アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
  • JVC facebook
  • JVC twitter
  • イベントメルマガ配信中
  • 文字サイズ:大きく
  • 文字サイズ:中くらいに
  • 文字サイズ:小さく
JVC English website

占領から40年のイベントに参加して

2007年6月20日 更新

この5月から6月にかけてエルサレムでは、1967年の第三次中東戦争(*パレスチナでは「1967年戦争」と呼ばれる)から40年、つまり「パレスチナ占領から40年」の節目に占領の終結を訴える様々なイベントが行われました。

”Women in Black”の黙祷”Women in Black”の黙祷

6月8日、西エルサレムの大きな交差点に面した広場で、“Women in Black”の黙祷がありました。4日間にわたるこの黙祷の最終日、ヘブライ語で「Stop Occupation Now」と書かれたサインを掲げるユダヤ人の女性に聞きました。「ここで2000年以降毎年集まっているけれど、人は少なくなる一方なのよ。200〜300人集まった時もあったのに、今日はせいぜい50〜60人くらい」。道路を行きかう車のほとんどはまるで彼らの存在が見えないかのように通り過ぎていき、中には車の中から罵声を浴びせるイスラエル人もいました。それでも、イスラエル側である西エルサレムでこういった意思を示し行動することの意味は、小さくはないのではないでしょうか。

同じ日には、タントゥールという町で“Together for Peace -end of conflict –end occupation”というイベントが行われました。イスラエルとパレスチナの人々の間の「対話」を目的としたこのイベントには学生やミュージシャンが参加し、映画の上映や音楽のコンサート、ワークショップなどが行われました。300人以上が参加したのですが、参加するパレスチナ人についてはもちろん、エルサレムに住んでいるパレスチナ人や、今回のイベントのために特別な許可を取得できた「参加できる人」(?)。イスラエルから参加した人たちについては、平和への取り組みを行っている団体の人たちです。

イベントの会場からは、ベツレヘムとの間にある巨大なチェックポイントと、蛇のように丘陵地帯を這ってパレスチナへの視界を遮る壁が一望できました。パレスチナとイスラエルの人たちを同じステージに集めて「対話」を目指すという取り組みは、もちろん非常に大切だとは思うのですが、この壁を前にすれば、「彼らが本当に同じ高さのステージに立って対話を目指していくことは、可能なのだろうか」と感じざるをえませんでした。

このイベントを主催した団体でインターンをしている友人にそう感想を伝えると、「この活動がどれだけ意味を持つものなのか、これを行うことで何が変わるのか、という疑問は僕も感じている。それでも、この活動を続けたいという人たちがいるのならそれをサポートしていきたい」という答えが返ってきました。

6月5日には、東エルサレムのホテルでPLO(パレスチナ解放機構)主催の、エルサレム占領40周年に関する会議があるということで会場に行ったのですが、当日、会議は中止されていました。これはイスラエルが、エルサレムにおける全てのパレスチナ人の「政治活動」を禁止していることによります。「これが民主主義国と謳っている国のすることなの?」と、会場に来ていた東エルサレムに住むパレスチナ人の女性は憤りを隠さずに言いました。彼女のお父さんはガザ出身。イスラエルに占領される前、お父さんはオレンジの畑を持っていたのですが、その土地は奪われてしまったそうです。「亡くなる時に父親が言った、『あの畑がまだ自分の手にあった10年前に死んでいたかった。両手に収穫したオレンジを持って、死ぬ方が幸せだった』という言葉が忘れられない」。翻弄されてきたパレスチナの人々の思いを詰め込んだような彼女のその言葉に、胸が痛くなりました。

東エルサレムで行われた、第三次中東戦争の犠牲者への追悼式東エルサレムで行われた、第三次中東戦争の犠牲者への追悼式

私が参加したのはほんの一部のイベントでしたが、多くのイベントはパレスチナ側で行われ、イスラエル側ではアーティストのエキシビションや学術系の催しの他は、ほとんど行われませんでした。その中のいくつかの催しに参加して感じたのは、参加する人たちと、参加しない人たち―つまり、この40年の占領という事実にまるで関心がない人たち、の大きな差でした。

また、今年は第三次中東戦争から40年ということで1967年の出来事、そこから始まった「占領」にフォーカスしていましたが、40年間に及ぶ占領が終わればパレスチナの人たちが平和に暮らせるのでしょうか。先日、ガザに住むパレスチナ人の友人がエルサレムを訪れたのですが、彼はその道中で初めて、自分のお父さんの家族が暮らしていた町を訪れることができたそうです。現在はイスラエル側になっているその町には、当時の面影は何も残っていないとのこと。その現実に悲しさと悔しさも覚えつつも、「今日初めて、自分の町に帰ったんだ。この気持ちを想像できるかい?」と、興奮して話していました。彼は国際NGOに働いていたため、ガザから外に出る許可をもらえたのですが、そうでないガザの人たちにとって、故郷の町を訪れることはとても難しいのです。

彼らがどれほどの思いを抱えながら60年におよぶ難民として生きてきたのか、それは私の想像をはるかに超える思いなのでしょう。彼らにとっての「ナクバ(=悲劇)」は、来年60周年を迎えます。一方、イスラエルにとっては建国60周年。双方の距離は広がる一方なのでしょうか。市民レベルで、少しずつでもイスラエルとパレスチナの人々を近づけていこうとする地道な取り組みが、実を結ぶ日は来るのでしょうか。彼らの活動を見守り、その努力を伝えていく形で応援できればと思います。


この活動への寄付を受け付けています!

月500円からのマンスリー募金で支援する

今、日本全国で約2,000人の方がマンスリー募金でご協力くださっています。月500円からの支援に、ぜひご参加ください。

郵便局から募金する

郵便局に備え付けの振込用紙をご利用ください。

口座番号: 00190-9-27495
加入者名: JVC東京事務所

※振込用紙の通信欄に、支援したい活動名や国名をお書きください(「カンボジアの支援」など)。
※手数料のご負担をお願いしております。

JVCは認定NPO法人です。ご寄付により控除を受けられます(1万円の募金で3,200円が還付されます)。所得税控除に加え、東京・神奈川の方は住民税の控除も。詳しくはこちらをご覧ください。

遺産/遺贈寄付も受け付けています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

団体案内
JVCの取り組み
11ヵ国での活動
イベント/お知らせ
現地ブログ
あなたにできること
その他
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F 【地図】
TEL:03-3834-2388 FAX:03-3835-0519 E-mail:info@ngo-jvc.net