘムエリアですが、子どもたちは元気いっぱい。「2日目だからまだ余裕だよ」なんて笑顔を見せていたのは、ボランティアのユースたち。でもその陰で、徹夜で頑張ったボランティアたちは木陰にマットレスを敷いてお昼寝をしていました。

血でもなく食べこぼしでもなく、絵の具で真っ赤血でもなく食べこぼしでもなく、絵の具で真っ赤

そう、子どもたちもボランティアたちも、サマーキャンプは体力勝負です。たとえお絵描きや工作の時間であっても、子どもたちは動きっぱなしです。子どもたちは6つのグループに分かれて、それぞれにボランティアが2〜3人ついて活動しますが、ボランティアたちは一人ひとりの子どもたちの様子をきちんと見ています。キョロキョロと他のグループに“浮気”がちな子どもを連れ戻したり、虫に刺されてしまった子どもを本部に連れて行ったりしながら、子どもたちと一緒に作品を作り上げていきます。

アーティスト誕生アーティスト誕生

絵の得意な子もそうでない子も皆が一緒に、普段キャンプの中では感じられない広々とした空間で、太陽の下で風を感じながら(とはいえ、ものすごい暑さではありましたが…)、様々な作品を完成させました。どの作品も、子どもたちの創造力の豊かさが表れたような鮮やかな色使いです。

しばらくすると、歌っているのか叫んでいるのかよくわからない悲鳴のようなものが、木立の間から近づいてきました。拡張機で“煽り”ながら子どもたちを先導するのは、ボランティアの男の子。各グループが同じように集まってきました。そして全員集合したところで、子どもたちが3つくらいのグループに分かれ、かけあいの歌が始まりました。子どもたちは競い合うように声を張り上げていき、テーブルの上でダンスが始まると、もう止まるところを知らないといった様子でした。

踊る昼食前踊る昼食前

30分ほどして、ようやくお腹もすいたのでしょうか。お昼ごはんです。お昼ごはんは、お母さんたちが調理したものが運ばれてきます。今日は、シュニッツェルとライス、トマトときゅうりのサラダでした。そしてご飯を食べ終わると同時に、また子どもたちはフィールドへと駆け出していくのです。「待てー!」というボランティアの声があちこちで聞こえてきて、周りで見ていた人たちも大笑いです。

おいしい笑顔おいしい笑顔

皆の笑顔を見て、まるで彼らが1つの大きな家族のような気がしました。皆が皆を知っていて、信頼していて、一緒に喜びを分かち合える、そんな大きな家族です。見ているだけで笑みがこぼれてしまい、温かい気持ちになってしまう、そんな力を持った家族です。辛い時期を共に助け合って乗り越えた彼らだからこそ、この一体感が生まれるのかもしれません。

現在ボランティアをしている若者たちの少年・少女時代には、このサマーキャンプのような機会はありませんでした。思い切り体を動かして遊びたい年頃にイスラエル軍の侵攻があり、日々家の中で銃声に怯えながらストレスを感じていた世代です。外出禁止令が出て、毎日学校に行くことすらできませんでした。しかし彼らは、そのストレスに負けなかったのです。ストレスをマイナスの方向に向けるのではなく、明るい世代を作っていくというプラスの方向へと変えていった彼らの強さが、まるで子どものような笑顔に表れているような気がしました。それを見て、これからもずっと子どもたちがのびのびと育つことができる環境が守られるよう、願わずにはいられませんでした。

明日は、皆でスイミングプールへ出かける日です。子どもたちもボランティアたちも今日は早めに寝て、明日も一日元気よく楽しんでね。


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