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応急処置講習:東エルサレムYMCA

2007年7月 5日 更新

東エルサレムのYMCAは、エルサレム各地から集まってくる600人もの子どもたちが利用しています。スポーツジムやスイミングプールなどの運動施設もあり、3歳からの子どもたちが色々な活動に参加しています。子どもたちの面倒を見るのは、15歳から17歳のボランティアたち。YMCAでは、一年3回に分けて、それぞれ30人強のボランティアの育成プログラムを行っています。そのプログラムを受けた彼らが中心となって、小さい子たちの活動を引っ張っていくのです。MRS(医療救援協会)がトレーニングを行う応急処置講習も、そのプログラムの一環です。

骨折した腕の固定方法を教えるラムジー先生骨折した腕の固定方法を教えるラムジー先生

今日は3回講習のうちの2回目です。参加したのは約30人のボランティア“予備軍”たちが、呼吸が止まってしまった時の処置方法、鼻血の止血方法、喘息の発作への対応方法、骨折した箇所の固定方法など、ラムジー先生は一つ一つ、体を使って教えていきます。内容はほぼ、同じく応急処置講習2回目を行った先日のシュファット難民キャンプと同じです。しかし、若者たちの反応に違いを感じました。ラムジー先生も「シュファットとの違いがわかるかい?シュファットのボランティアたちは、男の子も女の子も皆、元気いっぱいで競うように手を上げていた。ここのボランティアたちはおとなしいよ」と言うように、あくまでシュファットでの講習と比べれば、なのですが、皆がおとなしく静かに講習を受けている姿を見て、違和感を覚えてしまいました。真面目に講習を受けてはいるのですが、元気がないようにも見えるのです。

講習が始まって30分ほどしてやってきた女の子がいました。彼女は、エルサレム北部のアル・ラムという町に住んでいます。家から来る途中のチェックポイントで足止めされたため、遅れてしまったとのことでした。エルサレムからパレスチナ西岸に入るカランディア・チェックポイントまで続く道には、センターライン上に壁が建設されています。その壁によって分断されてしまった町もあります。このプログラムのYMCAの責任者であるミシェルさんは、「スタッフもここを利用している子どもたちも、エルサレムID(エルサレム居住権があることを意味します)の更新が難しくなってきているという問題を抱えている。ここに活動にやってくるのも時間がかかって大変な人もいる。本当ならば、西岸で活動しているYMCAとの共同で、各地域の若者たちが交流もできるようなプログラムもしたいのだけれど…」と不安そうに言いました。壁の建設によって強制的に「壁の向こう側」となってしまう人たちは少なくありません。また、パレスチナ西岸で仕事を持っている場合、エルサレムID以外のパレスチナ人と結婚した場合などに対して、エルサレムIDの更新が許可されないというケースが増えているそうです。

道のセンターライン上を走る壁道のセンターライン上を走る壁

パレスチナ西岸の町よりも「都会」ではある東エルサレムですが、近年は、壁の建設によって村が分断されたり孤立することによって、エルサレムIDを失ってしまうかもしれないという不安も抱えています。子供たちの表情に見られたのは、エルサレムだからこそ抱える難しさの中で生きていくという、そういった不安だったのかもしれません。彼らは、YMCAで活動することに、希望を求めてやってくるのかもしれません。帰り際、「ボランティアが好き、楽しいから」という参加した男の子の笑顔に希望が見えた気がして、私も少し嬉しくなりました。


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